ドラゴンランス<5 聖域の銀竜>
マーガレット・ワイス(著者)
,トレイシー・ヒックマン(著者)
,安田均(訳者)
/KADOKAWA
作品情報
第5巻では、怒り狂ったドラゴン卿を乗せたブルー・ドラゴンが、タニスら一行を乗せた海賊船に襲いかかる。果たして船は〈鮮血海〉の大うずに引きずり込まれ──。発覚するタニスの裏切り、仲間を見殺しにして去るレイストリン、ついに死を覚悟する一行・・・・・・そして明らかになる"〈大審問〉で双子を襲った衝撃の事件"とは? 戦乱の鍵を握る〈緑宝石の男〉ベレムの謎、そしてパランサスの大図書館で深まるレイストリンの謎とは? 善竜たちはなぜ消えたのか? ドラコニアンはいかにして誕生しているのか? ──多くの謎の解明を進めながら、善竜たちの飛来、そして最凶のドラゴン卿アリアカス、死の騎士ソス卿の登場を経て、ストーリーはいよいよクライマックスへと加速する。"「では、これでそなたの旅は終わりだな、わが旧友よ」アスティヌスは無感情に言った。レイストリンが頭を上げ、金色の眼に熱病めいた光が点った。「あなたはやはりぼくをご存じなんだ! ぼくはいったい誰なんです?」レイストリンはアスティヌスに迫った・・・・・・"
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商品情報
- シリーズ
- ドラゴンランス
- 著者
- マーガレット・ワイス, トレイシー・ヒックマン, 安田均
- 出版社
- KADOKAWA
- 書籍発売日
- 2002.08.30
- Reader Store発売日
- 2019.02.23
- ファイルサイズ
- 12.2MB
- シリーズ情報
- 全25巻
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この作品のレビュー
平均 3.5 (4件のレビュー)
-
遂に参戦した善竜たちによりパラサンス攻防戦は騎士団の勝利に終わる
だが戦いを勝利に導いた黄金の将軍ことローラナは暗黒のレディキティアラの謀略により囚われてしまう
再会を果たした一行に力を手にしたレイ…ストリンの姿はなく子を宿したゴールドムーンと夫リヴァーウィンドをパラサンスに残し僅かに5人となって再び旅立つ
敵の本拠地ともいえる〈暗黒の女王〉の神殿へ
永遠の男ベレムの持つ力とは?!
ハーフエルフのタニスは無事ローラナを取り戻せるのか?!
二つの道に分かれてしまった双子の運命は?!
そして物語はクライマックスへ!
ババーン!
(感想なし)
そして来月、お盆にむけて
「森沢明夫さん強化月間」にするか「小野寺史宜さん強化月間」にするか「辻村深月さん強化月間」にするか思案中
ババーン!
(関係なし)続きを読む投稿日:2022.07.05
できるだけ、ネタばれ無しで書こうという、無謀な試みをしたいため(あるいは悪あがきともいう)、ここからは、前巻までのあらすじも無しにします。
本巻において、まず印象的だったのは、本来、誇らしく晴れやか…な地位にある者の、外面と内面が一致していない事であり、そこには本来、誰よりもクリンの世界の為にしている筈なのに、裏にはそれを操っている者がいるということで、ファンタジーなのだが、こういう所はリアルなのである。
しかし、読んでいる側からすれば、そうした裏の素顔と知られざる葛藤を知ることで、外見からは決して分からない、真の偉大さを実感するのである。しかも、他の事情も重なり、もう全てを投げ打って逃げ出したいだろうに。まだ半年ですよ、初登場してから。けれども、その貢献は、ある種族に対する人間の印象を大きく変えてくれた。
それから、兄弟の絆のあり方も印象的で、上位魔法の塔での出来事が次第に明らかになっていったのは、ある意味複雑な気持ちになり、この兄弟については、どれだけ読み続けていても謎であるし、ティカがいなかったら、今頃どうなっていたのかと思うと、怖い気もする。
また、兄弟といえば、もう一組あり、こちらは静かな感動を呼び覚まされるようで印象的だった。
おそらく、今回の冒険が無ければ、一生仲違いしたままだったのかもしれない。それくらいの深い溝があるのも、愛ゆえの怒りだったのだが、それが愛ゆえの共感へと変わっていったのを見ていると、やはり、愛って素晴らしいものなんだなと、改めて実感させられる。
そうそう、今回久しぶりに、フリントとタッスルの掛け合いを見られて、楽しかったな。やはり、この二人はこうでなくっちゃ。大局的な展開へ進んでいく中での、微笑ましい(!?)やり取りは、戦闘よりも印象に残るし、タッスルは盗賊だからといって、決してなめてはいけない存在なのも再実感できて、今回でいったい、何度、仲間の危機を助けてきたのだろう。私の中で、影のMVPは間違いなく彼だと思う。
そして、一行のリーダー、タニスである。
おそらく本巻から読むと、何故、こんな男がリーダーなのかと思うかもしれないし、これについては、人それぞれの意見があると思う。
しかし、それでも私は彼がリーダーであることに、何ら異存はない。何故なら、彼の気持ちが分かるからである。
ハーフ・エルフというだけで、周りの視線は、まるで化け物を見るかのようであり、望むべくもなく、天涯孤独となってしまった彼の心中は、果たして如何ばかりだったのであろうか? それは本人にしか分からず、そんな中でも、彼は彼自身の中で、決して堕ちてはいけない線を定めていて、それを必死で越えないようにしている姿に、私は惹かれるのかもしれない。
とは言いつつ、今回の彼の苛立ちや無礼な言動の数々には、最初こそ何故と思ったが、それだけの思いにさせる、彼の中で枯渇していたのは、やはり愛なのであった。愛とは時に個人的なものであり、それを責める権利を、いったい誰が持つというのか。
なんて、色々書いてきたが、仲間たちは私以上に、彼のことをよく分かっているようで、そこには、最初のソレースでの騒動から彼の人柄を見ているからこそ、自分の部族にしか心を開かなかったケシュ族の二人も、決して尽きることのない友愛を彼に持ち続けてきたのであろう。そんなエピソードがあったからこそ、本巻の最後がまた感動的に映る。
そう、希望の炎は常に燃えつづけ、闇を照らしながら、朝の訪れを待つだろう。
残されたのは、三週間の猶予。
全ての鍵を握るのか? 緑宝石の男を連れて、タニス達冒険者一行は、目的地を目指し旅立つ。
レイストリン、あなたはいったい何者なの?
最終巻に続く。続きを読む投稿日:2023.01.20
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