定年まで待つな!
成毛眞(著)
/PHPビジネス新書
作品情報
AI時代到来、「ゆとり世代」の台頭、老後不安・・・・・・。40代、50代のミドルエイジを取り巻く環境は、今後いっそう厳しくなる。しかし、下を向いていてはいけない。これまであなたが培ってきた経験やスキルは、少し視点をズラしたり、活かす場所を変えるだけで、唯一無二の「稼ぐ力」になる。活躍のフィールドは会社だけとは限らない。キーワードは「地方」と「海外」だ。本書では、転職、副業、起業するうえで抑えておきたい、著者ならではの思考術を余すことなく公開。 〈本書の内容〉●第1章 老後に野垂れ死にたくなければ、一刻も早く会社を去れ ●第2章 スキルアップする暇があったら地方に飛び込め! 一発逆転の転職術 ●第3章 語学は後回しでいい。さっさと海外で働いてしまえ ●第4章 会社を辞められないなら、一つの趣味に全精力を傾けよ ●第5章 勤めながらでもOK! 超速で自分の会社を設立せよ ●第6章 自分を縛りつける「壁」を壊して、賢く生きろ
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商品情報
- シリーズ
- 定年まで待つな!
- 著者
- 成毛眞
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHPビジネス新書
- 書籍発売日
- 2018.09.18
- Reader Store発売日
- 2018.09.28
- ファイルサイズ
- 0.5MB
- ページ数
- 200ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.3 (42件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
私にとって著者はHONZの主催者というイメージが強く、よくお薦め本を読んでいることもあり、著作も気になり読んでみた。
レビューの続きを読む
ちょうど自分も40代後半になりサラリーマン人生に限界を感じてきていたこともあり、本書は非常に参考になった。が、本書だけでなく、よく言われることだが、読んで満足することなく行動に移さないと意味がないということを肝に銘じておきたい。
そのうえで、転職のためにもスキルアップしたりする準備よりも具体的な行動が重要であることを主張されている。
異業種の地方中小企業や東南アジア等の海外への転職や、趣味が高じたサイドビジネスとして盆栽など「育てること」や国内にまだ入ってきていない海外商品の転売など提案している。その際に、法人格を取得しておくことが重要。
普段からアンテナを高くして、何かビジネスになるヒントがないかを想像し、またSNS等で常に情報発信を心がけることで情報収集する土台をつくっておきたい。
・すくなくとも転職をするための学び直しは、ほとんど無意味といっていい。何を学び直そうが、転職にはまったく役に立たないからだ。
・論理的思考やフレームワークを使った分析のようなビジネススキルにしても、ほかの人との差別化にはまったくつながらないし、現場でも大して役に立たない。スキルなどというのは、所詮、世の中がつくった幻想にすぎないのである。そんな幻想を求めて、ミドルエイジがわざわざ限りある時間を費やして、ビジネススクールに通うのは、じつにもったいないことだ。
・国内のビジネススクールに通ったところで、できるつながりは日本人だけだ。それなら、わざわざ通わなくても、気の利いたバーや飲み屋に通って常連になれば、同じように、友達は見つかると思う。しかも、安いし、時間も短くて済むし、それなりの店なら、ビジネスの第一線で活躍しているような人と知り合うことも珍しくない。そう考えれば、ますますスクールに通う必然性はなくなってくるだろう。
・ビジネススクールも、セミナーも、オンラインサロンも、すべてに共通するのは、結局は、何もしていないのに、何かしているように錯覚してしまうことだ。
