ハヤブサ消防団
池井戸潤(著)
/集英社文芸単行本
作品情報
【2023年夏、TVドラマ化決定!】
ミステリ作家vs連続放火犯
のどかな集落を揺るがす闘い!
東京での暮らしに見切りをつけ、亡き父の故郷であるハヤブサ地区に移り住んだミステリ作家の三馬太郎。地元の人の誘いで居酒屋を訪れた太郎は、消防団に勧誘される。迷った末に入団を決意した太郎だったが、やがてのどかな集落でひそかに進行していた事件の存在を知る───。連続放火事件に隠された真実とは?
地方の小さな町を舞台にした、池井戸作品初の“田園”小説として、「小説すばる」連載中から話題を呼んだ珠玉のミステリ。
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商品情報
- シリーズ
- ハヤブサ消防団
- 著者
- 池井戸潤
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社文芸単行本
- 書籍発売日
- 2022.09.05
- Reader Store発売日
- 2022.09.05
- ファイルサイズ
- 0.5MB
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この作品のレビュー
平均 3.7 (365件のレビュー)
-
いまいちテンポが悪い!
池井戸さんらしからぬ内容、どこまで読んでも何がはじまるのか、何を表現したいのかが分からない。はっきり言って期待外れだった。
投稿日:2022.11.12
-
ドラマ版と結構違うオリジナル
気になってドラマ版のあらすじをざっと確認したけど、原作とかなり違うのね。
特に、主人公が作家としての能力を発揮して、彩の洗脳を解くためのツールとしてオリジナル脚本を書き上げるっていうのは本書にはない…挿話で、こっちの方がいいじゃんと思ってしまった。
"職業柄、人間観察には長けているんだ"と嘯く割には、結構な頻度で騙されちゃってるので、小説家っていう設定じゃなくてもいいようなと感じてたので、ドラマを最初に観てたら印象がかなり違いそう。
ただ、作中の勘介はいいわ。
「太郎くん、ヘボ取りにいかへん?」など能天気な感じが好き。
「サンカク行こうよ」から始まり、「蛍見にいかへん?」「猪の肉を食べへん?」とたびたび勘介が呑気に電話をかけてくるので、"実はコイツ、安心させといて..."と疑ってたけど、そのまんまのキャラで好感が持てた。
いいまでの企業物とは違って、組織の中のタテ社会の論理が皆無で、消防団長にも気安く冗談を放つし、町長にも平気で面と向かって憎まれ口を叩く。
通常はそこから上司や親会社の理不尽な要求、部下や子会社の悲哀からの挽回、爽快な逆転劇、胸のすくような啖呵となるのだけど、ファンが期待しているような持ち味は本書では見られない。
そもそも絶体絶命の逆境に主人公が陥らないのもいままでと違う感じ。
抜け出すためには後は這い上がるだけという必死な状況にはならず、今回の事態も遠巻きに傍観しておこうと思えばできる。
話の焦点が、自分の知らない父親の足跡を追う物語なら必然性もあるのだけど、ただ「ハヤブサは俺たちが守るんだ」っていう共同体団結の確認作業という一面も。
面白いなと思ったのは、山村の由緒あるお寺の住職の来歴。
誰だって代々受け継いだ地元の方と思っちゃうけど、実は跡取りがなくて縁もゆかりもない県外から来てるっていうのが多いってのは意外だった。
あと物語の構図自体も面白かった。
どこからともなくやってきた宗教団体と地元住民の対立という話は珍しくないけど、それが今時の太陽光発電の用地買収を隠れ蓑に進められていき、応じない家には火をつけて金に困らせて売らせるっていう手口は、現実に進行してるんじゃないかという気にさせられた。
それと誰が隠れ信者になったかわからず地元住民の中で疑心暗鬼が生まれていく様子や、そうでなくも少なくなっていく檀家がますます奪われる危機感から、否が応でも対立の当事者に加わらざるを得ない地元の住職たちというのも、リアリティを感じさせる。続きを読む投稿日:2023.11.24
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