「大東建託」商法の研究 〝サブリースでアパート経営〟に気をつけろ!
三宅勝久(著)
/ボイジャー
作品情報
野放しの収奪的営業 崩壊する企業モラル いまアパート経営の現場で何が起きているのか!
野放しの収奪的営業 崩壊する企業モラル 暗躍する金融機関
いまアパート経営の現場で何が起きているのか!
【目次】
第1部 苦悩する大東建託の家主(オーナー)たち
第1章 「だまされました」/第2章 友人営業で「ランドセット」/第3章 保証人狙いの養子縁組迫り「夜間待ち伏せ」の無法営業/第4章 かってに家賃保証を停止した大東建託の嘘/第5章 謎の異音が鳴る大東建託の欠陥マンション/第6章 「老後は安心」は嘘だった
第2部 社員虐待体質に変わりなし
第7章 告発 壮絶なセクハラ職場/第8章 「障害なんて関係ない」絶望の職場/第9章 「殺すぞ!」「飛び降りろ!」 第10章 のど元つかみシャツ破る、30キロ超を徒歩で帰社命令
第3部 大東建託だけではない
第11章 大和ハウスよお前もか/第12章 東建コーポレーションにだまされた/第13章 レオパレス商法に家主絶句
インタビュー1 東建コーポレーション元支店長の告白/2 サブリース被害対策弁護団・三浦直樹弁護団長に聞く
【著者】
三宅勝久
ジャーナリスト、ブログ「スギナミジャーナル」主宰。 1965年岡山県生まれ。フリーカメラマンとして中南米、アフリカの紛争地を取材。『山陽新聞』記者を経て現在フリージャーナリスト。
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この作品のレビュー
平均 4.5 (2件のレビュー)
-
社会的な問題になりつつある、サブリース商法。
以前「大東建託の内幕」という書を著し、この商法の問題点を洗い出した著者の続編。
前著を読んだ読者からの告発や、家賃保証システムという美辞麗句に隠された…運用方法、変わらない社内の売上絶対主義と壮絶なセクハラパワハラ。さらには、似たような商法を展開している大和ハウスや東建コーポレーション、レオパレスにも切り込んでいる。
もはや、大東建託一社ではなくサブリース商法という無秩序な商売に法の網をかける必要が有るのだろう。
被害者は土地をもった高齢者が多く、事業を始めるには余りにも情報弱者である。消費者寄りの保護規制を求めたい。続きを読む投稿日:2021.05.07
このレビューはネタバレを含みます
2021年1月4日記述
レビューの続きを読む
大東建託商法の研究
サブリースでアパート経営に気をつけろ!
三宅勝久氏による著作。
2020年3月30日初版第1刷発行。
第1章~第13章は2018年3月~2019年6月にか…けてMyNewsJapanに掲載した記事に大幅な加筆修正をしたもの。
インタビュー編は書き下ろし。
三宅勝久氏はMyNewsJapanや週刊金曜日に自衛隊の問題や古くはサラ金問題、近年はこのようなブラック企業の問題を多く取り上げ記事として発表してきた。
純粋にこれだけジャーナリストとして継続している。
続けている事そのものが凄い。
三宅勝久氏を始めとするジャーナリストがいなければこの日本も実は中国や北朝鮮などのような国家と大差は無いのだ。
今後も期待したい。
三宅勝久氏は前作大東建託の内幕: “アパート経営商法”の闇を追う(2018)でも多くの問題を取り上げていた。
今回はその続編となる。
後半、大東建託以外の東建コーポレーションやレオパレス21なども登場する。
個々の企業の問題というよりもこの不動産業界自体の構造的な問題が見えてくる。
突き詰めると面倒な問題を丸投げしてそれではい儲かります!なんてものは無い。
大家の方々も被害者ではあるのだろうけれども、
不動産投資は単なる投資をするというのでは無く、大家として面倒臭い事も泥臭くやる一つの事業であることを忘れていたのではないか。
そもそも土地だけ提供して簡単に儲ける事が出来るなら
それぞれの不動産会社もいちいち大家を介したりせずに事業を行うであろう。
「豊かになる為には真面目に働く必要がある」と
野口悠紀雄氏はかつて述べた。それは財テクなどで労せずして儲けた
当時の日本社会のおかしさを指摘した際に使った一文なのだが、
ここでもほぼそのまま使う事が出来る。
きちんとExcelやGoogleSpreadsheetなどの表計算ソフトで自ら返済プランのシュミレーションをとことんやったかどうか?
