新型コロナ、香港、台湾、世界は習近平を許さない
福島香織(著)
/ワニブックス
作品情報
日本いや世界中を苦しめる新型コロナウイルスは習近平政権の隠蔽によって拡大した!中国からの厄災は対岸の火事ではない!香港の自由と法治の守護、台湾の国家的地位チベット・ウイグル弾圧からの解放は日本の国益!そして、日本は新型コロナなんかに負けない!【目次】第一章 香港デモの敗北第二章 台湾総統選に敗北した習近平第三章 新型コロナが習近平政権にとどめを刺す第四章 世界は習近平を許さない【著者プロフィール】福島香織 (ふくしま かおり)ジャーナリスト/中国ウォッチャー/文筆家1967年、奈良市生まれ。大阪大学文学部卒業後、1991年、産経新聞社に入社。上海復旦大学に業務留学後、香港支局長、中国総局(北京)駐在記者、政治部記者などを経て2009年に退社。以降はフリージャーナリストとして月刊誌、週刊誌に寄稿。ラジオ、テレビでのコメンテーターも務める。主な著書に、『潜入ルポ 中国の女』(文藝春秋)、『中国複合汚染の正体』(扶桑社)、『ウイグル人に何が起きているのか』(PHP研究所)、『本当は日本が大好きな中国人』(朝日新聞出版)、『権力闘争がわかれば中国がわかる』(さくら舎)、『孔子を捨てた国』(飛鳥新社)、『赤い帝国・中国が滅びる日』(KKベストセラーズ)、『「中国の悪夢」を習近平が準備する』(徳間書店)、『習近平の敗北 - 紅い帝国・中国の危機 -』(小社刊)など多数。月刊誌『Hanada』、WEBニュース『JBプレス』でも連載中。ウェブマガジン「福島香織の中国趣聞(チャイナ・ゴシップス)」毎週月曜発行(https://foomii.com/00146)Twitter:@kaori0516kaori
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この作品のレビュー
平均 4.8 (4件のレビュー)
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大陸ウォッチャーとして、真摯に、時にコミカルに共産中国とその周辺、
台湾、香港などの国々の状況をも伝えてくださっている、福島香織さんによる一冊。
ジャーナリストとはかくあるべきか、と感じさせられ、一…気読みしてしまいました。
“(今回のコロナ禍のような危機に直面すると)民主主義の自由と人権を尊ぶ価値観と、
安定や発展を理由に、時に自由と人権を踏みにじるような手法をとる
中国式の全体主義的な価値観のどちらがいったい世界にとってより良いのか、
という判断を問われたとき、一瞬迷う人も出てくると思う”
との警鐘を鳴らされたうえで、根底では、、
“日本人の価値観には、はっきりと人権と法治の価値観、民主主義を是とする価値観がある”
との想いを持たれていて、これは麻生太郎さんが外相時代に提唱された「自由と繁栄の弧」ででも
「普遍的価値観」と表現され、この価値観を共有できる国々と手を携えて、との理念にも通じる想いかと。
大枠としては、香港デモから始まり、台湾総統選、コロナ禍(武漢肺炎)、
そしてアフターコロナのトピックから、香港・台湾の活動が第二局面に、、な流れでしたが、
先日の全人代で、香港弾圧法(国家安全法)が採択されました、それに伴い、
香港への「共産中国の軍事力による弾圧を加えることが可能になりました」ので、不安定さが増しています。
アメリカから、即時にカウンターが出ていのは頼もしい限りですが、一つ疑問なのは、
こうした弾圧法案に対して声を上げる、人権派(屋)が、どうして日本国内にはいないのか、との点。
現在進行形で、共産中国が侵略を続けているウイグルやチベットで行われている、
「民族浄化(エスニッククレンジング)」に考えが及ばないのであれば、相当にお花畑でしょう。
憲法9条とやらは、日本を侵略から守ってはくれない、それは、連日の尖閣諸島への侵入を見ても明らか、
にもかかわらず、オールドメディア(第四の権力)は、なぜ、批判的な意見を出さないのか、本当に不思議です。
また2017年でしたか、共産中国の習近平氏が、実質的な終身国家主席≒独裁制を導入したのは、
それについても、終身国家主席と化した習近平氏を独裁者と指弾するメディアが皆無であるのも、また不思議です。
仮に、安倍さんがそんなことをしようものなら、どうなりますやら、、と皮肉を込めたくなりますね。
まぁ、安倍さんはそんなことは絶対にしないでしょうけども、この戦時下ともいえる、
コロナ禍(武漢肺炎)への対応のためであっても、愚直なまでに民主的な手続きを守っています。
それに対して、最速で金寄越せ、でも強権的にするなとは、ただの夢想主義者で、現実感覚がない○○でしょう、
いわゆる、言うだけ番長ってやつで、現場を知らない声が大きい一部の○○が騒いでる、と信じたいところです。
そうは言っても、こんな状況下で“民族浄化を行っている独裁者”を国賓待遇とか進めるのであれば、
さすがに現政権へも批判的にならざる得ません、とも、考えていますが。
それそれとして、個人的な白眉は、香港デモのアイコンリーダーでもある、周庭(アグネス・チョウ)さんとの対談、
“強い国、繁栄した国というのは、経済力があるだけでなく、人権や人の命に対する尊重ができる国”
とは、果たして、今の日本がそうだといえるのか、背筋が伸びる気分でした。
普遍的価値観を共有できる国々とは、と、久々に思い出させてくれた、そんな一冊です。続きを読む投稿日:2020.05.24
このレビューはネタバレを含みます
なるほど、今年2020年1月の台湾総統選の民進党蔡英文の勝利は、香港のデモ学生などの民主主義への思いや何よりも2019年早々に発表された周5条に対する中国共産党の圧力からの忌避感によるものだという。…なるほど。
レビューの続きを読む
新型コロナウイルス禍に乗じ、アジアをはじめ、オセアニア、ヨーロッパ、アフリカへ、一帯一路のスローガンのもとに世界にその触手を伸ばし、世界のルールメーカーたらんとする習近平の実像が浮き彫りにされている。
中国の躍進の裏で、民への言論統制、行動制限、さらにはチベットやウイグルの弾圧が行われている、そんな国家であることを忘れてはならない。著者は必死に警鐘を鳴らしている。続きを読む投稿日:2020.08.10
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