子ども介護者 ヤングケアラーの現実と社会の壁
濱島淑惠(著者)
/角川新書
作品情報
(目次)第1章 「ヤングケアラー」とは1.「ケア」とヤングケアラーという言葉が持つ多様さ2.ヤングケアラーの定義第2章 見えてきた日本のヤングケアラー1.大阪府立高校における高校生調査 ケアをしている高校生はやはりいた/ケアが1日8時間/小学生の時からケア/抱え込む子どもたち2.高校教員による認識との比較 教員も把握しているヤングケアラー/奇跡の調査第3章 私が出会ったヤングケアラーたち1.高齢化社会を反映する祖父母のケア ひとりきりであることの不安、重責/ケア一色/孤独だった。さみしかった。/「息抜き」がわからない/学校では気絶するように寝てしまう/介護が終わっても罪悪感を背負う2.精神疾患の親のケア 負担の大きい中学校での「お弁当作り」/愚痴を聞き続けたり、激しく叱責されたり3.障がいを有するきょうだいのケア第4章 ヤングケアラーの語りを通してわかること1.ヤングケアラーの担うケア 本人も周囲も気づきにくい/手伝いとはこれほどまでに違う2.ヤングケアラーの価値と2つの理不尽さ第5章 ヤングケアラーの生まれる社会的背景1.少子高齢化を俯瞰する 激増する「ケアを要する人」/障がいを有する人や精神疾患の人も増加2.社会福祉における家族主義 ケアは家族がするもの? できるもの?/在宅福祉も家族が前提/増加する虐待/生活の困難さが世代間で連鎖する終章 ヤングケアラー支援にむけて1.支援のためにできること 地域で整えたい5つの支援/孤立の解消/学習支援と食事支援/小休止サービス/伴走者が必要だ2.学校での理解や配慮、そして支援3.福祉の専門職による支援 ヤングケアラーは資源ではない/「気づく」「つなげる」という役割
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この作品のレビュー
平均 4.4 (10件のレビュー)
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「子どものしんどさの背後には親のしんどさがある」
親世代が福祉の利用を知らないのか窓口で拒否されてるのか。
この辺りは詳しいコーディネーターが必要なんやと思います。
「他に選択肢を示せるか」は行政の役…割やと思います。
「ケアを要する家族がいる場合のケアはしている行為そのものが特別なものでなくても「責任の重さ」が普通の手伝いとは異なる」
それはケアをしなかったら生活が回らない重さがあるということです。
こうさせてしまってる責任は行政にあると思います。
出来るだけ早くの対応が求められます。
「ひとり親家庭の生活の不安定さ
社会保障社会福祉制度の脆弱さ」
が指摘されてます。
ただ制度はあるんです。
利用するための情報が不足してるんやと思います。
少なくとも僕がホームページを調べても時系列に並んでないし見通しを立てるのは至難の業やとわかります。
「ケアによる生活困難の世代間連鎖」
子供の貧困で連鎖が生まれてます。
対応策として本書では
①孤立の解消
②学習支援
③生活支援
④レスパイト
⑤伴走者の必要性
を上げられてます。
特に使いにくい生活支援を重視する必要があります。
ひとり親家庭の日常生活支援事業でも一時的な利用しか認められません。
生活支援の担い手不足はひとり親家庭なら自明やと思います。
僕はあくまでも養育費を受け取って足りない部分を福祉が支援すべきと思います。
しかし
父親が養育費を払わない
母親が父親に子供を合わせたくないので没交渉にする
こんな親の無責任な状況が増えてる中で子供にだけ皺寄せを被らせるのは間違ってると思います。
やっぱり現実に合わせて福祉施策は進めざるを得ないんやと思います。続きを読む投稿日:2021.10.30
このレビューはネタバレを含みます
ヤングケアラーと言う言葉を初めて知った。
レビューの続きを読む
「ヤングケアラー」と「お手伝いをしていて偉い子」は紙一重なのであると知った。
また、ケアのために学校に行くことが出来なかったり、学業や趣味を犠牲にしてまでケア…を優先しなければいけない子どもが日本にいることを信じられなかった。わたしたちはこういった子どもたちが身近にいることを忘れてはいけない。そして、そういった子どもたちの親もまた、苦しんでいる。親子を手助けすることの出来る環境を。必要なサポートを受けられるような環境を。
続きを読む投稿日:2024.01.30
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