宗教の地政学
島田 裕巳(著)
/エムディエヌコーポレーション
作品情報
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【世界の宗教地図はどのように塗り替えられてきたのか?】
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥ―教、仏教───
世界5大宗教の歴史からロシア正教、神道、新宗教まで、その歴史を紐解く。
宗教は、なぜ全世界に広がっていったのでしょうか。
その理由、原因はどこにあるのでしょうか。
宗教は、どういった手立てを講じることによって信者を増やしていったのでしょうか。
本書で取り上げようとするのは、まさにそうした問題です。
それを地理ということと結びつけて考えていきたいと思います。
信仰は個人のこころのなかに宿るものではありますが、その個人が置かれた地理的な環境ということが極めて重要な意味を持ちます。
異なる地域に生まれれば、それぞれの地域で支配的な宗教の影響を受け、個人の信仰もそのなかで確立されていくことになるからです。
現代においては、さらに重要なってきた視点があります。
それが、宗教のネットワークです。
さまざまな宗教対立、宗教の衝突がくり返され、歴史を経るなかで、宗教の地政学は大きく変わってきました。
宗教はそのように直接、物理的にぶつかり合うこともありますが、信者はネットワークで結ばれ、そのネットワークを広げることで、それぞれの宗教は確固とした基盤を持つようになりました。
そして現代における宗教は、そうしたネットワークという点においても急速にそのあり方を変えようとしています。
宗教の地政学はますます重要になっているのです。
では、さっそく宗教の地政学という新しい試みをはじめることにしましょう。
〈本書の内容〉
◆宗教と地理はどう関係するのか?
◆ネットワークというユダヤ教の地政学
◆キリスト教の地政学的な成功
◆いったん浸透すると強力なイスラム教
◆仏教が抱える地政学上の長所と弱点
◆宗教対立と国家の存亡
〈著者プロフィール〉
島田裕巳(しまだ・ひろみ)
1953年東京生まれ。宗教学者、作家。
76年東京大学文学部宗教学科卒業。同大学大学院人文科学研究科修士課程修了。84年同博士課程修了(宗教学専攻)。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を経て、東京女子大学非常勤講師。著書に『性と宗教』(講談社現代新書)、『日本人の神道』(ちくま新書)、『宗教対立がわかると「世界史」がかわる』(晶文社)、『教養としての世界宗教史』(宝島社)、『創価学会』『世界の宗教がざっくりわかる』(以上、新潮新書)、『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか』『葬式は、要らない』 (以上、幻冬舎新書))、『宗教消滅』(SB新書)、『0葬』(集英社文庫)、『戦後日本の宗教史』(筑摩選書)などがある。
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この作品のレビュー
平均 5.0 (1件のレビュー)
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主要な宗教の勃興を、地理的広がりと絡めて学べる。教えの内容(一部主観的な箇所があるが)をちゃんと踏まえながら理解していける。わかりやすかった。
【ユダヤ教】
世界70億人のうち約1400万人しかいな…いにも関わらず大きな影響。アメリカの有名な映画監督にも。
戒律が厳しいとは何のこと?と思っていたが「割礼」のことと明かされている。割礼こそが、ユダヤ人と、それ以外をわける要因になっており、選民思想の体現と思われる。
ノルマン人の流入とあわせてユダヤ人がイギリスに流入したが、キリスト教が条件の商工ギルドには参加できなかったため、金融に特化。金儲けするも、イギリス王室に重税を取り立てられ、疲弊の結果追い出される。
1492年、スペインよりイスラム勢力が陥落されると、同時にユダヤ人も追い出される。
このような経緯から、世界にネットワークをきづくようになった。
【キリスト教】
ユダヤ教に対して世界宗教となる。カトリック(ヨーロッパ、アメリカ特に中南米)、プロテスタント(西ヨーロッパ、北アメリカ)、東方正教会に分かれる。
「禁欲」を重視する。「原罪」の教義の確率により、決定的となる。(アウグスティヌス)これについて筆者「人間はその誕生の直後に性行為を行うという罪を犯し、その罪は遺伝として後の人間すべてに及んでいるというのですからこれほど恐ろしい考え方はありません」「今の社会に原罪を強調するような宗教が突然現れたとしたらそれは危険なカルトと捉えられるかもしれません。人間の、自然なあり方や本能に反したことを説いているからです」と厳しい。