・MBAも資格取得も意味かないとしたら、転職時にアピールできることは、これまでの仕事の実績ということになる。自分には大した仕事の実績もないから、何をアピールすればいいかわからない。そう悩む人は多いだろう。しかし、悩む必要は全くない。大した実績がなくても、転職に成功することは十分可能だからだ。
・その方法は至極簡単なこと。仕事を「ダウングレード」すればいいのである。具体的に言えば、いま勤めている会社より、規模の小さな会社、都心ではなく地方の会社に、あえて狙いを定めて、転職するのである。おすすめは、経営者が年老いていて、若い後継者どころか、中堅社員がほとんどいないような会社だ。地方でよくみかける中小企業である。
・後継者もミドルエイジもいないような会社は、赤字続きで、明日にも倒産するイメージがあるかもしれないが、現実はまったく違う。廃業する中小企業の5割は黒字経営で、後継者がいないために、やむなくつぶれているのである。じつに残念でもったいない会社なのだ。
・企業経営なんて自分にはできないと思うかもしれないが、最近は無料で経営指導してくれる自治体も増えている。とくに地方自治体は税収を確保するために必死だから、地元企業に入り、立て直しを図ろうとする意識の高いビジネスパーソンがいたら、喜んで全面サポートするだろう。そうした支援を上手に活用すれば、「素人経営者」でも十分やっていけるはずだ。
・商品力があるにもかかわらず、地元以外では、日の目を見ていない商品はいくらでもある。そういった商品を扱う会社に身を投じれば、千載一遇のチャンスが掴める可能性がある。その確率は、現在の会社に居続けるよりも断然高い、と私は思う。
・多少経営が傾いていたとしても、100年以上の歴史をもつ「老舗の会社」は価値があるからだ。とくに海外の人たちは、歴史がある会社を「信用できる会社」と評価する人が少なくない。100年続いている会社は日本では珍しくないが、海外では少ないので、一目置かれるのである。このような、つぶれかけの老舗に入って立て直すことができれば、いずれ経営を任される可能性が高い。そうなれば、あなたは大きなチャンスを手に入れることができる。
・政令指定都市や郊外ならば、そこまでわずらわしい付き合いはないし、生活インフラも整っているので、都心に住んでいた人でも、比較的ストレスなく暮らすことができる。私が最も無難だと思うのは、「仙台」と「福岡」。
・これまでと同じ業種ではなく、異業種を狙うことも、ミドルエイジが地方に転職する時のポイントといえる。「異業種だと、これまでの経験やスキルが通用しないのでは?同じ業種のほうが安心だ」と心配するかもしれないが、実際には、真逆で、同じ業界への転職のほうが難しい。まったく別の業種なら、「業界の常識にとらわれない人が来た」と重宝される。面接で、「地方創生に挑みたくなった」「本当に喜ばれる仕事をしたいと思った」などと、熱い思いで夢や情熱を語れば、仕事ができずに辞めたと思われることもない。入社した後も、うまくいく可能性が高い。
・よく「異業種に転職すると、これまで働いていた業界の知識が重宝きれる」などといわれるが、残念ながら、ほとんど役に立たないと考えたほうがいい。いまの仕事で使っているビジネススキルは、社外ではほとんど価値がないのである。
・地方の中小企業へ転職するときに、うまくいく人は、どんな人か。実績があろうとも、偉そうにすることなく、自分の知らないことを謙虚に聞ける人。変に機転が利くよりも、愚直さのある人だ。そうした人は、新天地の人たちもとっつきやすいと感じるので、円滑にコミュ二ケーションがとれて、うまくやっていける。そう考えると、大企業出身者よりは、中堅規模の企業に勤めていた人のほうが、なじみやすいかもしれない。また、学歴も中堅レべルの大学を卒業したぐらいが、親近感をもたれやすい。
・転職によって「ダウングレード」する勇気がないというなら、いまの会社で「ダウングレード」するという手もある。本社に勤務しているのならば、あえて、子会社や支社などの「傍流」で働くことを希望するのである。中小企業や子会社は、社員数が少ないので、一代にもなれば、幹部や部門長、工場長のような、「一国の主」のようなポジションを任されるはずだ。そこでの仕事と真剣に向き合い、「どうすれば売れるか」「どうすれば生産性が上がるか」と頭を悩ませながら部門を回していれば、間違いなく経験値が上がり、ビジネスセンスも磨かれる。すると、他の会社でも通用する実力がつき、良い条件の転職ができることは少なくない。
