第八の探偵
アレックス パヴェージ(著)
,鈴木 恵(訳)
/ハヤカワ・ミステリ文庫
作品情報
独自の理論に基づいて、探偵小説黄金時代に一冊の短篇集『ホワイトの殺人事件集』を刊行し、その後、故郷から離れて小島に隠棲する作家グラント・マカリスター。彼のもとを訪れた編集者ジュリアは短篇集の復刊を持ちかける。ふたりは収録作をひとつひとつ読み返し、議論を交わしていくのだが・・・・・・フーダニット、不可能犯罪、孤島で発見された住人の死体──7つの短篇推理小説が作中作として織り込まれた、破格のミステリ
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商品情報
- シリーズ
- 第八の探偵
- 著者
- アレックス パヴェージ, 鈴木 恵
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 早川書房
- 掲載誌・レーベル
- ハヤカワ・ミステリ文庫
- 書籍発売日
- 2021.04.14
- Reader Store発売日
- 2021.04.14
- ファイルサイズ
- 1.2MB
- ページ数
- 496ページ
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この作品のレビュー
平均 3.5 (38件のレビュー)
-
結末を前に戻って指し示す美しさ
すでに隠遁生活を送る推理小説家の元へある出版社から"あなたの短篇を復刊したい"と依頼が舞い込む。
読者は作家と編集者による一編一編の下読みに立ち会うという仕掛け。
タイトルの「第八の探偵」とは"八…番目の探偵"という意味か、原題は「Eight Detectives」なので"八人の探偵"とも読めるが、でも短篇は7篇しかない...などと考えながら読み進めていくと、最後の最後でうひゃ~という展開に。
えっこれ、7+2の"Nine Detectives"なんじゃないの、とも思えるほど。
話題の『自由研究』よりは上だな。
作者が各篇のモチーフとなる理論を語り、編集者が細部の気になる矛盾を指摘する回想ターンもいいが、最も面白いと思ったのは、実を言うと最後の結末ではなく、作中作の作品。
どれも余計な説明もなく、幕が上がったと思ったらすぐクライマックスみたいな調子で、ページを繰る手が止まらなくなる。
特に『劇場地区の火災』と『青真珠島事件』の2篇は実に奇妙な味わい。
高級百貨店の火災とそこから二百メートルも離れた建物にあるレストランで起きた殺人事件。
一見、まるで関係ないように思えるシチュエーションが、食事を終えた客である女性教員を探偵役に変えるという驚きの設定を生み、それでいて何の違和感も感じさせない。
また、クリスティーの『そして誰もいなくなった』をモチーフとしながら、ある若妻の過酷な運命を重ね合わせ、事件の解決と人生の区切りを同時に達成するという離れ業。
「殺人ミステリの主目的とは、読者にひと握りの容疑者を呈示して、百ページほどのちに必ず、そのうちの一人以上を殺人犯だと明かすことなんだ。読者に小さな有限の数の選択肢をまず呈示してから、最後にぐるりと戻ってきて、そのうちの一つを指し示す。そのような解答に人間の脳が驚かされるというのは、考えてみれば奇跡だな」
読者を納得させられれば、結末の付け方は作者の思うまま、恣意的に、指数関数で数を増やせる。
ゆえに諸々の手がかりから唯一無二の解答を指し示すプロセスを見せるのが探偵小説だとする、論理パズル説を否定する作者。
フェアではなくとも、美しければOKの奇術としての探偵小説か。続きを読む投稿日:2022.02.05
-
作中作が七つもあるのに驚いた。作中作に紙幅を割き過ぎでは…?でも、作品全体の構成としては七作品くらいは必要な気もするし、う〜ん…面白くはあったけど、消化不良感は残る。あと、これからミステリ読んだら構成…をベン図にしてみたい。楽しそう。続きを読む
投稿日:2023.07.17
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