教養としての「戦国時代」
小和田哲男(著)
/PHP新書
作品情報
数多くの映像作品で時代考証を手がけてきた第一人者が、戦国時代を読み解く! 「長篠・設楽原の戦いで、信長は『鉄砲の三段撃ち』の新戦術を用いて、圧倒的勝利を手にした」「明智光秀は個人的な恨みで、本能寺の変を引き起こした」・・・・・・これまで語られてきた「通説」は、研究の進展によって見直されつつある。では、あの合戦の実相はいかなるものだったのか。有名武将たちの強さの秘密はどこにあるのか――メディアに多数出演し、わかりやすい解説で定評のある著者が、最新研究によって見えてきた戦国時代の実像を解説。さらに、武将たちの生き方から、現代人が学ぶべきヒントを提示する。 ●第一部 ◆名将たちの真価――なぜ成功したのか ●第二部 ◆あの合戦の実相――通説は覆された ●第三部 ◆乱世の叡智――現代に活かす
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商品情報
- シリーズ
- 教養としての「戦国時代」
- 著者
- 小和田哲男
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP新書
- 書籍発売日
- 2023.03.16
- Reader Store発売日
- 2023.03.17
- ファイルサイズ
- 5.1MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 3.5 (5件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
<目次>
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第1章 名称たちの真価~なぜ成功したのか
第2章 あの合戦の実相~通説は覆された
第3章 乱世の叡智~現代に生かす
<内容>
PHPの出している月刊誌「歴史街道」に書いたものを再編集したもの。1989年のものもあり、研究の最新の成果が盛り込まれたとは言いにくい。タイトルが「教養としての~」なのはそのせいか。新しい知見を求める人向きではない。投稿日:2023.04.21
コロナ流行により近隣にある図書館で行っていた、読み終わった本のリサイクルサービスが長年中止になっていたことと、最近はネットで本を買うことが増えてきたので、図書館に行く機会がなくなっていました。この度、…部屋の掃除をしていたところ、図書館のカードが出てきたこともあり久しぶり(5年異常振り)に行って、本も久しぶりに借りました。
歴史コーナーで見つけたこの本、現在の皇后(まさこさま)の歴史学者である、お父さんが書かれた本です。今までも何冊か読ませてもらっています、もうかなりご高齢なのに、最新の歴史研究を踏まえた内容を盛り込んで書かれていて、常に研究に励んでいらっしゃるのだなと思いました。
戦国時代の武将の考え方や、最新の歴史研究によって通説が覆されたもの、それらを踏まえて、現代に活かすことのできる「乱世の叡智=第3部」が書かれています。この本では、有名な3武将(信長・秀吉・家康)以外の武将や、有名な戦いの意義・背景などにも触れられていて、まさしく「教養」を身につけることができる本だと思いました。
以下は気になったポイントです。
・東国には武家による独立政権を作ろうとしていた、中央とは一線を画す独立の精神が根付いていた、その証拠に、北条氏家が誕生する少し前の、古河公方・足利成氏は朝廷とは異なる年号を使用している。それは中央の支配に服さないことを意味した(p33)戦国武将は誰もが上洛を目指していたわけではない(p34
。北条氏綱は、姓を伊勢から「北条」に改めた、鎌倉幕府の執権・北条氏を意識したもので、関東の支配を視野に入れたものであった。(p36)この志を継承したのは、徳川家康である。家康は撫民政策など氏康の政策をよく踏襲し、見事に統治した。そしてその政策を全国に広げていった(p41)
・信玄は一度決めても「不適切だ」と思ったら、柔軟に直した、これは分国法に限った話ではなく、情勢を見て機敏に対応するところは、同時代の他の誰の武将よりも優れている(p44)信長にとって、信玄は他の同盟者(家康=東の防波堤、浅井長政=西に進む支援者)とは異なり、戦いを避けたい相手でアタ(p45)
・何か起きた場合、選択肢はいくつもあった方がいい、そうした選択肢を準備しておくことは、危機管理能力そのものである(p52)
・関ヶ原の戦いでは、西軍に与した大名のうち、改易(88人=416万石)、減封処分(5人=216万石)統計632万石の石高が家康の事由となった。家康の所領(250)を合計400万石とした。譜代・親藩の数を増やし、関東・東海・畿内の要地においた、外様大名に対しては、加増したが僻地に追いやっている(p85)
・徳川政権の営業所にあたる中で一番重要だったのは、京都所司代である。役割は、1)京都の護衛、2)禁中公家の監視及び連絡、幕府と調停の窓口、3)京都町奉行・奈良奉行・伏見奉行を統括、京都周辺の8箇所の天領の訴訟処理、4)西国外様大名の監視であった(p91)幕府直轄の要地には遠国奉行が置かれた、大阪・京都・駿府などの町奉行、伏見・長崎・山田(伊勢山田)・日光・奈良・堺・佐渡・下田・浦賀・函館・新潟である(p91)
・東軍に寝返った武将でも、事前に家康と胃を通じていた小早川秀秋、脇坂安治らは所領安堵されているが、それなしに寝返った、赤座直保、小川祐忠は改易されている(p152)
・大阪の陣は日本史において2つの意味があった、1)この戦いにより、平和な時代が訪れた、2)江戸時代の武士に「武士とは何か」を伝える契機となった。敗れたとはいえ、大坂方の戦いぶりは見事であった、家康の本陣が崩れたのは、三方原以来であると「三河物語」には記されている(p163)
・織田信長が印判状に用いた朱印の印文『天下布武」は、武力で天下をとってやろう、ではなく「武家による天下統一」であり、公家・寺家を政権から外すというものであった(p181)
・秀吉が台頭するまでは、東北の伊達氏、四国は長宗我部氏、九州は島津氏、関東は北条氏が覇権を握っていた、だから天下統一ではなく、地方政権が分立する状態になってもおかしくなかった(p197)
・破れ去りし者に共通する要因、1)情報の不足、2)親子の意見対立、3)自信過剰、4)プライドへの固執、5)味方作りの失敗、である(p〜198)
・三成が率いる石田家家臣団は、関ヶ原で破れ去ったが、戦場では大いに奮戦し、劣勢になってもなかなか崩れることなく西軍の意地を見せた。それは、三成の持っている理想や、彼の掲げる大義を家臣たちが信じることができたからであろう。部下が共感し、その人について行こうと思える理想や大義を持つこと、組織を率いるリーダーにはそれが求められるのではないか。(p210)
2024年6月6日読破
2024年6月6日作成続きを読む投稿日:2024.06.06
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