そんなキリスト教が広まった要因を「教会」としている。教会の役目として贖罪の機能の強調、そして儀礼を受けて「聖体」受領の場となるとのこと。そのために、「聖遺物」が教義上根拠とされたことがちゃんと明かされている。場所が面で作られ、そこに集まって儀式をする人々がその場所で信仰を深めていくことが、世界宗教になる、過程とわかった
教義の面では絶対の善なる神を説くキリスト教と対比してマニ教の善悪二元論が紹介。キリスト教の弱点としては、現実世界には善悪存在することだが、そこに対する反論として善悪二元論でアプローチしているのがマニ教。善悪二元論は、善なる神と悪なる神がいて、善悪を作っているという教えなので、反論とはいいながら、キリスト教同様理性的には納得感はない。
マニ教が、うまくキリスト教に突っ込めば今頃マニ教が世界宗教には、、、なってなかったか。
カトリックが教会を中心に、世界的に面で広がったのに対して、東方正教会は地域ごとに正教会があり、バラバラ感があるようす。ウクライナ問題に絡めてロシア正教会とウクライナ正教会の独立が解説してある。
世の中が、国家という線で分けられるのと並行して、宗教という線で分けられていることが、感じられる。
【イスラム教】
キリスト教との違い→メッセンジャーはムハンマド。最後の預言者。ムハンマドがメッセンジャーの地位を独占。イスラムではノア、アブラハム、モーセ、キリストは使徒だが正しく啓示を理解してないと位置づけ。一般信者がメッセンジャーになることはない→聖職者(キリスト教は聖職者の世界と俗人の世界がハッキリわけられている。仏教や神道にもあてはまる)不在。宣教師もいない。にも関わらずなぜか世界2位。
イスラム教のモスク→モスク中の「ミラフープ」という窪みがメッカの方角。礼拝はモスクに限らない。方角が大事。メッカにはカーバ(立方体)神殿があるがご神体はない。イスラムからしたら神が作った世界が神聖、聖俗の区別はない。(聖俗を、区別するいわゆる宗教と言えない・・・)
イスラム教を広めることはイスラム法を適用される世界の拡大を指す。「コーラン(神の啓示)」と「スンナ」→解釈や類推→「イジュマー」「キヤース」法学には派がある。「平和な家」↔「戦争の家」(例ハラール=鳥牛OKとハラーム=豚、屠畜方法の異なる鳥牛NG)↔ヒンドゥーとの対立=戦争の家)「平和な家」の拡大活動→イスラム信仰を広める→ジハード
【仏教】
地政学的には不利とされる。
インド発祥と言われるが、歴史を証するものが乏しいと言われる。そもそも古代インドの歴史書がないため。
まさかお釈迦さまが実在しないとはユメにも思わないが。
紀元前7世紀に釈迦が現れ、紀元前200年代のアショーカ王の頃栄えたのがかなり確かな年代とのこと。
仏教ネットワークの結節点は仏舎利塔。アショーカ王が84000作ったという。
インド仏教の伝承は比丘、比丘尼が集まって生活するサンガにおいて口伝え。→結集
働かない比丘、比丘尼はそれを学ぶ俗人により支えられた。仏塔に釈迦のエピソードが描かれた。やがて一人の人物の生涯として捉えられるように。
仏教はインド→中央アジア→シルクロード→中国→朝鮮→日本と伝来。地理的な変化の中で影響を受けた。
バーミヤンの仏教遺跡
西遊記→中国からシルクロード→ウズベキスタン→トルクメニスタン→アフガニスタン→インド
ただし、西遊記の時代にはガンダーラは荒廃し仏教も廃れていた。
仏教はインドで一度滅亡している。イギリス植民地以前。ヒンドゥー教にもとりこまれ、釈迦がビシュヌ神の化身にされてしまった。
中国仏教は中国では外来の新宗教とされた。道教、儒教があったため。やがて中国では国家の管理下におかれる僧官が定められた。世俗社会に位置づけられた。
中国仏教→偽経がたくさんあり。中国では輪廻転生の繰り返し→浄土進行が生まれる。観無量寿経は偽経の疑いがあるという。日本では善導大師の解説が重視されてきた。。→インド仏教の、ままでは中国で受け入れにくいため。それを日本も受け入れた。
地域の状況を踏まえて変容を許容する宗教としては特異ということになる。
インド→バラモン、ヒンドゥーとの違いをなくす
中国→道教、儒教との習合による変容
ベトナム仏教も同様
東南アジア→仏教のライバルがなく、そのまま定着
日本→浄土真宗→妻帯→蓮如上人→子だくさん(27)宗派の発展。
続きを読む投稿日:2022.10.14
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