・求人サイトを見ればわかるのだが、じつは、「語学力不問」という求人は少なからず存在する。具体的に言えば、現地の人ではなく、「日本人」を顧客ターゲットにした現地企業や日系企業の現地法人だ。王に日本人客を相手にしている日系レストラン、現地駐在の日本人の子どもが通う日系幼稚園などが、求人サイトで「語学力不問」との触れ込みで、募集をかけていた。
・もちろん、「日本が好きだから、海外では働きたくない」という人はたくさんいると思う。だから、べつに強制はしないが、そうした人でも、一度は、外国で生活することを念頭においたうえで、その国に旅行に行ってみることをおすすめする。
・できたら、1泊、2泊の短期間ではなく、最低でも1週間は滞在したい。その際に、ホテルに宿泊するのではなく、民泊などで短期間アパートメントを借りて、生活の予行演習をしてみるのである。すると、思ったより快適な生活ができると気竹くはずだ。
まず、タイやマレーシア、べトナムといった東南アジア諸国は、生活費が安い。家賃を含めても、月10万円前後で暮らすことができる。ゴルフやマッサージなどの娯楽も安いし、月数万円出せば、ホームヘルパーを雇うことも可能だ。
・いま現在、趣味をもっていないという人は、何を始めればいいか、悩んでしまうかもしれない。「稼げる趣味」と考えれば、なおさら悩むだろう。そこで、稼げる趣味として、私がすすめるのは、「何かを育てる」ことだ。なかでも一押しは「盆栽」だ。
・趣味は何でもかまわないと思うが、成功するためには、いくつかポイントがある。その一つは、ビジネスとしての可能性よりも、「好きなこと」「楽しいこと」を選ぶことだ。自分の好きなことは、大抵の場合、自分に向いているものだ。苦しい、と感じたら続かないからだ。続かないと上達しないし、上達しなければお金をもらうプロ」にはなれない。どの程度やればお金が稼げるようになるのかは、趣味によって異なるが、3000時間も費やせば、ある程度、モノになると思われる。3OOO時間とは、英語の習得に必要だと言われている時間だ。ー日1時間を9年弱行なえば3000時間に到達するから、40代のうちに始めれば、役職定年までには十分間に合う計算だ。
・しかし、仕事や家庭をもちながら、毎日1時間、9年にわたって趣味を続けるのは、かなり大変だ。継続するには、ぼんやりとでもマネタイズすることを考えておいたほうがいいのだが、それだけをモチベーションにしていたら、絶対に続かない。仕事の効率を上げて早く帰ろうという気も起こらないだろう。繰り返すが、好きで楽しめる趣味であることが大前提なのだ。もちろん、やってみないことには、好きなことや楽しいことは見つからない。
・そこでおすすめするのが、最初のうちは並行して、さまざまな趣味にトライしてみることだ。すると必ず、面白い、楽しいと思えるだけでなく、儲けられそ、つな趣味が見つかるはずだ。
・もう一つのポイントは、やはリネットが必須になるということだ。毎日ブログを更新しろとは言わないが、それがきっかけで、マスコミ関係者の目に留まり、一気にブレイクする例は枚挙にいとまかないほどある。ただし、間違ってもブログを書籍化しよう、などという下心はこの段階では捨てるべきだ。いずれにしても無理をせず、自分のべースで情報発信するのかいい。
・サイドビジネスで稼ぎたいなら、他の人がやっていないことをするのが鉄則だ。とはいえ、「他の人がやっていないことなんて、なかなか見つけ出せない」という人は多いだろう。たしかに、「これまで誰もやったことのない新しいビジネスを始める」というのはハードルが高い。
