イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ
マッシミリアーノ・スガイ(著者)
/KADOKAWA
作品情報
noteで驚異の95万PVを記録した「サイゼリヤの完全攻略マニュアル」が話題の日伊通訳者による、初著書!日本の伝統料理からB級グルメ、チェーン店、コンビニスイーツ、冷凍食品まで。イタリア・ピエモンテから彗星のごとくやってきた食いしん坊マッシが日本で出会った絶品グルメとその感動体験をまとめた、日本の食文化への情熱とアモーレ満載のエッセイ!イタリア人フーディーの舌を唸らせ、胸を打ったのは、日本の意外なあの食べ物だった!?日本人もぶっとんじゃう、斬新な視点や考察、日伊の異文化トリビアも満載。読めば、私たちがいつも当たり前のように食べているあの料理が、何倍もおいしく感動的に感じられるはず!ニッポングルメ再発見の旅へ、いざ参らん!オール書き下ろし30篇挿絵:東麻マユカ<目次>初来日、豆との出会いしゃぶしゃぶは遊園地のように日本で出会った本場のマリトッツォおでん屋で驚いたメニュー「コメダ」を大好きな理由と僕流の食べ方駅弁に恋してしまう理由「あいすまんじゅう」と日本のアイス白米に出会って変わったこと石川の魚料理に感動「サイゼリヤ」の最強においしい食べ方「ココイチ」のカレーの至福日本のパスタは唯一無二驚愕した和食のルールメロンパンに喜ぶイタリア人五郎島金時への愛日本のコーヒー文化お代わり自由に泣いた理由コンビニのスイーツイタリア人から見たら和菓子は野菜?ピッツァに感動わさびに驚いた話おいしくてかわいい冷凍食品不思議な場所の回転寿司イタリアと日本の郷土料理の共通点日本人の食の「魔改造」は世界一「ミスド」とのラブストーリー甘い街、神戸日本在住イタリア人のフュージョン和食里帰り時に恋しくなる和食神聖でカジュアルな抹茶
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この作品のレビュー
平均 3.8 (9件のレビュー)
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【感想】
サイゼリヤのアレンジマニュアルをnoteで公開して有名になった日伊通訳者のマッシさん。マッシさんのツイッターは私もフォローしているが、とにかく日本の食べ物への敬意にあふれている。コンビニスイ…ーツ、コメダ珈琲、サイゼリヤなど、日本のありふれた食べ物をイタリア人らしい情熱で紹介しており、その推しっぷりに思わず笑顔になってしまう。
そんなマッシさんが日本食の魅力をより発信するために出版したのが本書だ。
マッシさんの出身国もグルメ大国・イタリアであるが、実はイタリア人は食に関してはなかなか保守的らしい。コーヒーは自国のエスプレッソしか認めず、外国のピッツァを食べても「どこかイタリアと違う」と首をかしげる。食材の組み合わせも型を外れることはない。「この食材ならこの料理にしか使わない」というのがイタリア料理の文化であり、それを伝統として守ってきたゆえのプライドがあるのかもしれない。
そうした環境で育ったマッシさんが一番驚いたのは、「日本の食の自由さ」だったという。
言うまでもないが、日本は食を魔改造する国だ。カレー、ラーメン、ナポリタンなど、他国から入ってきたレシピを自由にアレンジして、日本っぽい味つけに変えてしまう。野菜である豆を甘じょっぱく煮てあんこを作ったり、パンのなかに焼きそばやフルーツを挟んでみたりと、「行けないものはない」の精神で色々試している。
また、日本のもう一つの特徴として「季節のもの」の多さを挙げている。
「四季があるのが日本の特徴」とは耳慣れたフレーズだが、これは微妙にズレている。正しくは「四季に応じてライフスタイルを魔改造するのが日本の特徴」だ。お正月、節分、バレンタイン、端午の節句、七夕、お盆、ハロウィン、クリスマスなど、季節に応じたイベントを節目に作り、それに応じてライフスタイルを縦横自在に変えていくのが日本流と言える。
特に、そのときどきでしか味わえない食材をふんだんに使って、「期間限定もの」を作るのは日本のお家芸だ。これはコンビニという全国を網羅する流通システムが成し得た技でもあるのだが、とにかく日本のどこでも「季節限定」が手に入る。流通の便がいいということはそれだけ売れる可能性があるということなので、商品開発サイクルが異常に早くなる。結果さまざまな食材を組み合わせた食品が、一定のおいしさを保証されて食卓に並んでいくのだ。
