ルポ「命の選別」 誰が弱者を切り捨てるのか?
千葉紀和(著)
,上東麻子(著)
/文春e-book
作品情報
本書は毎日新聞のキャンペーン報道「優生社会を問う」をベースに、
担当した2人の記者が書き下ろしたものです。
旧優生保護法が改正されて四半世紀近くが過ぎましたが、
障害者への社会の理解は深まったのでしょうか?
障害者を取り巻く環境は改善されたのでしょうか?
新型出生前診断(NIPT)が拡大するのを利用した数多のクリニックの「検査ビジネス」は急成長中で、
「不安ビジネス」として社会問題化しています。
障害者施設が建設される際、いまだに周辺住民の反対運動が、最初の大きな壁となります。
そして、実の親による障害児の社会的入院、治療拒否・・・・・・。
障害者入所施設・津久井やまゆり園(相模原市)での大量殺人が世間を震撼させている今日、
いまだ弱者が切り捨てられるわが国の現状を検証します。
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この作品のレビュー
平均 4.2 (22件のレビュー)
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要なしの人間なんているわけはないと
神様はいつも僕に言うけど
本当のところは口をつぐんで
誰も言おうとしないけど…
読み終わってから、THE BOOMの「気球に乗って」の歌詞が何度も頭の中でリフレイ…ンしている。
障害者施設「津久井やまゆり園」の大量殺戮事件。
犯人は「障害者は不幸を作ることしかできない」と言った。
およそ常識からかけ離れたその言動に、ついつい犯人のことを狂人だから、と線をひきたくなる。
しかし、LGBTの人を「生産性がない」と公然と差別する政治家(国民の代表者だ!)まで出現してしまうとそんなことも言っていられなくなる。
「優生思想」は狂信的なヒトラー支持者みたいな特別な人だけでなく、誰もが持ち合わすものなのではないか?あなたもそうではないのか?
そんな問いをこの本は投げかけてくる。
出生前診断、ゲノム編集、受精卵診断、 NIMBY(Not In My Back Yardの略語で「施設の必要性は認めるが、自らの居住地域には建てないでくれ」と主張する住民エゴ)、障害児の社会的入院、「地域移行」理念以前の障害者入所施設の実態、そしてコロナ禍の「命の選別」など、取り扱う分野は幅広い。
弱者はただただ切り捨てればよいのか?
多様性を認めない社会は、結局は自らの、広く言えば人類全体の首を絞めることになるのではないか?
我々は今どんなに健康でも、老いれば身体の機能低下や病気の出現で障害を負うようになる。
つまりは、長生きすれば将来必ず弱者の立場になるのだ。その時、社会がどんな形であってほしいか。
そして、コロナ禍で不要不急の外出を制限され、ソーシャルディスタンスを求められる、強いストレスを感じている。でも、このしんどさを、実は障害者は常に感じているのだ。
だから、コロナ禍の今こそ、誰もが新たな差別の対象となるディストピアへ向かうのか、それとも、分かり合える社会を築くのか、その分岐点にある、という。
とても考えさせられた。
ちなみに、この本は日本経済新聞の書評で知った。
昨日(2/13)の日経に「コロナ禍で読書SNSが人気」という記事が載っていて、ブクログが紹介されていた。利用者が異例の伸びなのだと言う。
コロナ禍で読書人口が増えている、と言うことなのだろう。読書は人の内面を豊かにする。
豊かな内面の人間が集まれば豊かな社会が生まれる。
なんだか少しだけ明るい将来が垣間見えた気がして、勇気づけられた記事だった。続きを読む投稿日:2021.02.14
出生前診断には目先の利益、妊婦へ不安を煽る。思っていたより広まっているのだな。
特に興味深かったのは障害者を拒み施設反対運動をする地域住民の話。地価が下がるという根拠のない話から何をするか分からない…危険因子を取り除く…など言い分は様々で説明会は聞く気がないから意味をなさないとかみんなで一致団結して工事を妨害するのが楽しいといった当事者の声など知ることができて良かった。
中には地道な努力で地域の反対者を味方につけられた例もあって希望もあった。お互い許し合うことができるなんてすごいじゃないか…
何かを排除したい気持ちにフォーカスを当てた本を読みたくなった。続きを読む投稿日:2024.01.17
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