EASY FIGHT
堀口恭司(著)
/幻冬舎単行本
作品情報
第7代Bellator世界バンタム級王者
「最強のMade in Japan」が明かす格闘家としての半生。
ごちゃごちゃ語るな。
やるべきことに集中しろ。
結局、「本物」しか残らない。
目次
まえがきにかえて 難しく考えるな
第1章 前夜
鉄アレイが刺さったトビラ
5歳から始めた空手
ケンカにならない
全国大会で準優勝
初めてボコられた同級生
山本〝KID〟徳郁×魔裟斗
高校での寮生活と初めての彼女
学校でのイジメについて思うこと
「お前じゃ絶対に無理だよ」
KIDに会う
内弟子初日に思ったこと
第2章 UFC王座を目指す
はじめてのプロ練習
不安どころか楽しみしかない
晴れてプロデビュー
自分が試合をする意味
KIDさんのセコンドでUFCへ
オクタゴンの金網リングで闘う
UFC王座への初挑戦
米国を拠点に
日本人選手のATT入りについて
強さとは何か?プロとは何か?
RIZINからのオファーと選んだ理由
第3章 師匠との別れ
RIZINバンタム級グランプリ
自然体で 「1位になる」
覚えていない準決勝
決勝戦は想定内
開始9秒での勝利と天心戦のアピール
台風に直撃された那須川天心戦
「なんで負けたんだよ」
KIDさんとの別れ
もう一人の師匠、 二瓶さんとの別れ
第4章 日本人初の二冠王
RIZINバンタム級王座を獲得
メイウェザー戦が実現したら
難しい問題を解くための考え方──円周率は 「1」
異変
無感情
自分を信じる方法
史上初の二冠王
断った朝倉海戦と敗戦の理由
全治10カ月
アメリカに自宅を購入
第5章 カーフキック
直弟子を取るか問題
日本市場とアメリカ市場の違い
日本人が精神的に弱い理由
感情を殺すように心がける
アホは強い
自分の子どもには選択肢のある人生を歩ませたい
Bellatorとの契約
試合はトランプゲーム
命懸けで闘うという考え方
前向きな思い込みを意識せよ
どこまで行っても気持ち
朝倉海との再戦
「イージーファイト!」
カーフキック
第6章 格闘技をメジャーに
物議を醸した記事
自分流の立ち直り方
アメリカから見た日本の風景
朝倉兄弟とローガン・ポール
1日2試合は是か非か
シバター八百長騒動
キャリア初の2連敗
ついに実現した天心×武尊戦
フジテレビの撤退と次なる収益構造の模索
天心 「無敗」 の真相
格闘技をメジャーにしたい
第7章 新格闘技団体「TOP BRIGHTS」の方向性と役割
エンタメかショーか
アスリート×不良
朝倉未来がメイウェザーに勝つ方法
花束投げ捨て事件と土下座
新格闘技団体 「TOP BRIGHTS」 の方向性と役割
減量について
ステロイド使用の問題について
堀口恭司×井上尚弥が実現したら・・・・・・
無鉄砲がいいほうに転がるパターン
第8章 「最強」の定義を考える
「ファイター」は何が起ころうと闘うのが仕事
日本ではよく眠れない
人生の無駄とは何か?
いかにシンプルに考えるか
ルーティン
「最強」 の定義を考える
中間を取ることができない
もし格闘技と巡り合わない人生だったら・・・・・・
もし格闘家として成功していなかったら・・・・・・
あとがき──自分が求めているもの
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商品情報
- シリーズ
- EASY FIGHT
- 著者
- 堀口恭司
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 幻冬舎
- 掲載誌・レーベル
- 幻冬舎単行本
- 書籍発売日
- 2023.12.07
- Reader Store発売日
- 2023.12.07
- ファイルサイズ
- 2.1MB
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この作品のレビュー
平均 4.0 (5件のレビュー)
-
EASY FIGHT
“史上最強のMade in Japan“堀口恭司の自伝的な本。一言で表すと、凡事徹底であろう。凡事を徹底したものだけが非凡になれる。逆説的であるが、堀口は非凡なまでに凡事を徹底…する、まさにその徹底ぶりが今の彼の姿を形成している。
本書を通じて、堀口が清々しいほど、(良い意味で)何も考えていないことがわかる。これだけトップレベルでやる選手であるからには何等かの複雑な思考や戦略があるのではないかと思わせるが、恐ろしいほど、考えていない。一つのことに集中、敢えて何も考えない。本書でも、堀口自身が、無感情であることの効用を唱える。できるだけ感情をなくし、やるべきことを徹底する。私の敬愛する内田老師も、武道として天下無敵を定義する時、自分のコンディションを下げ、パフォーマンスを下げるあらゆる要素から解放された状態であると述べていたが、まさに試合中の緊張や迷い、気負い、それらも敵であり、勝負の際には視界を曇らせる。堀口も、同じようにそのような感情がパフォーマンスを下げることが知っているからこそ、機械的に、無感情で練習や試合に臨む。
そして、もう一つの大事なこととして、ただ自分を信じて自分ならできると自己暗示する。比較的、その点、日本の教育にはやはり批判的である。他人の挑戦を否定する空気やカルチャーに異議を唱える。有名なインタビューとRIZINの文句として「お前は俺じゃねーんだよ」「誰かの否定に付き合うな。主人公になることを恐れるな」があるが、まさに本書はその二言を敷衍した内容であった。
