SmartCity5.0 地方創生を加速する都市OS
海老原 城一(著)
,中村彰二朗(著)
/インプレス
作品情報
会津若松市で進行中の「SmartCity5.0」について、そのコンセプトから具体的な取り組みまでを詳細に解説しています。会津若松市のスマートシティプロジェクトは、2011年3月11日に発生した東日本大震災からの復興支援策としてスタートしました。ですが、その取り組みは単に“復興”にとどまらず、データとデジタルテクノロジーを活用して地方創生を図る「SmartCity5.0」へと進化しています。SmartCity5.0を特徴づけているのは、市民生活や地域産業の“スマート化”を可能にする「都市OS」と呼ぶべきアーキテクチャーの存在です。都市OSを使って会津若松市が解決しようとしている課題は、日本の多くの地方都市が抱える課題との共通点が少なくありません。日本の活性化に向けては、地方創生が不可欠です。政府も「デジタルガバメント」や「クラウド・バイ・デフォルト」を掲げ、公共分野のデジタル化を加速させようとしています。少子高齢化を乗り越え、持続可能な地方創生に向けた叡智が詰まるSmartCity5.0は、これからの“まちづくり”のあり方を指し示しています。
もっとみる
商品情報
※この商品はタブレットなど大きなディスプレイを備えた機器で読むことに適しています。
文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
この作品のレビュー
平均 3.9 (12件のレビュー)
-
会津若松市が取り組んでいる市民主導型のスマートシティプロジェクトは、まさにSociety5.0そのものであると言えよう。ビッグデータプラットフォームを整備し、さまざまなデータを収集・分析。最先端の技術…や知識を持つ企業や団体とコラボレーションすることで、オープンイノベーションを起こしている。市民の暮らしを網羅する「エネルギー」「観光」「予防医療」「教育」「農業」「ものづくり」「金融」「交通」の8つの領域をターゲットに、アナリティクス人材の育成にも力を入れている。
スマートシティの実現には、オープンな連携が不可欠だ。なぜなら、特定の企業や団体に限られた協業で得られる成果は限定的になってしまうためである。多岐にわたる市民生活を根本から変え、市民主導型のスマートシティを実現するためには、さまざまなステークホルダーが連携してくことが重要だ。
(引用)SmartCity5.0 地方創生を加速する都市OS、アクセンチュア=海老原城一、中村彰二朗著、株式会社インプレス、2019年、115-116
現在、我が国は、多くの課題を抱えている。少子高齢化、社会保障費の増大、そしてエネルギー問題など。このような高度経済成長期とは違う、新たなステージの到来を受け、ある地方都市では、データとデジタルテクノロジーを駆使して地方創生を図っていこうとする動きがある。あの2011年に発生した東日本大震災からの復興支援策としてスタートした会津若松市のスマートシティプロジェクトである。
意外にも、会津若松市が進めるスマートシティプロジェクトで大切にしている考え方は、鎌倉から江戸時代にかけて活躍した滋賀県の近江出身の商人による「三方よし」である。三方よしとは、「売り手よし」、「買い手よし」、「世間よし」という近江商人の精神をあらわしている。会津若松市では、三方よしを「市民によし」、「社会によし」、「企業によし」と再定義しているが、最先端のテクノロジーを駆使した地方創生を取り組みにおいて、古き良き日本人の精神を置き去りにしていない。
会津若松市に住んでいなくても、スマートシティが実感できるサイトとして、「会津+(プラス)」がある。これは、市民とのインタラクティブな情報共有を目指して、市民一人ひとりの属性情報に沿ってパーソナライズされた市民サービスのデジタル窓口である。言い換えるならば、「必要な情報を必要な人に届ける」というシンプルなものだ。その必要な情報を届けるという仕組みを構築するため、会津若松市では、さまざまなデータを収集・分析している。このデータ収集は、情報提供者が目的を理解して提供する方式、いわゆるオプトイン方式を採用している。また、データの信頼性を高めるため、会津+では、KPIを設けるなどしている。
この会津+のサイトは、市民や事業者だけではなく、外国人観光客にも対応している。私も会津+のサイトを閲覧してみたが、2018年2月からロボットのマッシュくんが答えてくれる「LINE de ちゃチャット問い合わせサービス」も始まっていた。デジタルデバイドを少しでも解消し、どの年代の市民にも、デジタルシフトしていこうとする会津若松市の姿勢を垣間見ることができた。
会津若松市の人口規模は、日本国民の1,000分の1である。しかし、会津若松市が取り組む実証実験や市民オプトインなどは、他の地方都市にも広がっていくことが期待される。それは、冒頭にも掲げた我が国の課題が、どの地方にも当てはまるからである。これらの課題を克服するため、最先端の科学技術を用いたSmart Cityの取り組みは、これからの地方都市に必要不可欠なものであろう。
ただ、単に最先端の科学技術を用いれば、国のいうSociety5.0の社会が生活者や観光客に受け入れられるわけではない。会津若松市の進めるSmart Cityは、そこに住む人たち、そして訪れようとする人たちが「主役」としているところに、あらなた時代の地方創生手法としての希望を感じた。続きを読む投稿日:2020.01.04
地方をめぐる状況が全然好転しない中での一筋の光、、と言うと言い過ぎかもしれないが、前段のコンセプトのところから魅力的な取り組みと感じる。
ただし本質的には会津若松市を相手にしたコンサルの客商売である…ことに留意せねばならず(営利企業である以上当然なのだが)、暮らしの「スマート化」で犠牲になるものについては語られていないし、会津若松市民を終始客体化しており街をつくる仲間とは捉え切れていないように見える(インタビューパートにも登場しない)。なぜなら恐らくは、それは彼らのビジネスではないからである。続きを読む投稿日:2024.03.07
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。