- 最新巻
あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続
宮部みゆき(著者)
/角川文庫
作品情報
三島屋の主人伊兵衛は、傷ついた姪の心を癒やすため、語り捨ての変わり百物語を始めた。悲しみを乗り越えたおちかが迎える新たな語り手は、なじみの貸本屋「瓢箪古堂」の若旦那勘一。彼が語ったのは、読む者の寿命を教える不思議な冊子と、それに翻弄された浪人の物語だった。勘一の話を引き金に、おちかは自身の運命を変える重大な決断を下すが・・・・・・。怖いけれども癖になる。三島屋シリーズ第五弾にして、第一期の完結編!
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商品情報
- シリーズ
- 三島屋変調百物語
- 著者
- 宮部みゆき
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- 角川文庫
- 書籍発売日
- 2020.06.12
- Reader Store発売日
- 2020.06.12
- ファイルサイズ
- 2.4MB
- シリーズ情報
- 既刊5巻
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この作品のレビュー
平均 4.4 (73件のレビュー)
-
「三島屋変調百物語」は、語って語り捨て、聞いて聞き捨てが決め事でございます。でもホントの語り手は、実は宮部みゆき女史であろうことは、読者の皆様には暗黙の了解ごとだ、と推察致します。
そのご本人が公の…場で言っていましたから、語らせて頂いてもお構いなしとさせてください。実は今回で聞き手は、三島屋の姪のおちかから次男坊の富次郎に交代致します。えっ、ご存知でしたか?それならば、
‥‥全体で4人聞き手が立つことになっている。
えっ?そこまではご存知ありませんでしたか?現在27話ということになっておりますし、百物語だというと、やはりそうなるのでございましょう。絶対ではないでしょうが。
かつて某ラジオ番組で女史が話していたんです。
「百もの怪談って、こんなにもさまざまな物語、どうやって思いつくんですか?」
とMCが聞きました。実際は女史の時代モノは怪談かかっている事多いので百より多いとは思いますが、
女史は
「定番のパターンがあるので、話ネタ自体には困りません。ただ、構成は工夫します。ABCをCABにしようとか、小道具に何を使うか、というのを考えるのが楽しい」
とかおっしゃっていました。根っからのストーリーテラーですね。
今回個人的に1番怖かったのは冒頭の「開けずの間」でした。忌(いみ)がどんどん拡大、伝染していくさまが、女史は意識していなかったでしょうが、目に見えないウィルスだけでなくて、目に見えない悪意さえも伝染していく(自殺者さえ出たようですね)昨今のコロナ禍と重なり、たいへん恐ろしゅうございました。
実はここだけの話なんですが、わたし気がついてしまいました。「伍之続」の何処かで言及あるかな、と思いきやなかったので、これはどう処理するのか、わたし、おそらく20年後にドキドキしていると思うのです。何かと申しますと、今回女史は珍しく「文庫版あとがき」にこう書いています。
‥‥百物語という趣向は、昔から、百話完結させてしまうと怪事が起こるので、99話で止めなければならないと戒められています。一方、99話まで到達せずに途中でやめると、足りない数話分の怪事が起きるという戒めもまた存在するのです。(640p)
書いて仕舞えば「言霊」が宿ります。女史は「とんでもないこと」を約束してしまったわけです。99話でピタリと止めなくてはなりません。女史の心配するように、「健康に留意」するのはもちろんのことですが、実はこの文庫本の巻末に「正式に」『現在までに語られた話』は「第二十七話」と書いています。これが問題です。実は26話目に付け足すように「同じ顔をした6人の男と結婚した老女の話」の「一話」があるのです。これが「数え」の中に入るか入らないか、ものすごく重要です。数えずに、百物語までいって怪事が起こるのか?それとも、数えて1話足りずに終了して怪事が起きるのか?そういうことに関係すると思うのです。20-25年後に悩むのではないでしょうか?
いや、杞憂なら良いのですが‥‥。
ついつい気になったので長々と書いてしまいました。どちらにせよ、おちかの嫁ぎ先の話はこのままで終わらないので、もう一波乱あるのは必須です。
あと、おまけとしてトリビアな話を。(←話が長いぞ!)
袋物を売る三島屋は、神田三島町にある店です。「東京時代MAP大江戸編」(新創社)を広げて調べました。現在の神田東松下町辺りでした。おちかの嫁ぎ先は神田多町二丁目だそうですが、それはそのまま地名としてあります。神田駅から秋葉原駅に中央線に沿って歩いてゆくと、神田川手前の右手に三島町、左手に多町があります。おちかはホントに歩いて300メートルちょっとの処に嫁いだわけです。この辺りは、大江戸の一大商業地帯です。果たして庶民は密に密に寄せ合って住んでいたことでしょう。また、「面の家」冒頭で起きた火事は、秋葉原駅の東北出口の辺りです。神田川挟んで500メートルなかったので、三島屋さんも焦ったことでしょう。続きを読む投稿日:2020.07.25
このレビューはネタバレを含みます
565ページ
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1800円
11月5日〜11月12日
三島屋の黒白の間、おちかのもとには語りたい人が訪れる。聞き手には、おちかに加えて三島屋の次男、富次郎も加わる。富次郎は、聞き終えた話を1枚の絵に表…す。開けずの間の行き逢い神、だんまり姫のもとにいた一国様、面を封じている家、金目の猫、それぞれの話が悲しかったり苦しかったり、人情に溢れていたりする。おちかの縁談も決まり、これからの聞き手は富次郎が務めることになる。
一つ一つの話に引き込まれる。最後の富次郎と兄、伊一郎と語った金目の猫の話は、心温まりながらも少し悲しい話だった。おちかが瓢箪古堂の勘一に嫁ぐことになったのがスッと決まって、恋しいとか思い煩ってとかの表現がないままだったので、突然恋して突然嫁入りといった感じがした。続きを読む投稿日:2024.03.25
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