マッキンゼー 新規事業成功の原則 Leap for growth
野中賢治(著)
,梅村太朗(著)
/日本経済新聞出版
作品情報
2割の生存確率を、7割まで高める!「死の谷」を越えて、企業を存続させよ。・日本からユニコーンが生まれない理由・経営者が持つべき5つの視点・新規事業をめぐるグローバルの動向・日本企業5つの課題新規事業を成功させる確率を高めるためのノウハウを1冊に凝縮!数千もの新規事業構築を支援してきたマッキンゼーの知見を総動員して企業の将来を左右するテーマに関する疑問に答えます。最先端で活躍する現役コンサルタントが解説!
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この作品のレビュー
平均 3.7 (6件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
マッキンゼーによる新規事業本。
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さすがコンサルだけあり、わかりやすい論理構成と一定の定量やデータに基づく論理展開がなされているところが、抽象に閉じない新規事業本としてよい。
メモ
・日本の新規事業成功を阻む課題
十分な資金投入をしない
優秀な人材を率先して送り込まない
既存事業と同じ事業管理をしてしまう
既存事業部門が助けてくれない
自前にこだわりスケールが出ない
・企業の成長は市場成長すなわち市場の成長、シェア獲得すはわに競合他社からのシェア獲得、m&aによる売上増の3つ。新規事業は一番初め。シェア獲得やm&a難易度が上がる中での策。もちろんこれも簡単ではない。ただ、6割が市場成長によって実現しているというデータあり。
・歴史を振り返ると世界的成功を収めた会社のおおぬら世情不安の中で生まれ、時代の変化の波に乗って成長を遂げている。
・アイデア創出の4軸
ユーザーの変化、価値観規制の変化、事業モデルの変化、テクノロジーの変化。
・リカーリング検討の4質問
提供サービスが何かしらの実用データを生み出しているか、それが可能か。
利用コストの低減が可能か
新たな収益源を作る余地があるか
顧客体験を差異化する余地があるか
・メタバースには複数の切り口
メタバースディベロッパー
メタバースサービスプロバイダー
ファシリテーター
インターフェースプロバイダー
インフラプロバイダー
・大企業の新規市場に出した製品サービスが、50億以上の規模になる確率は2割未満
・日本の企業からユニコーン級の事業や柱となる事業が生まれてこない理由
初期の段階で十分な資金投入をしない
優秀な人材を率先して送り込まない
報告義務承認プロセスに阻まれ立ち上げスピードが遅い
既存事業部門の協力がえられない
自前にこだわり、スケールが出ない
・顧客課題レンズの焦点を当てる際に重要なのは
徹底的な具体性・客観性
背景理解 再現性はある課題か
・テクノロジーレンズは差別化要素になることが多い。
・ビジネスモデル 類似サービスや業態でどう収益をあげているかにフォーカスを当てると大きなヒントを得られることが多い。収益が上がっている理由を推定し、多面的に考えることが重要。
・アイデア優先付の視点
tam狙える市場が十分大きいか
アンフェアアドバンテージ自社優位性があるか
例 顧客チャネル、物流網、ブランド、信用、データ、他事業シナジー、既存エコシステム
ノックアウトファクターがないか
・構想フェーズではスポンサーに事業計画を持ち込み、お金をつけてもらえるか判断できるくらいの内容までもっていくこと。
このフェーズ
で検討すべき要素は以下の六つ
製品サービス計画
テクノロジー計画
市場投入計画
実行計画
人材組織計画
事業財務計画
・構想フェーズの最後に撤退条件も決めておく。
構想から構築へは人員リソースが大きく変わる。数人から十人規模へ。ポートフォリオも含めた魅力度から投資決定すべき。
・新規事業の成否の分かれ目
一番はceoやリーダーのオーナーシップ。
収益性高い顧客を大量獲得する戦略を作れたか
・事業をスケールさせる際の要素
1テクノロジー
2製品サービス
3顧客獲得
4人材チーム
5事業運営
・新規事業構築加速するための手法や組織を体系立てて構築している企業は総じて成長を実現する新規事業を継続的に創出できている。
・大きく三累計。
社内vc インキュベーター 幅広く検討
スケールアップファクトリー スケールアップ専念型
クリーンスレート白紙方式 革新的モデルを外部中心に進める。
・最も重要な二つの支援。本社機能の一部を新規事業に能動的に活用してもらう工夫づくり。人材獲得に向けた工夫。投稿日:2022.07.29
『#マッキンゼー 新規事業成功の原則 Leap for growth』
ほぼ日書評 Day690
タイトルにある通り、(大企業が)新規事業を立ち上げる際のマニュアル、特に「べからず集」的な内容。起…業本では無いので、読む時には期待値を間違わないよう。
結局は新規事業の着想次第的なことも述べつつ、経営者の関与度合いや、黒字化への期待値等の項目ごとの「成功」への寄与度合いを単純平均しているのは、やや納得できない面もあるが、このような仕事に初めて携わる機会を得たというような人が、まずはチェックリスト的に参照するには極めて有用な本だろう。
ただ、その内容も担当者自身が差配できるレベル感ではなく、それらを経営者に納得させるプロセスが必要になる(そこが、おそらく一番難しい)。
https://amzn.to/3Y6C7cZ続きを読む投稿日:2023.07.14
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