イタリア人ならではの感性とイタリア人らしからぬチャレンジ精神で、色々な日本食に触れたマッシさん。彼のほとばしる日本愛によって、日本食の素晴らしさを再確認できる一冊だった。
―――――――――――――――――――――――――
【メモ】
・イタリアには甘じょっぱい料理はなく、あんこのように豆を甘く煮てデザートにしたものもない。イタリアでは豆=野菜という認識のため、和菓子(主な材料は野菜)をイタリア人に紹介すると、「甘くない材料を使って甘いものを作れるの?」と驚かれる。
・マリトッツォはローマ発祥の料理だが、イタリアではあまり知られていない。本場のマリトッツォに近いのはローソンの「おやつコッペ リッチミルク」
・コメダ珈琲のような喫茶店のモーニングシステム(ドリンクに無料で食べ物がついてくる)はイタリアにはない。
・イタリアと日本の共通点の一つは、ジェラートやアイスの豊富さだ。その中でも日本の市販アイスは、季節ごとに味が変わり、期間限定のものが定期的に出て、一年中楽しめる。日本はアイスパラダイスだ。
・イタリアでも米を食べるが、「ご飯を炊く」という感覚はなく、リゾットのように「お鍋で調理する」という感覚。ご飯をそのまま食べる習慣はない。
・イタリアといえばパスタだが、日本のパスタは明太子やしょうゆといった独自のアレンジが加わっている。ナポリタン(ケチャップとソーセージ)はやはりアウトロー。
・イタリアでは料理は一品ずつ出てくるため、定食という仕組みがない。また、三角食べという概念もない。
・イタリアといえばパンだが、甘いパンは日本のほうが豊富。イタリアではパンは基本的に主食の部分であるため、甘くないパンが一般的だ。甘いパンにしても、甘くないパンに甘いものを挟んだものになる。
メロンパンはイタリア人にも大人気だ。和食や日本の食文化が苦手なイタリア人でも、メロンパンだけは嬉しそうに食べる。
・イタリアと日本の「カフェ文化」の大きな違いは、カフェが存在する目的だ。イタリアではコーヒーを飲むために行く場所、日本ではカフェでの時間を過ごしたいから行く場所。簡単に言うと、日本ではカフェで勉強、仕事、読書、おしゃべりする人がほとんどだけど、イタリアではこのような光景がほとんどない。しゃべっていても飲み終わったらすぐに出る。
・イタリア人はとにかくエスプレッソを飲む。原理主義者が多いため、日本でエスプレッソを飲んでも「違う!」「おいしくない!」という人が多い。また、砂糖をドバドバ入れる。
・イタリアに「おかわり自由」はない。これはご飯だけでなく、お水とお茶も有料。
・もちもち食感はイタリアにない。
・実はイタリア全土に共通する「イタリア料理」というものは存在しない。オリーブオイルやトマトを使った料理は南イタリアのナポリ、バターや生クリームを使った料理は北イタリアの料理であり、各地の郷土料理が点在する程度なのだ。
日本もイタリアも、地域で育つ食材を使って料理を作る。故郷にあるものを大切にする文化が根付いているのだ。
・料理と歴史を融合させているのは日本の特徴。
・「この食材ならこの料理にしか使わない」というのがイタリア料理の文化。一方、日本の料理は前菜からデザートまで同じ食材を使っても成立する。そのことをイタリア人に説明したり、写真を見せたりすると、その瞬間、頭の中で〝文化のシャッター "がガラガラッと音を立てて閉まる。文化のシャッターに関連して言えば、イタリア人はこだわりが非常に強く、「野菜とはこういうもの!」といった固定観念がある。
・一方で日本人は、食材どうしを新たに組み合わせる能力に長けている。食の魔改造が日本の特徴であり、昔のものを味わいながら、進化した現代のものも食べる。このチャレンジ精神がイタリア人との違いだ。
・日本人は出てくる料理をそのまま食べる人が多い。イタリア人は調味料でカスタマイズする。
・食のバックボーン(歴史、流通経路、素材の種類、産地)にこだわるのが日本流。続きを読む投稿日:2022.05.28
愛知県民よりコメダを挙げてくださりありがとう。同じで真逆なイタリアと日本の食文化だからわかる発見と驚きと愉悦。それらを味わいたいなら目の前のお皿が奇怪でもガブリと味わうべしと私も心に刻む。
投稿日:2023.10.27
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