・しかし、「面倒くさくて、他の人がやりたがらない」ということなら、比較的簡単に始められるし、うまくいけば儲けることができる。その典型が、希少価値のあるものを根気よく探して、それを見つけ出し、ヤフオクやメルカリなどで転売することだ。これは面倒なうえ、頑張っても成果が出るかわからないので、多くの人は手を出さない。しかし、そうした隠れた財宝は国内に驚くほど多く存在する。問題は、どんな「希少価値のあるもの」を探すかだが、商売のタネは、手の届くところに、意外なほどたくさん転がっている。
・他の人がやっていないサイドビジネスを見つけ出すには、「海外に目を向ける」のも効果的だ。その一つが、海外の商品を仕入れて、日本で売ることだ。まず、海外の販売サイトやネットオークションなどで、自分が欲しいと思える商品を探し出し、一個だけ購入してみるのだ。自分で試しに使ってみて、良い商品なら、いくつか仕入れて、日本で売ってみればいい。一つ数千円程度の商品ならば、それほど懐も痛まないはずだ。簡単なメールのやり取りだけで、英語力は中学生レべルでも十分。ちなみに海外の商品を売る時のポイントは、英語などで書かれたマニュアルを翻訳し、日本語のマニュアルをつけること。多少の英語力があれば、辞書を使えば、それなりに翻訳できるものだ。そのひと手間だけで、商品が途端に売れ出すことは少なくない。同じ商品を何度も売れれぱ、1回の翻訳で何度も儲かる。
・具体的に何を売ればいいかわからないという人は、海外のドラッグストアに普通に並んでいて、日本にはない商品を選べばよい。海外に住む日本人は当たり前に知っていても、国内に留まる日本人には知られていない商品は無数にある。そういった掘り出し物を見つけるために、海外通の知り合いに聞いたり、ネットサーフィンで調べるのだ。私のおすすめは美容・化粧品関係である。
・海外の商品を扱うにしても、国内の商品を扱うにしても、稼ぐチャンスを少しでも増やしたいなら、やっておくべきことがある。それは、「副業用に、自分の会社を設立すること」だ。なぜかというと、自分の会社をもっていると、国内外の旅行先などで良さげな商材を見つけた時に、「サンプルとしていくつか仕入れたい」と交渉できるからだ。すると、店頭価格よりも安い卸値で、あるいは無料でサンプルを譲ってくれることがある。これは法人格だからできることで、個人事業主では交渉に応じてもらえない。また、日本の場合、個人に卸すと、税務署に脱税の疑いをかけられることがあるので、個人事業主との取引は敬遠されがちだ。
・最近は、1円の資本金で株式会社を設立できるようになり、ハードルはぐっと下がっている。さらに、経営者と出資者が同一の形態をとるLCC(合同会社)にすれば、株式会社よりも初期費用を抑えて、会社を設立することが可能だ。登記の書類を作るにしても、税理士などが余りに余っているので、ネットで募集をかければ安く引き受けてくれる人はすぐに見つかるだろう。会社としての体裁を整えることも、簡単にできるようになった。たとえば、自社のホームべージは、無料の作成ツールを使って立ち上げられるようになっているし、ロゴマークも専門サイトから無料で作成できる。
・これは起業に限ったことではないが、モノを売る会社である以上、売り上げ至上主義を貫いた方が絶対にうまくいく。「マーケティングを重視しよう」「社員を上手く使う」などという意識をもった瞬間に、失敗するのは目に見えている。「モノを売る」というマインドがその会社のすべてなのだから、そこに全神経を注ぐべきだ。何が何でも売ってやるという精神こそ必要であり、「よろしければ買ってください」ではなく、「買ってもらわないと困ります!」と無理やり買わせるぐらいの熱意がないと、この時代モノなど買ってくれないと思ったほうがいい。
・ビジネスの種はそこらじゅうに落ちている。普段から漫然とモノを見るのではなく、「このサービスはまだ誰もやっていないな」「何かと組み合わせたらイケるかもしれない」と、ぼんやりとでもいいから想像を膨らませ、世の中を眺めることが大事だ。家族や恋人と出掛けるときこそ絶好のチャンスである。1人だったら行かないカフェや雑貨屋に付いていけば、何かビジネスのヒントが得られるかもしれない。