そういった細かい点を怠ってはいけないのだ。
本来ならもっと多くの本の学習やもふもふ不動産など多くの勉学の上に資本があり適切な物件、土地があり慎重な分析に基づいてから
初めて不動産投資を行うべきであろう。
*そもそもマコなり社長も指摘するように不動産価格は素人目には極めてわかりにくい。
99.99%の人間は不動作投資に手を出すべきでは無い。
印象に残った点を紹介していきたい。
農地の時は殆どかからなかった固定資産税が、宅地化して新築アパートを建てたとたんに激増した。
その額は年間ざっと80万円。
税金を払うと殆どお金は残らない。
事業として全く成り立っていなかった。
家賃収入はそっくり銀行返済に回り、修繕費を積み立てることもできない。
大東建託と銀行のもうけのためだけに身を削っているようなものではないか。
形に上でこそ大東建託と家主は対等な「事業者」である。
しかし実際はちがう。圧倒的に巨大な企業と銀行が、ほとんど無防備の一市民に高額で高リスクの商品を売りつけ、資金を貸し付けて利益をあげる。
その結果、家主がどんな目に遭おうが知ったことではない。
「後は野となれ山となれ」と言わんばかりの横暴な商売である。
道路を市に寄付すれば税金(固定資産税)がかからないだけでなく、舗装や溝、地下に埋没している水道の管理も市がやってくれるはずだ、
今からでも寄付したほうが得だと考えて、市に問い合わせた。
返ってきた答えはこうだ
<市に寄付する場合は、市の規格にあわせて工事をやる必要がある。現状では受け取ることができない>
契約時に見せられた事業計画書というのは、30年間いつも満室でかつ賃料が下がらないという設定になっていた。
後になってよく考えれば非現実的な
話である。古くなれば、空き室が増え、家賃が下落するのが普通だろう。
修繕費もかさむ。
(この辺の甘すぎる見通し設定は日本国の公的年金制度にも似ている)
ある大東建託元支店長の話
「一億円の事業で月の手残りが10万円余りしかないということは、利回りで言うと1%です。そんな事業は最初から無理です。デフォルト(債務の弁済が出来ない状態)する危険が高い。業績のために無理を承知でやったのでしょう。大東建託はそんなのばかりですから」
「木造アパートは22年で減価償却が終わります。以後、アパートのオーナーはそれまでよりも格段に高い所得税を払わなければならなくなります。
1億円の事業で新築時点の手取りが10万円あまりしかないのなら、遅くてもこの時点で収支が逆転するでしょう」
田舎の生活は金がかからない。
土地の固定資産税も農地なので安い。
贅沢をしなければ十分に暮らしていけるはずだ。
35年の一括借上げで銀行の返済が30年。返済を終えたら50万円前後の家賃収入が毎月入る。
この見通しは本当に信用できるのか。
35年借り上げといっても、建物がぼろくなったらどうなるのか。
誰も入らないのではないか。
大東建託の建築営業課員はノルマに追われている。
契約を取らないと給料減らされて生活できないくらい追いつめられる。
だから待ち伏せでも何でもやってしまうんです。
近隣相場に照らしてどうしても家賃を下げる必要がある場合は家主に連絡して交渉する。
据え置くときは連絡しない。
それがまっとうなやり方だ。
空室率を下げるノルマに追われていた可能性
手っ取り早く客付けする方法が家賃の引き下げです。
しかし家主は家賃を下げたくない。当然交渉となる。
時間と手間がかかる。
本来なら、空き部屋ができた時にまずやるべきは自助努力による客づけです。
賃貸営業課(現大東建託リーシング)と協力して、敷金や礼金をゼロにする。
フリーレント(家賃の更新料などを無料にする)を打つといったサービスで入居を呼びかけて、家賃を下げずに募集するんです。
そうやっても入らない時は家主さんに言って、すみません、色々自助努力もしましたが駄目でした。
相場こうですから と家賃引き下げをお願いする。
それでも応じてもらえない時は、家賃保証を一旦止めますがいいですかと。
それからはずす。最後の手段です。
交渉抜きに家賃を止めるなどあってはならない話です。
立地審査がとれないと夜10時になっても家に帰れない事もあります。
6ヶ月長期無実績だと給料が減る
基本的な月給約28万円の内、営業手当が11万円くらい。
第一段階が6ヶ月無実績で6万円減る。
その後4ヶ月(無実績10ヶ月)になるとトータルベースで11万円くらい減る。
手取りが10万円くらいになってしまう。
支店長の猛烈なパワハラ
建築営業課の社員たちを、ひとりずつ支店の個室に入れてツメていく。
激しい物音が部屋の外にまで響いた。机を連打する音、
机をひっくり返した音、いすを投げたような音。
乱闘しているような騒音に混じって支店長が怒鳴る。
「売上は?見込み客は?資産あるの?やる気あるんかお前!」
猛烈なパワハラは支店長だけではない。建築営業課の課長もまた、頻繁に部下をツメた
「お前バカか。その窓から飛び降りて死んでしまえ。犬だって命令すれば走ってくるだろう、それができないんなら、その窓から飛び降りてしまえ!」
数年が経ち、周囲を観察する余裕がでてくると、支店の社員の多くが心身を病んでいることに気づいた。
休職や傷病手当の手続きをするのは業務課の仕事だからよくわかる。
下痢が止まらない。急性胃腸炎、精神的苦痛。
平均月にひとりは病気就職者がいた。
退職者も頻繁で、2ヶ月にひとり位は辞めていった。
