【文庫版】小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない
大沢在昌(著者)
/角川文庫
作品情報
エンタメ小説界のトップを走り続ける著者が、作家になるために必要な技術と生き方のすべてを公開。十二人の受講生の作品を題材に、一人称の書き方やキャラクターの作り方、描写のコツなど小説の技術を指南。さらにデビューの方法やデビュー後の心得までを伝授する。文庫版特別講義ではweb小説やライトノベルを含めた今の小説界を総括。いかにデビューし、生き残っていくかを語り尽くす。エンタメ系小説講座の決定版!※本書は、単行本『小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない』に掲載された「第二部 受講生作品講評」を未収録とし、「特別講義 大沢在昌&編集長座談会」「新人賞リスト」「文庫版あとがき」を新たに収録した文庫版です。
もっとみる
商品情報
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.0 (9件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
作家志望者はまずこれを読め!
レビューの続きを読む
今、〈ミステリーズ!〉(東京創元社)という雑誌で、『料理を作るように小説を書こう』という連載をやっています。小説を書くことを料理にたとえて、僕がこれまでに蓄えてきた執筆のテクニックをいろいろ紹介していこうというものです。
その執筆を開始する前に、他の作家さんはどういう風に小説を書いているのかなと、小説指南本を何冊か読んでみたんです。プロ作家の書いた本、限定で。
というのも、プロの作家でもない人や、ぜんぜん売れてない人が書いた「作家になる方法」とか「売れる本を書く方法」という本が、けっこうたくさんあるんですよ。そんなの、信用できないじゃないですか。だったらまずお前がやってみせろと(笑)。
だからプロ作家の本、限定。
その中で最も共感したのが、この大沢在昌『小説講座 売れる作家の全技術』(角川書店)でした。ベストセラー作家の大沢在昌氏が、12人の作家志望者に小説の書き方をレクチャーするというもの。精神論は最小限で、とにかく実戦的。プロ作家の体験に基づくテクニックや、作家になるための心構えなど、役に立つことばかり書かれています。
同じ作家として言わせてもらえば、大沢氏がこの中で言っていることのほとんどは、まったくその通りで、ケチをつけるところが見当たりません。読みながら、「ああ、それってあるある」とか「へえ、大沢さんもやっぱりそういうことを考えながら書いてるのか」とか、共感することが何度もありました。
僕の場合、ここに書かれていることの多くは、普段から意識して実践していたり、あるいは無意識のうちにやっていたことばかり。だから僕にとってはあまり役に立たなかったんですけどね(笑)。でも、「プロ作家になりたい」とか「もっと小説が上手くなりたい」と思っているアマチュア作家の方々には、絶対におすすめです。
というのも、プロ作家には常識であることでも、一般に知られていないことがけっこう多いんです。小説を書くために、まずそういったことを知らなくちゃいけない。
参考書のように、要点が赤い字で印刷されているのも分かりやすいです。いくつか引用すると、
自分の日本語力を疑うこと
当たり前のように思えるかもしれませんけど、自分の日本語力を疑わない人って多いんですよ! 僕はいつも国語辞典を手元に置いて、使い慣れない言葉は必ず調べてから使うようにしています。それでも校閲で言葉の誤用を指摘されることはしょっちゅうあります(笑)。
物語が膨らもうとしているときには、緻密すぎる設計図はむしろマイナスに働く
はいはい、僕も小説を書く前に緻密なプロットは立てません。書いてる途中で必ず、「ここはもっと膨らませるべき」とか「こっちの方向に進んだ方が面白い」という部分が出てきますから。大雑把にプロットを立てて、後はアドリブで展開した方が絶対にいいです。
キャラクター作りとストーリー作りは、どちらが先でどちらが後ということではなく、常にリンクしている
これも作家にとっては当たり前なんだけど、けっこう多くの人が気づいてないんですよね。「キャラクターかストーリーか」なんて二者択一で論じている人を見ると、「何で?」と不思議に思ってしまいます。ストーリーを引き立たせるためにキャラクターがあり、キャラクターを引き立たせるためにストーリーがあるのに。
他にも、
「主人公に残酷な物語は面白い」
読者を冷静にさせてはいけません。
頭の中に自分だけの映画館を持って、そこで物語を上映してみる。
などなど、 本当に役に立つことばかり。
テレビでよく見る作家でちゃんと小説も書いているという人はとても少ない。
なんて、うん、確かにその通りなんだけど、それ言っちゃっていいの?(笑)
読むことが好きで好きで読み過ぎて、そこから今度は書きたいという気持ちに転換した、そういう自分を自覚している人でなければ作家にはなれない。
その通りです。好きだからこそ作家になれるんだし、好きだからこそ続けられる。「作家ってなんか楽して儲けられそうじゃん♪」なんて軽い気持ちでこの世界に飛びこんだ人は、後で苦労しますよ。小説が好きで書いてても苦しいのに、好きでない人がこの仕事を選んだら、どれほど苦しいか。
大沢氏も書いていますが、今、出版業界は大変な不景気で、ごく一部の人気作家以外は初版部数がかなり絞られています(僕もスニーカー文庫で書いてた頃に比べると半分以下になっています)。だから新人作家は、食っていこうとすると休みなしに書き続け、年に何冊も本を出さなくちゃいけません。当然、売れなくなったらおしまい。他に本職を持ってる人はまだいいんですが、フルタイムの作家なら、そこで野垂れ死にすることになります。ものすごくリスキーな職業なんです。
作家になりたいなら、そういう苦労や危険を背負う覚悟をすべきでしょうね。投稿日:2023.10.28
いくつかためになる箇所はあったものの、実作者の指南本は、どうも……と思うところもなくもない。自分が今求めているのは体系的な知識だなと思った。
投稿日:2023.10.21
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。