・「自分は大した情報をもっていない」と思っている人は多いようだが、気付いていないだけで、じつは誰でも、異業種の人が聞くと面白い話をたくさんもっているものだ。自ら情報発信すると、相手が思いのほか、面白かってくれる。それを積み重ねていると、どんな話がウケるかが次第にわかってくる。ついでにユーザー視点も学べ、アナログのマーケティングも知らないうちにできてしまう。積極的な情報提供は、一石二鳥どころではないリターンが期待できるのだ。
・ビジネス書を読んで満足する人は少なくないが、行動に移さなければ、何も始まらないのだ。海外への転職サイトをのぞいてみるのもよし、盆栽を一つ買ってくることでもよいので、まずは第一歩を踏み出していただきたい。私にとって著者はHONZの主催者というイメージが強く、よくお薦め本を読んでいることもあり、著作も気になり読んでみた。
ちょうど自分も40代後半になりサラリーマン人生に限界を感じてきていたこともあり、本書は非常に参考になった。が、本書だけでなく、よく言われることだが、読んで満足することなく行動に移さないと意味がないということを肝に銘じておきたい。
そのうえで、転職のためにもスキルアップしたりする準備よりも具体的な行動が重要であることを主張されている。
異業種の地方中小企業や東南アジア等の海外への転職や、趣味が高じたサイドビジネスとして盆栽など「育てること」や国内にまだ入ってきていない海外商品の転売など提案している。その際に、法人格を取得しておくことが重要。
普段からアンテナを高くして、何かビジネスになるヒントがないかを想像し、またSNS等で常に情報発信を心がけることで情報収集する土台をつくっておきたい。
・すくなくとも転職をするための学び直しは、ほとんど無意味といっていい。何を学び直そうが、転職にはまったく役に立たないからだ。
・論理的思考やフレームワークを使った分析のようなビジネススキルにしても、ほかの人との差別化にはまったくつながらないし、現場でも大して役に立たない。スキルなどというのは、所詮、世の中がつくった幻想にすぎないのである。そんな幻想を求めて、ミドルエイジがわざわざ限りある時間を費やして、ビジネススクールに通うのは、じつにもったいないことだ。
・国内のビジネススクールに通ったところで、できるつながりは日本人だけだ。それなら、わざわざ通わなくても、気の利いたバーや飲み屋に通って常連になれば、同じように、友達は見つかると思う。しかも、安いし、時間も短くて済むし、それなりの店なら、ビジネスの第一線で活躍しているような人と知り合うことも珍しくない。そう考えれば、ますますスクールに通う必然性はなくなってくるだろう。
・ビジネススクールも、セミナーも、オンラインサロンも、すべてに共通するのは、結局は、何もしていないのに、何かしているように錯覚してしまうことだ。
・MBAも資格取得も意味かないとしたら、転職時にアピールできることは、これまでの仕事の実績ということになる。自分には大した仕事の実績もないから、何をアピールすればいいかわからない。そう悩む人は多いだろう。しかし、悩む必要は全くない。大した実績がなくても、転職に成功することは十分可能だからだ。
・その方法は至極簡単なこと。仕事を「ダウングレード」すればいいのである。具体的に言えば、いま勤めている会社より、規模の小さな会社、都心ではなく地方の会社に、あえて狙いを定めて、転職するのである。おすすめは、経営者が年老いていて、若い後継者どころか、中堅社員がほとんどいないような会社だ。地方でよくみかける中小企業である。
・後継者もミドルエイジもいないような会社は、赤字続きで、明日にも倒産するイメージがあるかもしれないが、現実はまったく違う。廃業する中小企業の5割は黒字経営で、後継者がいないために、やむなくつぶれているのである。じつに残念でもったいない会社なのだ。
・企業経営なんて自分にはできないと思うかもしれないが、最近は無料で経営指導してくれる自治体も増えている。とくに地方自治体は税収を確保するために必死だから、地元企業に入り、立て直しを図ろうとする意識の高いビジネスパーソンがいたら、喜んで全面サポートするだろう。そうした支援を上手に活用すれば、「素人経営者」でも十分やっていけるはずだ。
