修羅場のケーススタディ
木村尚敬(著)
/PHPビジネス新書
作品情報
「失敗の責任をすべて押しつけられた」「とうてい達成不可能な、とんでもない目標を課された」「不祥事を隠蔽するよう迫られた」etc・・・・・・。仕事をしていると誰もが直面する「本当にヤバい場面」。本書はそうした「修羅場」の事例を元に、その解決策を探っていくという「紙上ケーススタディ」集。中間管理職ならではの「上と下との板挟み」のケースから、「社内で不正が発覚」「リストラで現場が大混乱」といったより深刻なケース、そして「家庭と仕事との両立」「病気によって休職を余儀なくされる」といったキャリアに関する問題まで、極めてリアルな30のケースをもとに、どのように危機に対処すべきかを説いていく。著者はベストセラー『ダークサイド・スキル』の木村尚敬氏。時には正攻法で、時には「禁じ手」を使ってでも危機を乗り越えていくためのリアルな方策を伝授する。
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商品情報
- シリーズ
- 修羅場のケーススタディ
- 著者
- 木村尚敬
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHPビジネス新書
- 書籍発売日
- 2021.06.17
- Reader Store発売日
- 2021.06.18
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 240ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (9件のレビュー)
-
令和を生きぬく中間管理職のため とあります。
典型的な日本型企業のダメになるパターンは、ほぼ例外なく「意思決定負け」と言っていいでしょう
決められない状態が続くうちに、事態はさらに悪化し、いざ決めよ…うと思った段階では時すでに遅し、というのがよくある風景です。
経営トップだけでなく現場レベルにおいても、何かを決める・決め切るという力が圧倒的に不足していることが、バブル崩壊以降日本企業の競争力・収益力が低下し続けている原因の一つと言っても過言ではないでしょう。
いくら、正論を述べようとも、泣き言を並べようとも、問題は決して解決することはありません。ときには禁じ手と呼ばれるような方法を使ってでも人を動かし、その状況を切り抜ける必要があります。
残念なことに現在は、「非連続の時代」と言われるほどに変化の激しい時代。昨日までは順調だった事業がある日突然、破壊的イノベーションによって駆逐されたり、長年にわたって磨き上げてきた技術が一瞬で陳腐化するといったことが、どんな分野でも起こり得ます。
身を切るような改革や、組織を二分するような意思決定が不可欠となります。つまり、多くの「修羅場」が生まれます。
修羅場に強くなる一番手っ取りばやい方法は、「修羅場に自ら首を突っ込む」ことです。だれだって、修羅場などは味わいたくないわけで、本書をケーススタディとして疑似的に体験して経験をつんでもらう。これが本書のねらいです。
気になったのは次のことです。
・危機になってからでは遅い。まだ余力のあるうちにいかに身を切るような改革ができるかが、企業に求められています。
・リーダにつきつかれるのは、何を変えるべきか、何を生み出せばいいかといった What の問いです。さらに そもそもなぜそれをやらなければいけないのか。といった Whyから始まる本格的な問いについて考えることも求められるようになりました。
・会社や事業の売却、人員削減といったシビアな事案に何度も立ち合いました。相手から罵倒されたり、恫喝を受けたことも。修羅場とはいわば自分の信念を問われる踏み絵です。
・正面突破は討ち死のリスク高し。表面上は平静を保ちながら、水面下で改革に向けた準備をする。しばらくは、良い意味での面従腹背でいくべき。
・人で戦くリスクを避けるには、部下を巻き込むこと。新しい方針が、チームの総意となれば、役員も反対しにくくなり、チームも一丸になる。孤独な戦いを避けることができる。
・部下の一人が役員と手を結び、反対勢力に回ること。まさに代理戦争です。そういう部下は放置せず、覚悟を決めて戦うしかありません。
・到底達成不可能な売上目標が上乗せされる。これを空箱を積むといいます。
・努力して達成ができるものなら、事業責任者として、それをめざすのがリーダーの本来の姿です。ただし、どう考えてもそれが「空箱」であるならば、ギリギリまで粘って売上を詰めることがむしろ、会社や部門のマイナスになる危険性があります。
・つまり空箱を積むというのは、問題の先送りでもあるのです。
・自分が仕事で成果を出していれば、その足跡は必ずどこかに残るし、実績を評価してくれる人もいる。ただし、上司の言っていることが間違っているなどと、否定して回るのは得策ではありません。
・いざとなれば、今の会社にしがみつく必要ないでしょう。さっさと転職すればいいのです。
・リーダは怒ったら負け 怒りをコントロールすること。怒りで抑えつけることは長続きしません。実践しやすいのは 間をおく です。
・無理な計画 まずは、ロジカルに正論で戦うことが第一歩
・戦わずして部下に言い訳するのは責任放棄 部下からは、ちゃんと戦ってくれよ
・その計画を立てた理由を聞く、それを基に、2つ上の上司にやんわり伝えればいい
・クーデター計画、あなたはどちらにつく?
