セゾン 堤清二が見た未来
鈴木 哲也(著)
/日経BP
作品情報
無印良品、ファミリーマート、パルコ、西武百貨店、西友、ロフト、そして外食チェーンの吉野家ーー。いずれも日々の生活でなじみのある企業であり、知名度の高いブランドだ。これらの企業が、かつて同じグループに属していたことを、知らない世代が増えている。これらはいずれも、堤清二という男が一代でつくり上げた「セゾングループ」という企業集団を構成していた。小売業にとどまらず、クレジットカードや生命保険、損害保険などの金融業、ホテルやレジャー、食品メーカーまで、多様な事業を展開してきた。2000年代、セゾングループは解体された。だがそれぞれの企業を見れば、堤が育てたセゾングループの価値がより鮮明に分かるはずだ。現代の消費市場をリードするのは、米アマゾン・ドット・コムに代表されるIT企業だ。インターネット通販やスマートフォンが爆発的に普及したことで、消費スタイルも根底から変わりつつある。ものを所有しないシェア消費や個人間売買など、新たな流れが広がっている。大きな変化が起こっているのは確かだが、人々の生活意識や買い物のスタイルがこれからどう変わっていくのかについては、企業も消費者も視界が晴れない。そんな中で、堤とセゾングループがかつて持っていた特有のエネルギーを検証することは、未来の消費の行方を知る大きなヒントとなるはずだ。新たな価値を生み出す発想力や、現状を否定してイノベーションを起こす柔軟性ーー。閉塞感が漂う現代だからこそ、セゾングループのかつての哲学を掘り起こし、分析することに大きな意味がある。
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商品情報
- シリーズ
- セゾン 堤清二が見た未来
- 著者
- 鈴木 哲也
- 出版社
- 日経BP
- 書籍発売日
- 2018.09.21
- Reader Store発売日
- 2018.09.25
- ファイルサイズ
- 11.6MB
- ページ数
- 312ページ
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この作品のレビュー
平均 4.1 (27件のレビュー)
-
セゾングループを作った堤清二についての本。
弱小百貨店で、ラーメン百貨店と当時いわれていた赤字の西武百貨店を任せられながら、様々な文化的なコンセプトを発案し無印良品、、パルコ、ロフト、ファミリーマー…トとブランドを作り、セゾングループを成長させた。
だが、バブル崩壊と共に、セゾングループは解体していく。
何十年も前から「モノではなくコト」を優先していた先見性に驚く。
そのための、文化的なコンセプトの発案、それを現実にする推進力がすごい。
ただ、本文に記載さているように、自分の案が実現されてしまうと興味がなくなってしまう。なので企業としての採算の確保部分がどうしても甘くなる。
高度経済成長、バブルと皆が豊かになることが、世界が豊かになる事態にはとてもフィットしたやり方だが、経済成長がゆるくなると精緻な経営が企業の基礎体力維持のために必要になってくる。
アイデアを出しながらどんどん推進していく堤さんの帝国の中で、お目付け役の大番頭のように企業の屋台骨をしっかり安定させる人間がいればよかったのかなとも思う。
堤さんの権力が絶大すぎて忖度や根回しによる決断の遅れなど、大企業病的な性質も現れる。
どこの企業も成長期が終わり安定してくると陥る状態だろう。
百貨店が苦戦を強いられる中、今までの百貨店の歴史を振り返り、社会の変遷に対しての栄枯盛衰が分かる部分も面白かった。続きを読む投稿日:2019.11.16
緻密に関係者の証言が取材されていて、内部のリアルが可能な限り炙り出されている。堤清二とセゾングループを包括的に知るには優れた本で、今最も読みたかった本。現在の無印良品のフィロソフィーにどう堤清二の思想…が生きているのかを知れた事が良かった。事業の歴史や成り立ちを知る事は大事。続きを読む
投稿日:2023.08.29
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