「現代優生学」の脅威(インターナショナル新書)
池田清彦(著)
/集英社インターナショナル
作品情報
優生学はかたちを変え、何度でも甦る。一度は封印されたはずの「優生学」が奇妙な新しさをまとい、いま再浮上している。優生学とは「優秀な人間の血統のみを次世代に継承し、劣った者たちの血筋は断絶させるか、もしくは有益な人間になるよう改良する」ことを目的とした科学的社会改良運動である。かつて人類は、優生学的な思想により「障害者や高齢者、移民やユダヤ人といったマイノリティへの差別や排除、抹殺」を繰り返してきた。日本では「ハンセン病患者の隔離政策」がその典型である。現代的な優生学の広がりに大きく寄与しているのが「科学の進歩」や「経済の低迷」、そして「新型コロナウイルスの感染拡大」だ。新型コロナウイルス感染症の本当の恐ろしさは、病気が不安を呼び、不安が差別を生み、差別が受診をためらわせることで病気の拡散につながっているところにある。今こそ優生学の歴史を検証し、現代的な脅威を論じる。
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商品情報
- 著者
- 池田清彦
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社インターナショナル
- 書籍発売日
- 2021.04.12
- Reader Store発売日
- 2021.06.24
- ファイルサイズ
- 1.8MB
- ページ数
- 208ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (14件のレビュー)
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津久井やまゆり園事件とナチスT4作戦。思い上がった為政者気取りが、生殺与奪を握る。人間は誰しも平等な命とは言わないが、反知性的な正義感で弱者を殺害するとは何事か。社会にとって有益か有害か、そんな価値観…でトリアージした所で、その裁判官も制度設計も万能ではない。虚しい沈澱物同士による些少な淘汰スパイラル。澱みが浮き、水は濁る。
優生学の逆転現象として頑健な兵士が死に、兵役を果たせない弱者が残る戦争という行為に反対した学者。何だかヤンキー子沢山、大卒共働き子なし、という現代にも通ずる逆淘汰問題だ。いや、しかしこれは価値観の違いで、人真似し、テストの点数を競うような無気力な集団より、ヤンキーの方が生存力があるなら、単にヤンキーの方が種として有能だという証明にしかならない。この場合の沈澱物はどちらだ、という事だ。
衆愚政治を嫌ったプラトン。ソクラテスも優生学を支持したのだと。しかし、対話の場として機能したはずのアカデメイアでも独裁を担う哲人は現れず。独裁を礼賛する思想こそ、能力値の高い人間による判断を神聖視する考え方だが、無能や弱者不要論と親和性が高い。
有性生殖を選択した本義は多様性の獲得にあるのだから、強制的な選別など、愚行。後天的に弱者になり得る社会なのだから、その社会的負担のあり方こそ福祉で考えるべきなのだろう。自らを絶対視し、生産性を崇め、学歴や出世の権威、年収やIQの数値を神聖視する誤ちに気付く必要がある。ソクラテスの言う、無知の知とは。続きを読む投稿日:2023.06.02
この本を一言で言うと生権力のこわさを感じた。
生権力は一言で言うと人間の健康です。
この健康であるために、医師は人々の不安を作り、その感情を医療によって救われると説き、それを繰り返すことで、患者は信者…に移り変わっていく。
医療は誤謬性を認めないので宗教と紙一重になりやすい。
それを医師は分かっていない。
医療が、現実的に存在することを示すために、そしてカルト的宗教に陥らないために、わかってることも、わかってないことも、同時に語らなければならないことである。
ある医師が語っていたが、わかっていることは多弁に語るが、わからないことは語りたがらない。
医師は人間であり、人間は不完全であること。これが思想的保守。
医師は「自分を当てにするな」と言わなければならない。
高校で精神疾患を教えて、「メンタルヘルスの事案を抱えたら、即時メンクリへ」なんて宣伝している場合かと思う。
これこそが生権力であり、健康による差別・分断であり、優生思想に繋がるのである。続きを読む投稿日:2023.12.12
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