在職期間は総じて短く、一日来ただけで辞めた社員は、大泉さんが知っているだけで5人もいる。
ある若い男性は、朝出勤してきて朝礼で大東10則を昭和し、飛び込み営業に出て行ったものの、2時間ほどして業務課に電話をしてきて
「無理です」と退職を申し出た。
別の新入社員は、泊りがけの研修に行く資金が無いという理由で辞めた。
「研修」のために遠方の支店に出張するよう突然命じられたが、何万円もの費用を自分で立て替えねばならず、その金が無かったのだ。
上司が意図的に退職に追い込んだと疑われる例もあった。
成績が出せない社員をわざと遠方の支店に異動させる。
当然通勤に時間がかかる。
加えて、慣れない場所なので、まず業績は出せない。
長時間労働を強いられた上に叱責され、
会社に残るのが苦痛となる。そうやって「自主的に」退職に追い込むという陰湿なやり方だ。
支店員が辞めても他の社員の関心は低かった。
ある日忽然と姿が無くなる。「ああ辞めたのね」で終わりだ。
社員が辞める時は業務課が諸手続をする。
彼らは決まってこんな電話をしてきた。
「いま支店長はいますか?」「いま課長はいますか?」
上司の顔など見たくもないというのが普通で、挨拶する者はまれだった。
不正の類は周囲にあふれていた
融資申し込みの際に通帳残高を偽装する
着工のめどがないのに見せかけの契約(架空契約)をする
「ランドセット」契約で土地の売買がなされていないのに、そこにアパートを建てる契約をする。
どうするんだと上司にツメられて・・・と思いますという答えは大東建託では許されません。
やりますだろうがと怒鳴られる。
そしてその後小言が何時間も続く。感覚がおかしくなっていきます。
最初はびっくりする。しかしすぐに麻痺する。
社員がパワハラや過労で辞めても辞めたんだで終わり。
怒号がしている脇でも平然と仕事ができるようになる。
自分にかかってこなければいいと思うようになる。
誰も助けない。助けてくれない。
ぎょっとするのは新人だけ。
怖いことだと思います。
殺伐とした中で何年も働いている内に精神状態に異変が起きた。
眠れない、涙が出る、朝になると胃のあたりが痛む。
病院で診察を受けると鬱病と診断された。
毎日怒鳴り声を聞いていると、知らず知らず子供を怒鳴っていたんです
(パートの女性)
劣悪な職場環境で心をむしばまれているのは自分だけではないのだと米田さんは思った。
続々と社員が辞めていった。
いつの間にかいなくなるという辞め方だった。
2018年3月24日(土)徳島支店で起きたパワーハラスメント
車から降ろして30キロ以上ある道のりを走って帰社させた
顧客に不誠実な仕事をしているというのはストレスではなかったですか。
はい。会社からは毎日毎日「売れ売れ」と言われる。
しかし、間違いなく将来家賃が下がる。修繕費などの経費が回らなくなる。
それがわかっていても客にはいいことしか言わない。
悩んで、もうこの仕事は10年でキリをつけて辞めようと決心をしたのです。
「だまし」のテクニックを教えて下さい。
まず、信用させるように近寄ってきます。で、人間関係をつくっていきます。
家族のこととかを聞き出していく。
どんな聞き方をするのですか。
例えば「あそこの土地をあのままにしておくと、ご子息さんに負担になってきますよね。今こんな状況です。
お金はないけど土地を持っている。こっちからしたらチャンスです。
お金のない人ってお金が欲しいじゃないですか。
だから「あそこ、こうしたらお金が入ってくるよ」と言える。
お金に弱いということですか。
弱いですね。はっきり言ってアパートの投資はもうからない。
お金を持っている人はやらないんです。
この場所でアパートをやっても大丈夫だろうかと不安を訴える顧客はいますか
殆どそうですよ(笑)でも「こんなと所で大丈夫か」と聞いてくると
いうことは、気持ちがあるということなのです。はなからやる気がない人はそんな事は言いません。
だから、そう言われたら、私なら無理にひっくり返そうとはしない。
どうするのですか
「確かにそうですよね。ちょっと不安ですよね」と。私ならそう答えます。
逆に、それを共通の意識にして問題をクリアすれば、その人はまたこっちに来る。
「そこが不安ですよね。では次回調べてきます」とわざとそれを宿題にもらう。
それで、お客さんが安心するようなものを作って持っていく。
例えば近隣のアパートの写真を撮って、「ここは満室でした。ここは空いていました。理由は・・・でした」と説明する。
そして「だからお客さんの所ではこうやれば良いと思います。こういう間取りがいいと思います」と提案する。
下手くそな営業マンは、自分にとってマイナスな事を言われると、ひっくり返そうとするんです。
それが墓穴を掘る。
お客さんの悩みを受け止める。
不安を訴えるのは考えてくれている証拠です。
興味があるからこそそういう発言が出る。
そうした営業テクニックはどこで身につけたのですか。
さあ、場数でしょうか。
センスというのはあると思います。
思っていても顧客に言わない事はありますか
ええ。家賃が下がるとは言いません。
この地域だと、最初は6万円の家賃でも
いずれは3万円でも入らなくなるかもしれない。
その危険性がわかっていても口には出しません。
自分が「よくない、おかしい」と思っているものを売るのは苦痛です。
体によくありません。続きを読む投稿日:2021.12.15
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