・商品力があるにもかかわらず、地元以外では、日の目を見ていない商品はいくらでもある。そういった商品を扱う会社に身を投じれば、千載一遇のチャンスが掴める可能性がある。その確率は、現在の会社に居続けるよりも断然高い、と私は思う。
・多少経営が傾いていたとしても、100年以上の歴史をもつ「老舗の会社」は価値があるからだ。とくに海外の人たちは、歴史がある会社を「信用できる会社」と評価する人が少なくない。100年続いている会社は日本では珍しくないが、海外では少ないので、一目置かれるのである。このような、つぶれかけの老舗に入って立て直すことができれば、いずれ経営を任される可能性が高い。そうなれば、あなたは大きなチャンスを手に入れることができる。
・政令指定都市や郊外ならば、そこまでわずらわしい付き合いはないし、生活インフラも整っているので、都心に住んでいた人でも、比較的ストレスなく暮らすことができる。私が最も無難だと思うのは、「仙台」と「福岡」。
・これまでと同じ業種ではなく、異業種を狙うことも、ミドルエイジが地方に転職する時のポイントといえる。「異業種だと、これまでの経験やスキルが通用しないのでは?同じ業種のほうが安心だ」と心配するかもしれないが、実際には、真逆で、同じ業界への転職のほうが難しい。まったく別の業種なら、「業界の常識にとらわれない人が来た」と重宝される。面接で、「地方創生に挑みたくなった」「本当に喜ばれる仕事をしたいと思った」などと、熱い思いで夢や情熱を語れば、仕事ができずに辞めたと思われることもない。入社した後も、うまくいく可能性が高い。
・よく「異業種に転職すると、これまで働いていた業界の知識が重宝きれる」などといわれるが、残念ながら、ほとんど役に立たないと考えたほうがいい。いまの仕事で使っているビジネススキルは、社外ではほとんど価値がないのである。
・地方の中小企業へ転職するときに、うまくいく人は、どんな人か。実績があろうとも、偉そうにすることなく、自分の知らないことを謙虚に聞ける人。変に機転が利くよりも、愚直さのある人だ。そうした人は、新天地の人たちもとっつきやすいと感じるので、円滑にコミュ二ケーションがとれて、うまくやっていける。そう考えると、大企業出身者よりは、中堅規模の企業に勤めていた人のほうが、なじみやすいかもしれない。また、学歴も中堅レべルの大学を卒業したぐらいが、親近感をもたれやすい。
・転職によって「ダウングレード」する勇気がないというなら、いまの会社で「ダウングレード」するという手もある。本社に勤務しているのならば、あえて、子会社や支社などの「傍流」で働くことを希望するのである。中小企業や子会社は、社員数が少ないので、一代にもなれば、幹部や部門長、工場長のような、「一国の主」のようなポジションを任されるはずだ。そこでの仕事と真剣に向き合い、「どうすれば売れるか」「どうすれば生産性が上がるか」と頭を悩ませながら部門を回していれば、間違いなく経験値が上がり、ビジネスセンスも磨かれる。すると、他の会社でも通用する実力がつき、良い条件の転職ができることは少なくない。
・求人サイトを見ればわかるのだが、じつは、「語学力不問」という求人は少なからず存在する。具体的に言えば、現地の人ではなく、「日本人」を顧客ターゲットにした現地企業や日系企業の現地法人だ。王に日本人客を相手にしている日系レストラン、現地駐在の日本人の子どもが通う日系幼稚園などが、求人サイトで「語学力不問」との触れ込みで、募集をかけていた。
・もちろん、「日本が好きだから、海外では働きたくない」という人はたくさんいると思う。だから、べつに強制はしないが、そうした人でも、一度は、外国で生活することを念頭においたうえで、その国に旅行に行ってみることをおすすめする。
・できたら、1泊、2泊の短期間ではなく、最低でも1週間は滞在したい。その際に、ホテルに宿泊するのではなく、民泊などで短期間アパートメントを借りて、生活の予行演習をしてみるのである。すると、思ったより快適な生活ができると気竹くはずだ。
