ハンチバック
市川沙央(著)
/文春e-book
作品情報
私の身体は、生き抜いた時間の証として破壊されていく
「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」
圧倒的迫力&ユーモアで選考会に衝撃を与えた、第128回文學界新人賞受賞作。
打たれ、刻まれ、いつまでも自分の中から消えない言葉たちでした。この小説が本になって存在する世界に行きたい、と強く望みました。
――村田沙耶香
小説に込められた強大な熱量にねじ伏せられたかのようで、
読後しばらく生きた心地がしなかった。
――金原ひとみ
文字に刻まれた肉体を通して、
書くという行為への怨嗟と快楽、
その特権性と欺瞞が鮮明に浮かび上がる。
――青山七恵
井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。
両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだす――。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- ハンチバック
- 著者
- 市川沙央
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春e-book
- 書籍発売日
- 2023.06.22
- Reader Store発売日
- 2023.06.22
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 96ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.5 (571件のレビュー)
-
芥川賞選考委員の誰一人として、おそらく書くことができない小説
ReaderStoreの作品紹介には文學界新人賞受賞選考委員の感想が書かれていますが、文藝春秋に掲載された芥川賞の選評も合わせて読んでみると、なかなか興味深いものがありますよ。難病の当事者だからこそ…書くことができた内容に、どこか戸惑いと羨望があるように思いました。
とりもなおさず私にとっては、知らなかったことの連続でした。あ~こんな風に感じているんだ、こんな風に考えるんだと、かなり衝撃的なものでありました。勿論、冒頭の「ツカミ」から本筋に入る構成力や筆致の見事さ、強さ、そして怒りさえ感じる文章には本当に引き込まれます。主人公ほどではないにせよ、当然そこには作者自身の体験が色濃く反映されているのでしょう。
私が一番衝撃だった描写は、「博物館や図書館や、保存された歴史的建造物が嫌いだ」というくだりです。主人公は、壊れずに残って古びていくことに価値を持つものが嫌いだと言います。その理由は、生きれば生きるほど、自分の身体はいびつに壊れていくから。生き抜いた時間のあかしとして破壊されていく体。これは健常者が死病にかかったのとも、老化とも違うと主人公は言います。私自身は、こんなことを考えたことはなく、かなりショックを受けました。
芸術的な純文学の短編に与えられるという芥川賞ですが、本好きの人でも敬遠する人があるかもしれません。でも、これは是非読んでほしい一冊だと思います。
ただ、私も最後に唐突に表れる短文?は、その付け加えられた意味がちょっとわかりませんでした。続きを読む投稿日:2023.09.06
-
このレビューはネタバレを含みます
文學界2024年3月号、特集「身体がいちばんわからない」の鼎談『大江謙三郎は何度でも新しい(市川沙央×岩川ありさ×菊間晴子)』で著者に興味を持って、「芥川賞読むか」となった。
レビューの続きを読む
スタートからちょっとギ…ョッとするし、専門的な医療機器の名称にネットスラングが交じり「むむむむ……」となりながら読んだ。
障碍者が健常者と同じように願望や欲望を抱えていることは認識していたつもりだけど、衝撃を受ける。でも、主人公のことは好きにはなれないなぁ、という気がしている。
紙の本に対する憎しみは想像ができていなかった。確かに「重い物を持てない」というレベルではなく、本人の身体に影響があることのように思う。
ヘルパーの田中が「釈華」と「紗花」と「Buddha」が同一人物であることを知っているとわかってから物語が加速していく感覚がある。
「痰」と「担」を掛けているのはすげぇなと思ったけど、この終わり方はどういうことなんだろう?最後は紗花の一人称なので『ワセジョのSちゃんの乱交日記』のようだけど、紗花の側から釈華を認識しているように読み取れる。
面白くないとは思わなかったけど、文体はちょっと合わないなぁ、と終始思っていた。
冒頭のHTMLは構文的に間違っていて、意図して間違えているとしてもその意味がないし、そもそもHTMLで書く意味も薄いのでは。読み進めるとすぐに「コタツ記事」の話になるので「そういうとこだぞ」という印象が最初からこびりついてしまった。次作も読むかというと微妙。
しかし、市川沙央さんの話、考えていることは面白く、最初に触れた鼎談は読んでみてほしい。続きを読む投稿日:2024.06.18
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。