狂うひと―「死の棘」の妻・島尾ミホ―(新潮文庫)
梯久美子(著)
/新潮文庫
作品情報
「そのとき私は、けものになりました」情事が記された夫の日記に狂乱する妻。その修羅を描いた『死の棘』。だが膨大な未公開資料を徹底解読し、取材を重ねた著者が辿りついたのは、衝撃の真実だった。消された「愛人」の真相、「書く/書かれる」引き裂かれた関係。本当に狂っていたのは妻か夫か。痛みに満ちたミホの生涯を明らかにし、言葉と存在の相克に迫る文学評伝。読売文学賞他受賞。(対談・沢木耕太郎)
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商品情報
- 著者
- 梯久美子
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮文庫
- 書籍発売日
- 2019.09.01
- Reader Store発売日
- 2020.02.14
- ファイルサイズ
- 5.6MB
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この作品のレビュー
平均 4.8 (5件のレビュー)
-
序章、冒頭で、いきなり86歳のミホさんが語っているのを読み、のっけからテンション爆上がり。島尾敏雄著『死の棘』の妻、あのミホさんが、目の前でしゃべってる! と一気に本書にのめり込んだ。
興味深くて、…心がいろんな方向に揺さぶられた905ページ、すごく楽しい、という表現が適切かどうかわからないけど、有意義で濃い読書時間だった。
島尾敏雄とミホの、それぞれの誕生から死去まで、よくぞここまで調べて書いてくださった、本にしてくださったと、著者はもちろん、本書に携わった方々に感謝の気持ちでいっぱい。
私は先に『死の棘』を読んでから本書を読んだので非常におもしろく読んだのだけど、同時に、本書の内容を知った上でもう一度『死の棘』を読みたいとも思っている。いろいろと細かい部分で、「これはそういうことだったんだ」という理解や気づき、また一度目とは違った感情を味わえそうだから。
本書を読んだことで、この2人が戦時に出会って恋に落ちて結婚し、島尾が愛人を持ちミホが狂い、『死の棘』という文学作品が書かれ、さらにはこの『狂うひと』という本が生まれたことまで、すべてがこうなるべくしてこうなった、全員が何かに導かれて動かされ、こうなることになっていた、絶対的必然であったという思いを、確信と言ってもいいくらいに、今、強くしている。
そして輪をかけて強く興味を引かれて興奮したのは、奄美大島の歴史と、西郷隆盛の奄美大島時代の妻、愛加那のこと、そして島尾がそうそうたる作家たちと交流があったこと。阿川弘之、庄野潤三、埴谷雄高、井上光晴、武田泰淳と百合子夫妻、遠藤周作、吉行淳之介、司馬遼太郎、福田恆存などなど、すごい人たちの名前がたくさん出てきて目が回りそうだった。島尾が心底文学者であったことがよくわかった。
巻末の、著者と沢木耕太郎さんとの対談「奪っても、なお」がまたとても良かった。沢木さんが読者の思いをバッチリ語ってくださっていてうれしくなったし、ノンフィクション作家としての心持ちなどもかなり興味深い。今回読んだ『死の棘』&『狂うひと』のように、『火宅の人』&『檀』も読みたいと思った。
続きを読む投稿日:2023.01.12
運命的な恋が一転、お互いを狂気へと引き摺り落としていく夫婦。虚構と虚飾にまみれた理想の夫婦の幻想。ミホさんのその執着は愛なのか憎しみなのか。島尾敏雄の非道さ薄気味悪さに背筋が寒くなる。わたしだったら一…発ぶん殴って走って逃げるな…良著。続きを読む
投稿日:2021.08.28
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