ドラゴンランス<4 尖塔の青竜>
マーガレット・ワイス(著者)
,トレイシー・ヒックマン(著者)
,安田均(訳者)
/KADOKAWA
作品情報
第4巻では、戦争の命運を決する要害の地パランサスを防衛する要所〈大司教の塔〉に、強力なブルー・ドラゴン軍が襲いかかる。圧倒的な戦力の差、そして騎士団の内部分裂──危機的な状況を打開すべく、スタームは単身、ドラゴン卿の騎竜スカイアとの絶望的な戦いに臨むが・・・・・・。明らかになるドラゴン・オーブの驚異の能力、そしてドラゴン卿に捕らわれたタニスの運命は?──各々が自らの存在をかけた苦悩を生き抜く中、一行はかつてない試練、そして悲劇に見舞われる。
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商品情報
- シリーズ
- ドラゴンランス
- 著者
- マーガレット・ワイス, トレイシー・ヒックマン, 安田均
- 出版社
- KADOKAWA
- 書籍発売日
- 2002.07.31
- Reader Store発売日
- 2019.02.23
- ファイルサイズ
- 4.5MB
- シリーズ情報
- 全25巻
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この作品のレビュー
平均 3.8 (5件のレビュー)
-
《前巻までのあらすじ》
タルシスで、タニス側とローラナ側の二手に分断された冒険者一行は、戦争終結の鍵を握るドラゴンオーブを、それぞれ手に入れ、更にドラゴンランスを創りだせる希望も見出せて、順風満帆かと…思いきや…
4巻は、シリーズで最も戦闘シーンの少ない巻だと思うが、それでも物語の素晴らしさを実感できるのは、単に剣と魔法だけがメインのファンタジーではなく、現実世界へのメッセージや、善悪に留まらない人間の不確かさや、種族を越えた篤く気高い友情の普遍性を教えてくれるからである。
まずは、タニス達一行だが、金銭的な問題により、「赤い魔術師の大幻術団」を結成して、しばらくエンタテインメントショーを展開するのだが、これが、普段あまり前に出ない、レイストリンが中心となっている点に、番外編的な楽しさがあって好き。ティカの踊りがうまくいったと思うと、次はキャラモンにもパフォーマンスを要求したり、ゴールドムーンの申し出を上から目線で思案したりと、表向きの辛辣な言葉はともかく、なんだか楽しそうだなと思ってたら、意味深な台詞が。
『それでも、この数週間は、本当に平和な日々だった。幸福な日々だった。もう二度とこんな日々はこないだろう。ぼくがなすべきことをしてしまったあとでは』
あ、それと、タニスについては、5巻での彼の発言を楽しみにしよう。
一方、ローラナ達一行は、ギルサナスがとある使命で抜ける中(このゲームブック昔読みました)、タッスルホッフはフィズバンとともに、「ホワイト・ストーンの会議」に参加するのだが、ここでの彼の行動がまた印象的というか、衝撃的だけれど(生まれて以来、何ひとつ恐れたことのないタッスルが恐怖で震えはじめた)、内心よくやったという思いとともに、これは彼女の存在を否定されたことに対する、彼の優しさがそうさせたのである。
『つまり』
『ぼくたちの闘う相手はドラゴンなんだ。お互い同士じゃないはずなんだ』
ここで改めて明らかにされるのは、ソラムニア騎士団の現在のありさまで、それは悲しくも、権力欲に囚われ、名誉あるかつての友愛精神は腐敗し、ただの抜け殻になり果てており、そこに『典範』という、融通の利かない柔軟性に欠けたものの存在する結果、まさに堕ちた騎士団となり果ててしまった。
また、未だ騎士ではない、スタームは、今までの人生をすべて、『掟(わが名誉はわが命)』と『典範』に拠ってきたが、それでも他の騎士とは違って、状況に応じて、何を優先すべきなのかを判断できる客観性があり、彼の行動は、時に拘りの強さが目立つことはあっても、肝心要の、思いやる気持ちと、愚直なまでの直向きさだけは、どの騎士よりも勝っており、しかも彼自身、それは、タニスたちみんなのおかげであって、彼らがスタームに、世の中を見るには様々な視点があることを教えてくれたと思っている、その気高さこそ、彼を見た目だけでなく、生き方そのものが騎士たる所以であり、今回晴れて、汚名も返上され騎士叙爵を受けたのも、そうした長い苦しみがあったので、とても感動的であった(彼の涙はかつての父と重なるものがあった)。
そして、舞台は「大司教の塔」において、ドラゴン軍との防衛戦となり・・・かつて読んだときはさすがにだったが、今の歳で読むと筋書きが分かっていても、いや、分かっているからこそ、どうしても目頭が熱くなる。しかも、当事者ではなくて、周りの反応でも泣けるのだから、私も相当な入れ込み具合なのだろう。しかし、これは辛すぎる。
『暗い道と明るい道』
『おまえにはその暗い道を歩ける勇気がある』
タッスルホッフが捧げた、小さな白い羽毛には、彼自身の大いなる決意があり、一本の木を蘇らせた、あの宝石の輝きには、希望があり続けていることを教えてくれる。
ほかのものはみな失せてしまった。
理想も、希望も、夢も。
人生のあらゆるものは無意味だった。
だが・・・
それでも前に進むしかないんだ。
5巻に続く。続きを読む投稿日:2022.12.18
諸事情により12作連続でレビューを書いている最中のひまわりめろんでございます
うーんレビューは読んだらすぐに書かないとやっぱダメですね
書こうと思ってたこと忘れちゃうわやっぱり
まあもともと大したこと…書いてないんでいいんですけどね(いいんかい!)
ドラゴンランスはいよいよ佳境へ!続きを読む投稿日:2022.07.03
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