小説 第4次産業革命 日本の製造業を救え!
藤野 直明(著)
,梶野 真弘(著)
/日経BP
作品情報
国内250カ所を超える工場を訪ね歩いてきた製造業コンサルタントである著者らが、危機感の乏しい日本企業に警鐘を鳴らす本邦初の理系ビジネス小説。カムシャフトやエンジン・ケーシングを大手自動車部品メーカーに納めている横浜市の中堅部品メーカー、ケイテックは、ホシダ技研の次期モデルのカムシャフト受注を逃してしまう。それに追い打ちをかけた「事件」が起きる。次世代エンジンに使用する新しい技術をもつケイテックに目をつけたドイツの世界的な自動車部品メーカー、ボルツ社から大型商談が舞い込んだのだ。ケイテックは念願の世界進出と意気込むが、調達前資格審査で落選してしまう。生産管理システムが弱点として指摘された。二度にわたる大きなダメージにケイテック二代目社長・藤堂敬介は、大学時代のラグビー仲間である産業用システムインテグレーター、KWエンジニアリング社長・河島健一に相談する。そこで第4次産業革命という日本の製造業の基盤を揺るがす世界的な潮流に目を開かされる。藤堂は、世界的なメーカーの生産ラインを手がける福岡市の浦田機工・浦田理恵社長に助けを求めた。ケイテックをデジタル化・サービス化を梃子に大改革する藤堂敬介の果敢な挑戦が始まる。――
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この作品のレビュー
平均 3.7 (6件のレビュー)
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第4次産業革命というタイトルに惹かれて読んだが想像していた内容と違った。産業革命以降ある特定の(先進国の)暮らしが豊かになると同時にエネルギー、環境、格差の問題が深刻になってきたが、今ここで人類の選択…肢は大きく3つ。①問題をフェイクだと否定し、これまでのように資本主義を突き進むか(トランピズム)、②SDGsやESG投資に代表されるような、問題解決と経済発展の両立を目指すグリーンニューディール的な立場、③両立できないとして先進国の経済発展はあきらめ、その分を発展途上国へ回す極左急進派と言われる立場、モノヅクリ企業に携わる身としては②でありたいが、そのヒントを見つけるために本書を手に取った。
しかし、本書はそういったマクロな議論を展開するのではなく、日本の製造業が抱える問題と進むべき方向性を述べたものであった。要約すると、これまで人間の経験や勘、摺り合せに頼ってきたところを第4次産業革命ではIoTやAIを活用して形式知、組織知化することで発展途上国でも容易に先進国に追いつくことができるようになること、これまでの産業革命の歴史はつねに機械が人間に勝利してきたこと、日本が優れていた巧みの技や現場の強さがそれに固執しすぎると機械に敗北し、逆に弱点になり得ることが課題であると述べており、未だ優位であるうちに早くその巧みの技を形式知化してAIにはできない次の進んだ技術を巧みが開発してそれをまたIoT、AIで自動化させて常に差別化していかなければならないことなどが記載されている。
なるほど、これは少し異なる点はあるものの、TPSと狙っていることは同じであった。ラインをセンシングしてネットを通してデータを送り、AIで解析してまたネットで指示を送り修正する、IoT技術とAIを駆使する。物と情報の流れからムダを明確にしてそれに対して手を打つ。同じではないか。
但し、誤字がいくつか散見されたのが少し残念ではあったが、勘違いから読み始めたものの新しい気づきを得た1冊であった。続きを読む投稿日:2020.12.31
・インダストリー4.0を調べて次のことを理解すること
生産プロセスと生産プロセス管理の仕組み、具体的には、ITや組織構成、役割や権限、社内ルールを整えて、ERP、MES、PLM、プロジェクトスケジュー…リング、製造IoT
・第四次産業革命の本質は、CPSにより製造業のサービス化を加速するための産業政策としての、国際標準化活動
->インダストリー4.0は、事業の成長機会を失わないために、グローバルな事業展開を簡単にできる仕組みを構築すること。
例えば、外国の企業では調達先を選定するときに、「グローバルに生産技術が移転できるか。生産技術の形式知化、モデル化、システム化ができているか、海外展開ができるだけのマネジメント力があるか」等が見られる。
・日本でもERPの導入は進んできたが、大半は経理システム、会計システムとしての活用に留まっている。現場には口出しするなという考え方が根強く、製造部門ではERPが導入されていない。
一方海外では、中小企業でもERPの活用は一般的で、この製造部門のERPの導入遅れが、日本の海外展開への障壁になっている。
・QCD全体のバランスを見て、次の①〜④を可能にするのが、製造の統合管理、またCPSの発想である。これこそがスマートファクトリーである。
①製造ライン設計における、基礎的な数字や考え方が組織的に整理されているか
②ラインの設備設計や設備投資の規模を短期間で見積もることができるか
③完成した工場が、当初の目論見と異なるとき、何が設計時の思想と違い、どこを改善すればいいのかがわかるか
④品質問題が発生したとき、その対処法とそれに付随する他工程への影響を考えられるか
・なぜスマートファクトリーを実現するのか?
1.自社の製造に関わるあらゆる知識体系の整理、形式知化による組織知の形成
->海外への技術移転が容易になる。さらなる改善ができる。
2.PLMの実現
->製品の企画、設計から製造プロセス設計、生産活動までに対して、ボトルネック工程、データの蓄積方法、販売後のアフターケア等、ライフサイクル全体の事情を製品設計に反映させる。
3.ビジネスモデルの変革
->例えば工場内だけでなく、外側とネットワーク接続できれば、顧客の要望通りのカスタマイズした製品を短期間で作ることができる。
また、製造ノウハウそのものをサービスとして提供するビジネスもある。(シーメンス、ボッシュ等)
4.匠の技術の数値化
->目に見えない知的資産をデジタル空間に資産化することができる。それにより、「いかに人件費が安い国で生産できるか」というテーマから、「いかに機械を上手に使うか」というテーマに変化する。続きを読む投稿日:2023.03.22
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