まず、タイやマレーシア、べトナムといった東南アジア諸国は、生活費が安い。家賃を含めても、月10万円前後で暮らすことができる。ゴルフやマッサージなどの娯楽も安いし、月数万円出せば、ホームヘルパーを雇うことも可能だ。
・いま現在、趣味をもっていないという人は、何を始めればいいか、悩んでしまうかもしれない。「稼げる趣味」と考えれば、なおさら悩むだろう。そこで、稼げる趣味として、私がすすめるのは、「何かを育てる」ことだ。なかでも一押しは「盆栽」だ。
・趣味は何でもかまわないと思うが、成功するためには、いくつかポイントがある。その一つは、ビジネスとしての可能性よりも、「好きなこと」「楽しいこと」を選ぶことだ。自分の好きなことは、大抵の場合、自分に向いているものだ。苦しい、と感じたら続かないからだ。続かないと上達しないし、上達しなければお金をもらうプロ」にはなれない。どの程度やればお金が稼げるようになるのかは、趣味によって異なるが、3000時間も費やせば、ある程度、モノになると思われる。3OOO時間とは、英語の習得に必要だと言われている時間だ。ー日1時間を9年弱行なえば3000時間に到達するから、40代のうちに始めれば、役職定年までには十分間に合う計算だ。
・しかし、仕事や家庭をもちながら、毎日1時間、9年にわたって趣味を続けるのは、かなり大変だ。継続するには、ぼんやりとでもマネタイズすることを考えておいたほうがいいのだが、それだけをモチベーションにしていたら、絶対に続かない。仕事の効率を上げて早く帰ろうという気も起こらないだろう。繰り返すが、好きで楽しめる趣味であることが大前提なのだ。もちろん、やってみないことには、好きなことや楽しいことは見つからない。
・そこでおすすめするのが、最初のうちは並行して、さまざまな趣味にトライしてみることだ。すると必ず、面白い、楽しいと思えるだけでなく、儲けられそ、つな趣味が見つかるはずだ。
・もう一つのポイントは、やはリネットが必須になるということだ。毎日ブログを更新しろとは言わないが、それがきっかけで、マスコミ関係者の目に留まり、一気にブレイクする例は枚挙にいとまかないほどある。ただし、間違ってもブログを書籍化しよう、などという下心はこの段階では捨てるべきだ。いずれにしても無理をせず、自分のべースで情報発信するのかいい。
・サイドビジネスで稼ぎたいなら、他の人がやっていないことをするのが鉄則だ。とはいえ、「他の人がやっていないことなんて、なかなか見つけ出せない」という人は多いだろう。たしかに、「これまで誰もやったことのない新しいビジネスを始める」というのはハードルが高い。
・しかし、「面倒くさくて、他の人がやりたがらない」ということなら、比較的簡単に始められるし、うまくいけば儲けることができる。その典型が、希少価値のあるものを根気よく探して、それを見つけ出し、ヤフオクやメルカリなどで転売することだ。これは面倒なうえ、頑張っても成果が出るかわからないので、多くの人は手を出さない。しかし、そうした隠れた財宝は国内に驚くほど多く存在する。問題は、どんな「希少価値のあるもの」を探すかだが、商売のタネは、手の届くところに、意外なほどたくさん転がっている。
・他の人がやっていないサイドビジネスを見つけ出すには、「海外に目を向ける」のも効果的だ。その一つが、海外の商品を仕入れて、日本で売ることだ。まず、海外の販売サイトやネットオークションなどで、自分が欲しいと思える商品を探し出し、一個だけ購入してみるのだ。自分で試しに使ってみて、良い商品なら、いくつか仕入れて、日本で売ってみればいい。一つ数千円程度の商品ならば、それほど懐も痛まないはずだ。簡単なメールのやり取りだけで、英語力は中学生レべルでも十分。ちなみに海外の商品を売る時のポイントは、英語などで書かれたマニュアルを翻訳し、日本語のマニュアルをつけること。多少の英語力があれば、辞書を使えば、それなりに翻訳できるものだ。そのひと手間だけで、商品が途端に売れ出すことは少なくない。同じ商品を何度も売れれぱ、1回の翻訳で何度も儲かる。
