親鸞と道元(新潮新書)
平岡聡(著)
/新潮新書
作品情報
今なお計三万七千の寺院数を誇る浄土真宗と曹洞宗。それぞれの宗祖である親鸞と道元は、ともに鎌倉仏教の旗手として斬新かつ独創的な思想を展開、日本仏教の行く末を大きく変えた。しかし両者を比較すると、「念仏(南無阿弥陀仏)と坐禅(只管打坐)」「救い(絶対他力)と悟り(修証一等)」など、極めて対照的。同じ仏教を掲げながら、なぜここまで違うのか――。多様で寛容な日本仏教の魅力に迫り、宗教の本質を問う。
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商品情報
- シリーズ
- 親鸞と道元(新潮新書)
- 著者
- 平岡聡
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮新書
- 書籍発売日
- 2022.02.17
- Reader Store発売日
- 2022.02.17
- ファイルサイズ
- 1.1MB
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この作品のレビュー
平均 4.0 (4件のレビュー)
-
平岡聡(1960年~)氏は、佛教大学文学部卒、同大学大学院文学研究科博士課程満期退学、博士(文学)、京都文教大学学長を経て、京都文教大学教授。
本書は、書名の通り、浄土真宗宗祖の親鸞と曹洞宗宗祖の道元…を比較しつつ論じたものである。
日本の仏教には、平安時代に誕生した天台宗と真言宗に加え、鎌倉時代に起源を持つ、浄土系の浄土宗、浄土真宗、時宗、禅系の臨済宗、曹洞宗、黄檗宗、そして日蓮宗と、多彩な宗派があるが、その中でも寺院数が多いのは、浄土真宗の約2万2千と曹洞宗の1万5千で、群を抜いている。また、それぞれの宗祖である親鸞と道元には、明治以降の著名な文化人が評価した(親鸞は倉田百三、吉川英治、亀井勝一郎、三木清など/道元は和辻哲郎、田辺元など)という共通した特徴があり、それらも手伝って、両宗祖は鎌倉仏教の祖師の中でも特に人気があるという。
一方で、一般に(私も含め)、「親鸞仏教は他力、道元仏教は自力」と思われていることをはじめ、数々の対照的な点があり、本書では、それらを以下のような章立てで比較しつつ、最終的に、仏教としての共通点を探っていく。
序章:生涯と思想 第1章:機と法 第2章:出家と在家 第3章:師匠と弟子 第4章:救いと悟り 第5章:特殊と普遍 第6章:改読と転釈 終章:自力と他力~宗教の本質を問う
私は、仏教に対して特別の知識や関心があるわけではないものの、この二人については知っておきたいと思い、しばらく前に、梅原猛の『親鸞の告白』、栗田勇の『道元の読み方』等を読んだが、正直なところ消化不良に終わっており、今般書店で、二人を比較しつつ論じた本書を目にして購入した。
通読してみて、やはり「教え」について書かれた部分(第4章など)は難しく感じられたものの、二人を比べることで、双方の思想が浮き彫りになり、これまでよりは理解が進んだように思う。
本書から、親鸞仏教と道元仏教のエッセンスを引用するなら、以下のようなものである。
「大乗仏教は万人の成仏を認める平等思想に立つ。では、この成仏をいかに実現するか。親鸞は絶対他力の立場から、阿弥陀仏にたいする信を強調し、その信も自力で獲得するのではなく、「如来より賜りたる信心」に成仏の根拠をみいだした。一方、道元は「衆生は本来、仏なり」から出発し、衆生は本来、仏であるからこそ無我に立脚して修行(只管打座)しなければならず、その修行を継続(行持)するところに真理の現成(成仏)をみた。つまり、親鸞仏教が「他力を基盤にした他力」なら、道元仏教は「他力を基盤にした自力」だ。道元仏教には修行の継続という点で「自力的要素」はたしかに存在するが、その場合の自力も「吾我の自力」ではなく「無我の自力」(それはもはや「自力」とは呼ばないのかもしれないが)ということになる。だから親鸞と道元の仏教を、従来のように「他力vs自力」と紋切型で特徴づけるのは、厳密には正しくない。」
鎌倉仏教の中で双璧の人気を誇る祖師、親鸞と道元を比較しつつ、仏教の本質を探った良書といえる。
(2022年3月了)続きを読む投稿日:2022.03.01
家が曹洞宗なので、開祖道元のことを知りたくて読みました。はなしが横道それますが、読後永平寺にも行ってみたくなりました。
投稿日:2023.10.26
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