昨年頃から、総合格闘技にのめり込んでいるが、やはり総合格闘技の魅力は各選手の戦略の部分にあると思う。総合格闘技をやっている選手の多くはキックボクシングや空手等の打撃系出身や、レスリング出身、さらには柔術家等のグラップラー出身等、バックボーンを持った選手がしのぎを削っている。それらの選手が、自分の出身の格闘技の強みと弱みを理解し、弱点を補強しつつ、強みを最大限活かす戦略を立てる。いずれの試合でも、無論、立ち技の展開になれば、キックボクシング出身の選手が強いが、ひとたび寝かされてしまえば、柔術家の極め技の餌食になってしまう。各選手が自分のカラーを出して、闘う。そのためには基礎技術はもちろんのことであるが、自分の戦いたい土俵を作り、相手を誘いこむことも重要である。極力、場を主宰し、場をコントロールできる人間がやはり強いし、場をコントロールするための引き出しの多さが肝になる。こうした格闘家の立ち回りは、非常に自分自身のビジネスでもオーバーラップするところがある。
今の会社は中途入社が9割近くの会社であるが、皆が自分たちの前職の職歴や強みを活かして、勝負している。営業であれ、コンサルタントであれ、付加価値提供による顧客の課題解決と自社の事業成長のための収益獲得を目指して昼夜頑張っているが、その道筋は人々に任されている。保険を扱う事業であるため、最低限の保険知識はもちろん必要であるが、英語力を活かす人もいれば、コンサルティングスキルを活かす人もいる。そうした中でも、できるだけ顧客と対峙した際に、引き出しの多さを持ったうえで、自分の強みを活かした展開に持ち込むことも信頼を得る上で重要である。(無論、顧客のニーズをゆがめるという意味ではなく、ニーズの解決における道筋を自分が付加価値を出しやすい展開に持ち込むという意味である)。こうした、面でも総合格闘技と大きく重なるところがある。さらに、もう一つ興味深いところが、総合格闘技におけるマッチメイクの発想である。堀口恭司はそのタイプではないが、トラッシュトークと言って、試合前に相手選手の悪口を言い連ねて、因縁を演出すること、試合を盛り上げるパフォーマンスもある。ただ悪口を言っているように見えて、多くの選手は戦略的に実行し、試合前のボルテージを引き上げ、試合当日まで観客の幻想を喚起する。そして、このようなトークの上手い選手は、試合が決まる前から様々な布石を打っている。平本蓮選手等は、非常に特徴的で、ある種のプロモーター目線で自分自身のストーリーを2-3年スパンで描き、そのストーリーの中に多くの選手を引き込んでしまう。まさに場を主宰する力に長けていると言える。いずれの選手も、格闘家をしての芯の強さはもちろんであるが、階級のチャンピョンになるためのストーリーを描き、向こう数試合のマッチメイクを意識して、演出をしていく。観客の幻想と喚起しても、勝負所で勝てなければ意味はないのだが、勝負論を掻き立て、マッチメイクを実現させていく幻想構築力やストーリーの構成力も、総合格闘技の魅力の一つである。実際、試合は多い選手でも年間4-5試合しかない。その中で、その勝負に至る過程をいかに演出し、観客に夢を持たせるか、そこもできる選手はやはりプロフェッショナルであると感じる。このような感性も、実際のビジネスの展開でも重要であると思う。社内政治という言葉とはまた違うが、魅力的なポジションやチャンスをつかむためには、自分自身で演出し、上司部下同僚を含めて、この人であればやらせてみたいと思わせるストーリーを描くこと、ある種の幻想を抱かせることも重要である。その時点では幻想でも、勝負できる場所が決まれば、そこに向けて幻想を現実化するために圧倒的に努力する。まずは目標を立て、自分の能力よりも一段上の機会を作り(作ってもらい)、その勝負に勝つための努力と、盛り上げを欠かさない。そんな学びが、興行としての格闘技の視点では実生活への学びがある。
最近改めて、感じるのは、意外にも世の中の多くのことは人々の思い込みや感覚ベースで動いている。人々が抱く幻想の現実変成力というものは馬鹿にならない。昇進やチャンスをつかむにせよ、公正に評価してほしいと望む人は多いが、またしても天下無敵という言葉を引用するが、人々の幻想や思い込みも自分自身の現在から将来にわたるパフォーマンスに影響するのであれば、それもコントロールしてこそ社会でいきるということではないかと思う。続きを読む投稿日:2023.12.10
このレビューはネタバレを含みます
自分の人生を生きる
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シンプルに考えて、今に集中する
弱気になったときに読み返したい本
⭐︎感情を殺すように心がける
複雑に、ネガティブに考えない
試合でも感情ではなく、機械的にやったもん勝ち
怒り…を持つと、その感情のスキをつかれることもある
⭐︎同じ人間がやっていることだから、価値をつけなくても、淡々とやっていれば正解に近づけるよ、上に行けるから心配する必要はないよ
⭐︎周りに叩かれるからってビビりすぎてどうするの?
チャレンジに失敗したら叩かれる?
そんな声、ほっておけばいいじゃん
足を引っ張りたい人は腐るほどいるけど、成功するのはほんのひと握り
だったらお前はどっちになりたいの?
そんなどうしようもない人たちのことを考えてもしょうがない
続きを読む投稿日:2024.03.30
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