デジタル・ミニマリスト スマホに依存しない生き方
カル・ニューポート(著)
,池田真紀子(訳)
/ハヤカワ文庫NF
作品情報
1600人が参加した実験が、スマホとの最適な距離を導いた! アルゴリズムに操られる現代人のための、真の「新しい生活様式」。
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商品情報
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 早川書房
- 掲載誌・レーベル
- ハヤカワ文庫NF
- 書籍発売日
- 2021.04.15
- Reader Store発売日
- 2021.04.01
- ファイルサイズ
- 1.3MB
- ページ数
- 368ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (32件のレビュー)
-
著者の実践から導き出した教訓に加えてソローなどの哲学者や大学における研究を複数引用している。
そのため他のミニマリズム本よりも読了後の納得度が高い。
その分情報量は多いので薄い本を読んでデジタルミ…ニマリズムに興味を持ったら読んでみる方が良いと思います。
「オンラインの活動が悪い訳ではなく、オンラインの活動が増えると必然的により幸福感を得ることができるオフラインの活動が減る。」
「だからこそSNSに代表されるようなテクノロジーとの付き合い方を具体的な指標と数字を設定して明確にし、生まれた時間で主にオフラインで行う質の高い余暇を行うべき。」
という話が面白かったです。
ちなみにインスタを良く見る人は下記をお勧めします。
・アプリをホーム画面から取り除く
・フォロー人数をダンパー数まで減らす
※ダンパー数=人間が安定的な社会関係を維持できるとされる人数の認知的な上限。およそ150人。
・積極的に日常を知りたいと思わない人のストーリーをミュートに設定する
※ストーリーはユーザーの投稿量及びインスタ閲覧時間を増やすために開発された機能
続きを読む投稿日:2021.09.09
このレビューはネタバレを含みます
デジタルテクノロジーは否定しないし大いに活用していきたいが、その前にスマートフォンはスロットマシンだと強く自覚する必要がある。
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SNSと検索サイト、ニュースサイト、サイト上のあらゆる広告、記事でさえ利…用者の注意、時間を奪う目的で設計されている。これは個人が対抗不可能なほど強力だ。
利用者がより長く画面を眺めれば、それを売上利益に変えるアテンション・エコノミー注意経済、広告産業がのさばっているのだ。このアテンションエコノミーに属するフェイスブックやXやgoogleは、自身では何も生み出していないのに、利用者が画面を見ているだけで稼ぐ。世の中を豊かにしていないのに企業価値が異常に高い。
という点を強く強く認識する必要がある。
彼らは我々ユーザーの大事な人生、時間を如何に奪うか心血を注いでいる。ちょっとやそっとでは対抗できない。
1日3時間もスマホを触ってしまう、なんて勿体無い。習慣を変えよう。
習慣を変えるには環境を変えなくてはならない。
注意を奪う、時間を奪うため特化してきたスマートフォンとの付き合いは、スクリーンタイムを設定するごときでは改善できない。
彼らは強力だ。
まずは、スマートフォンとの付き合いをリセットする必要がある。
1.一ヶ月のリセット期間を設ける。この間、必ずしも生活や仕事に必要でないテクノロジーの利用を休止する。
2.この一ヶ月の間に、楽しくてやりがいのある活動や行動を新しく探したり再発見する。
3.休止期間が終わったらまっさらな状態の生活に、休止していたテクノロジーを再導入する。ただし! 自分の生活や活動にどのようなメリットがあるか、そのメリットを最大化させるにどのように活用するべきか、明確にしてから利用する。
自分のライフスタイル実験。
開始1、2週間は禁断症状が出るが、そのうち消える。
デジタル片付けは、SNSから一時的に離れることにとどまらず、もっと高い価値のある活動を積極的に探さなくてはならない。
真の充実感を生む活動を再発見し、より意義深い目標の達成を後押しするためだけにテクノロジーを活用するような生活に仕向けられる。
■SNSでの繋がりは、対面での広帯域幅の『会話』カンバリゼーションに遠く及ばない低帯域幅の交流を指す『接続』コネクションでしかない。
■人間は他人との繋がりに幸福の土台がある。
■幸福の土台たる他人との本当の人間関係、響き合うコミュニケーション(対面では相手から受け取る情報が多い、共感能力が養われる、自分の話を聞いてもらえる喜び、相手から理解される喜びが得られる)はSNSの文字のみのメッセージでは作られにくい。対面での会話は受け取れる情報も多く相互に幸福感を生み出すが、接続ではそこに至らない。人間は他人との繋がりが絶たれると身体的な苦痛まで感じるほどである。家族を亡くしたりパートナーと別れたり、あるいは単に誰かに冷たくあしらわれただけでも。
古来より他人との繋がりが人類の繁栄を左右する重大な要素だった。
目の前にいる人、親しい相手とのコミュニケーション、信頼できる他人と共にいられる事が、幸福感を生むということであろう。
■人間の脳は、どんな感情を持っているか他者の心の状態を理解するのを助けるネットワークにかなりのリソースを費やしている。
■1人ですごす大切さ。誰とも繋がらず、1人静かな環境で頭を整理する時間が必要。大事な決断も1人の時間があってこそできる。
■従来、人間がコミュニケーションとれる人数はせいぜい150人まで。それを超えて繋がるSNSで、会話、人間関係を維持するのは不可能。
■いいね、は毒。脳は「繋がりたい」もので、古来よりコミュニティから外されれば生きていけなかったから他人の顔を伺う&承認がとても重要に感じてしまうし求めてしまう。しかし現代では必要ない。もちろん、社会性は必要だが。
いいね、することで誰かと繋がっている安心感満足感を疑似体感してしまう。実際には無意味。
いいね、することも、されることも、毒である。偽物の承認欲求を満たしてしまう。
それよりも本物の会話が大事。
いいね、してしまうと、なんかした気になってしまうが実はなんも生み出せてないぜ!
■脳はデフォルトモードネットワークを「何もしていない、考えていないとき」に起動する。脳は暇になると社交活動について自動的に考え出してしまう。
■スマホからSNSアプリは全部消すこと。
スマホのアプリはパソコン版よりも中毒性が異様に高く、気づくとスマホを触る、画面を見る、時間を奪われるのに気づかない、非生産的な生活に陥っている感覚が麻痺する技術の粋で作れている。
ソーシャルメディアのプロは、特定の情報取得にのみ使用する。
■そのアプリやサイトを立ち上げたら次々と記事や商品、他人の投稿が見えてしまうなら、消した方がいい。
日々を主体的に生きるため、デジタルツールの「行為依存を促す仕組み」を理解して、目標の為になる、使うに値するものだけとする必要がある。
SNSは最たる毒で、最低限スマホからアプリは削除しよう。
続きを読む投稿日:2024.07.07
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