・最もダメなのは、自分の損得を判断軸にすること。事業の継続性や長期的な成長につながるかを考える。自分が社長だったらどうするを考えてみる
・批判ではなく、提案をもっていく。
・いくら部下から反対されても、あなたが考え抜いた結果として「やる」と決めたら、何を言われようとも耐え、やり遂げるしかありません。
・とにかくついてこい では人は動かず
・やると決めたら、ひたすら実践、自分の仮説を検証していく。数字がでれば、人はついてくる。それまでの辛抱。
・八方ふさがりのプロジェクト すべて自分で抱え込むは 最悪の選択 質の低下。自分は仕事において何を大事にするかという軸です。正解は「誰の手をつかってでも、成果を出す」「何が最適なのか、優先順位を明確につける」です。
・多忙を極める ⇒ 個人でPDCAを回してみる。自分の達成したい長期の目標を設定した上で、定期的に振り返る
・CAN:できること、WILL:したいこと、SHOULD:すべきこと の3つの視点から考える
・苦手を克服する のではなく 得意分野を磨く が正解
・3Cのフレームワークをつかう。 市場、自分、競合について、立ち止まって考える。
・ワーストシナリオを作成してみる。
・大事なことは口約束にせず、必ず紙に残せ
・ストレス解消 書き出すことで、メンタルケア
・過ぎた事はあきらめる。そして、2度と過ちを犯さない
・仕事とは、「踏み絵」の連続である。
そして、不正はいずればれる。覚悟を決めて、正しい行動をとる。
目次
はじめに
序章 誰もが「修羅場」を避けられない時代がやってきた
第1章 対上司・対経営者 人間関係の「修羅場」を切り抜ける
第2章 ミドルリーダーが陥る「チームの修羅場」
第3章 あなたの人生を左右する「キャリアの修羅場」
第4章 リストラ、不正、顧客トラブル ある日突然起こる様々な「修羅場」
ISBN:9784569849638
出版社:PHP研究所
判型:新書
ページ数:240ページ
定価:870円(本体)
発売日:2021年07月01日 第1版第1刷続きを読む投稿日:2023.06.22
上司の理不尽な指示、プロジェクトの行き詰まり、クレームの嵐…。リーダーが直面する「修羅場」の数々をケーススタディとして示し、それらを切り抜けるための思考法を説く書籍。
修羅場を乗り切れるか否かは、リ…ーダーがいかにリーダーシップを発揮するかにかかっている。リーダーシップを発揮するためには、次の2つのことが必要である。
・ポジションを取る:何事においても、「自分はこう思う」という意思表示を明確に行う。
・決めたことをやり切る:決めたことに反対する人がいても、泥臭いヒューマンスキル(ダークサイドスキル)を駆使しつつ、それをやり切る。(結果が出るまでには、相応の時間がかかる。不安でも大丈夫と部下を励まし乗り切る)
修羅場を乗り切る力を鍛えるのに最適なメソッドが「ケーススタディ」。これによって当事者になりきり、自分なりの仮説を立てながら思考実験を行うことができる。例えば以下のようなもの。
■前任者の無茶なやり方によって現場が疲弊している場合
→1人で前任者に挑むのではなく、部下を巻き込んで「チームの総意」で戦う。そして、新しいやり方で結果を出す。
■役員から強気の事業計画を立てるよう迫られた場合
→まずは現実に即した計画を立て、ロジカルに説明する。それでも納得しないなら、裏技を駆使して役員と戦う。
■抜擢したマネジャーが部下から総スカンの場合
→自身が現場に降り、両者の正面衝突を回避するとともに、周りの人から情報を集め、状況を冷静に判断する。
■プロジェクトが人手不足かつ納期が延ばせない場合
→会社にプロジェクトの重要性を訴え、人を回してもらえるよう交渉する。また、社内外のリソースを上手に借りる。(仕事ができる人はうまく人を巻き込み、自分だけで何とかしようとしない)
■新サービスのトラブルで、クレームが殺到した場合
→速やかに顧客に謝罪し、情報開示を行う。そして現場担当者のフォローを行った上で、問題解決に向けた議論を促す。(誰のために仕事をしているか?顧客のため)続きを読む投稿日:2023.01.24
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