サブスクリプションで売上の壁を超える方法(MarkeZine BOOKS)
西井敏恭(著)
/翔泳社
作品情報
サブスクリプションとは、「顧客が商品・サービスを使い続けたい気持ちをつくること」です。言葉にすると何気ないようですが、これが売上の壁となって私たちの目の前に立ちはだかります。でも実はこの壁、マーケティングで突破できます。本書ではサブスクリプションとマーケティングの基本的な考え方を押さえたあと、実際にどう事業をつくっていけばいいのか、どんなKPIが適切で有用なのかを紹介します。そして事業計画や顧客中心の組織のつくり方を解説し、サブスクリプションの要点を順序立てて理解していくことができる構成になっています。「サブスクリプションをはじめたい」「サブスクリプションをやっているがうまくいかない」「サブスクリプションのビジネスをもっと成長させたい」このような思いを抱いている方にとって、本書は入門書でありながら、目の前の課題を解決するヒントに満ちたサブスクリプションの新しい実践書です。【著者紹介】西井敏恭(にしい・としやす)1975年5月福井県生まれ。WEBの面白さに惹かれて2003年頃からEC企業にてマーケティングに取り組む傍ら、旅行を続けて訪問した国は140か国以上。世界一周したデジタルマーケティングのプロとして、ad:techをはじめ全国での講演、メディア掲載なども多数。※本電子書籍は同名出版物を底本として作成しました。記載内容は印刷出版当時のものです。※印刷出版再現のため電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。※印刷出版とは異なる表記・表現の場合があります。予めご了承ください。※プレビューにてお手持ちの電子端末での表示状態をご確認の上、商品をお買い求めください。
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平均 3.4 (13件のレビュー)
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「サブスクリプションで売上の壁を超える方法」
1.サブスクリプションとは?
定額サービスではない。
顧客が使いつづけたい気持ちを作ること。
2.顧客が使いつづける原因づくりとは?
解決したい課題、…用事を片付けることができること。
これを顧客の成功と呼ぶ。
3.長期間使ってもらうためには?
顧客の成功をアップデートすること。
課題、用事の解決→評価受領→次の目標、課題を共有してもらうこと。
このサイクル。
4.本書の読みどころ
著書は、オイシックスをはじめとして多くの企業のカスタマーサクセス、デジタルの担当者。
そのひとが、平易な言葉で展開してくれるは、初心者にはありがたい。
続きを読む投稿日:2021.01.03
サブスクリプションに限らず、顧客は数ある商品・サービスの中から、競合のものではなく、自社のものを利用し始め、また使い続けてくれる「きっかけ」があります。
顧客にヒアリングするとわかるようなものもあ…りますし、顧客自身が気づいていない隠れたきっかけもあります。
サブスクリプションにおいて、顧客はこのきっかけを体験すると「この商品・サービスは使い続ける価値がある」と感じて、解約せずに長く使い続けてくれるため、結果的にLTVが高い状態になります。
そして、さまざまなデータを取得できていると、顧客からヒアリングするだけでなく、定量的なデータから「この状態をつくれば、顧客は成功している」という把握ができる標が見えてきます。
私はこの指標をサクセスKPIとよんでいます。LTVが高くなる状態をつくるために、顧客の利用行動を想像して、「どのようなデータを取得できるのか」「どうすればその指標をより良くすることができるのか」ということを考えます。
たとえば動画配信サービスのサブスクリプションでは、入会のきっかけは大ヒットした映画などが多い傾向があり、LTVの高い会員は、連続ドラマを見る人が多いそうです。この場合、映画を見た人に、それと関連しそうな連続ドラマをおすすめする、という打ち手を実施して、実際にその該当顧客のLTVが高まるかどうかをチェックします。
サブスクリプション以外の事例になりますが、ツイッター(Twitter)では利用を開始したユーザーがある一定数の人をフォローすると、継続率がかなり上がるそうです。そのため、新規のユーザーには、フォローした方が良いアカウントをメールなどで通知するなどして、フォロワー数を増やす前に、フォロー数を増やすような働きかけをしています。また、CtoCプラットフォームのメルカリ(mercari)では、「商品を購入する」もしくは「商品を販売する」という目的で利用し始めるユーザーが多いのですが、購入・販売のどちらかだけではなく、購入もするし販売もするユーザーの方がLTVが上がるそうです。そのため、何かを購入したユーザーには「手元にある○○を販売してみませんか?」とメッセージを出したり、それをサポートするためのクーポンなどを配信しています。さらに、化粧品では、最初に購入したカテゴリ以外の商品を購入する(最初に化粧水を買ったら、次はメイクを買うなど)とLTVが高くなったり、ファッションブランドなどでは、自分が気に入っただけでなく、他の人に「その服かっこいいね」と褒められたりするとLTVが高くなるそうです(これはデータでは可視化しづらいですが.....。)
このように、まずは自社の商品・サービスにおいてのサクセスKPIを定量・定性の両面から考えてみると、顧客の成功を導き出すことができます。ただし、データのみでこ指標をつくると、因果関係が逆になってしまう場合があるので注意が必要です。
■サブスクリプションの事業をつくるフレームワーク
P:ペインの発見
T:トライアルで仮説検証
C:コアバリューづくり
P:事業計画の確定
P:プロダクトマーケットフィット
■暮らしの提案は伝わりづらい
私は、スポティファイの「音楽を発見する」というコピーが好きです。実際に使い続けていると、他の音楽配信サービスと違って、レコメンドされる楽曲の感じがとても自分にフィットしているんですね。
若い頃はいろんな音楽を聴いて楽しんでいたのに今は昔の曲ばかりを繰り返し聴いている。ちょっと悲しいな……」と思っているところに、スポティファイは新しい音楽との出会いを運んでくれます。
でも「音楽を発見する」の言葉どおりに、私ははじめから音楽を発見したいと思って使始めたわけではないんです。レコメンドが心地よくて、使い続けていくうちに音楽を見する暮らしがステキだと感じるようになっていた。
おそらく他の音楽配信サービスも、それぞれに提案する暮らしがあって、顧客は選択をしているのでしょう。
このようにサブスクリプションが提案する暮らしは、顧客が商品・サービスを利用して成功を体験することで初めて、気づいてもらえるものです。
■解約会員は「新規」「中堅」「ベテラン」に分ける
■稼働率は「利用者別」「コース別(プラン別)」「R(Recency)別」に分ける
■最も大切な打ち手は会員の解約率を下げること
解約とは顧客の成功をつくれなかったことを意味する
LTVを伸ばすために、顧客と丁寧なコミュニケーションをとりながら、商品・サービスを改善し続け、顧客の成功に伴奏します。そうすると、必然的に商品開発や営業、カスタマーサポートなどの他部署と関わることが増えてきます。
■サブスクリプションで売上の壁を超える5つのポイント
1.LTVを伸ばすマーケティングをする
2.事業をつくるときは小さく始める
3.顧客の解約率を下げる打ち手が最重要
4.LTV>CPOとなったときが広告投資のタイミング
5.顧客を中心とした組織をつくる続きを読む投稿日:2022.08.27
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