・具体的に何を売ればいいかわからないという人は、海外のドラッグストアに普通に並んでいて、日本にはない商品を選べばよい。海外に住む日本人は当たり前に知っていても、国内に留まる日本人には知られていない商品は無数にある。そういった掘り出し物を見つけるために、海外通の知り合いに聞いたり、ネットサーフィンで調べるのだ。私のおすすめは美容・化粧品関係である。
・海外の商品を扱うにしても、国内の商品を扱うにしても、稼ぐチャンスを少しでも増やしたいなら、やっておくべきことがある。それは、「副業用に、自分の会社を設立すること」だ。なぜかというと、自分の会社をもっていると、国内外の旅行先などで良さげな商材を見つけた時に、「サンプルとしていくつか仕入れたい」と交渉できるからだ。すると、店頭価格よりも安い卸値で、あるいは無料でサンプルを譲ってくれることがある。これは法人格だからできることで、個人事業主では交渉に応じてもらえない。また、日本の場合、個人に卸すと、税務署に脱税の疑いをかけられることがあるので、個人事業主との取引は敬遠されがちだ。
・最近は、1円の資本金で株式会社を設立できるようになり、ハードルはぐっと下がっている。さらに、経営者と出資者が同一の形態をとるLCC(合同会社)にすれば、株式会社よりも初期費用を抑えて、会社を設立することが可能だ。登記の書類を作るにしても、税理士などが余りに余っているので、ネットで募集をかければ安く引き受けてくれる人はすぐに見つかるだろう。会社としての体裁を整えることも、簡単にできるようになった。たとえば、自社のホームべージは、無料の作成ツールを使って立ち上げられるようになっているし、ロゴマークも専門サイトから無料で作成できる。
・これは起業に限ったことではないが、モノを売る会社である以上、売り上げ至上主義を貫いた方が絶対にうまくいく。「マーケティングを重視しよう」「社員を上手く使う」などという意識をもった瞬間に、失敗するのは目に見えている。「モノを売る」というマインドがその会社のすべてなのだから、そこに全神経を注ぐべきだ。何が何でも売ってやるという精神こそ必要であり、「よろしければ買ってください」ではなく、「買ってもらわないと困ります!」と無理やり買わせるぐらいの熱意がないと、この時代モノなど買ってくれないと思ったほうがいい。
・ビジネスの種はそこらじゅうに落ちている。普段から漫然とモノを見るのではなく、「このサービスはまだ誰もやっていないな」「何かと組み合わせたらイケるかもしれない」と、ぼんやりとでもいいから想像を膨らませ、世の中を眺めることが大事だ。家族や恋人と出掛けるときこそ絶好のチャンスである。1人だったら行かないカフェや雑貨屋に付いていけば、何かビジネスのヒントが得られるかもしれない。
・「自分は大した情報をもっていない」と思っている人は多いようだが、気付いていないだけで、じつは誰でも、異業種の人が聞くと面白い話をたくさんもっているものだ。自ら情報発信すると、相手が思いのほか、面白かってくれる。それを積み重ねていると、どんな話がウケるかが次第にわかってくる。ついでにユーザー視点も学べ、アナログのマーケティングも知らないうちにできてしまう。積極的な情報提供は、一石二鳥どころではないリターンが期待できるのだ。
・ビジネス書を読んで満足する人は少なくないが、行動に移さなければ、何も始まらないのだ。海外への転職サイトをのぞいてみるのもよし、盆栽を一つ買ってくることでもよいので、まずは第一歩を踏み出していただきたい。投稿日:2019.05.03
このレビューはネタバレを含みます
医療費負担が5割になる。高額療養費制度も縮小・廃止される可能性がある。
レビューの続きを読む
→超少子高齢化社会の日本ではそうなっても驚かない。
会社として体裁を整えることも、簡単にできるようになった。
たとえば、自社の…ホームページは、無料の作成ツールを使って立ち上げられるようになっているし、ロゴマークも専用サイトから無料で作成できる。
→会社を立ち上げる時に使える。続きを読む投稿日:2023.10.22
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