芸人式新聞の読み方
プチ鹿島(著)
/幻冬舎文庫
この作品のレビュー
平均 4.8 (4件のレビュー)
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「芸人式新聞の読み方」は「相対式新聞の楽しみ方」でした。東京ポッド許可局で知ったプチ鹿島は時事芸人を自称するだけあってかなりディープな新聞の読み手、そんな彼が一貫して主張するのは嗜好品としての新聞です…。ストリーミングの時代のLP、とか加熱式タバコに対してのシガーバー、とか電気自動車とは真逆のクラシックカーレース、とか富裕層のおじさま的な嗜み領域に日々の新聞も突入か?中央5紙プラス東京地方紙としての東京新聞を読み、スポーツ新聞も一通り目を通し、さらにはゲンダイ、ブジ、東スポの夕刊紙まで網羅する読みっぷり!さすがにお金と時間が無いと出来ない楽しみ方にも思えます。しかし、新聞が贅沢品と言っている訳でもありません。ジャーナリズムという言葉がなんとなく持っている「正しい」「正しくない」と正義を振りかざすような絶対性ではなく、それぞれの立場からのフィルターのかかった情報を楽しむ、メディアリテラシーの育成のススメ、でもあります。そういえば最近では朝日は「桜を見る会」のことをバンバン書くし読売はなるべく触れないようにしている現象もそれぞれの新聞の立場、もしくはキャラを理解すればメチャ楽しめる、ということを言っています。そういう意味で各新聞のキャラ分析も当たっている!と思いました。特に東京新聞の「問題意識の高い下町のおじさん」はツボにハマりました。でも…こういう相対的なスタンスが「真実の終わり」状態を作るのかな、と要らぬ心配もしてしまいました。「2050 年のメディア」の後は、また新聞系読書でした。続きを読む
投稿日:2019.12.09
このレビューはネタバレを含みます
ダースレイダーさんとやってるYoutube「ヒルカラナンデス(仮)」でプチ鹿島さんを知り、面白い人だなーと思って手に取った本。
レビューの続きを読む
いやー、すげー面白かったです。
私は普段新聞は全く読まない。
ただ、…ネット記事は読む。ただし、特にネタ元がどの新聞かは意識したことはない。
理由は単純で、新聞読まないからどの新聞がどんなスタンスなのかがいまいちわからないからだ。たいして興味もないし。朝日が反政権で、読売が政権寄りくらいは知ってたけど。
そんな中、この本読んでかなり各新聞社がイメージできた。
以下の擬人化が秀逸である。
読売新聞:ネベツネ
産経新聞:いつも小言を言ってる和服の(ネトウヨ)おじさん
朝日新聞:高級な背広を着たプライド高めなおじさん
毎日新聞:書生肌のおじさん
東京新聞:問題意識が高い下町のおじさん
日経新聞:現実主義のビジネス一筋おじさん
このキャラを頭に入れた上で、この記事はどこがネタ元か?を考えるとたしかに面白く記事が読めそう。
あと、朝刊スポーツ紙と夕刊紙も全然知らなかったから、「なるほどな-」と思いながら読ませてもらった。ただ、朝刊スポーツ紙は読もうと思わないな・・野球も芸能人も全く興味ないので。違いがわかったのは良かったけど。
夕刊紙はキャラ立ちしてて良い。
東スポは昔は人面魚とか面白いネタがあったけど、そっか、今はあーいったネタはNGなのか。。ツマラナイな。コンプライアンスとかポリティカル・コレクトネスとか、この本でも指摘されてたけど、「不寛容」になった結果だろうな。。
「毎日真剣に怒ってるおじさん」=「ゲンダイ師匠」のキャラがすげー好き。
今後、日刊ゲンダイの記事は注目してみてみよう。
プロ野球席に例えるのもわかりやすくて良い。
一塁(ホーム)側が「読売」「産経」で、三塁(アウェー)側が「朝日」「毎日」「東京」。わかりやすい構図。
ただ、最近のスクープは、黒川氏の麻雀賭博も含めて「週刊文春(文春砲)」だ。なんか、スクープはすべて文春に持っていかれてる気がする。立場を知ると面白くなるし楽しめるのは良いのだけど、そもそも各新聞社は、極と極で罵り合っているだけで、メディアの役割は果たしているのだろうか?
しかも、本来批判しなくてはならない政権・官僚とはベッタリのまま。記者クラブもいまだに温存されている。
この本で「中間層」が薄くなってきているとあったが、その原因の一翼は間違いなくこれらメディアにもある。
私としては、この本で知った立場を楽しんでネタを観つつも、メディアに対しては常に批判的な立場であり続けようと思う。メディアは民主主義の要なので。続きを読む投稿日:2020.05.28
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