「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。
小川たまか(著)
/タバブックス
作品情報
性暴力被害、痴漢犯罪、年齢差別、ジェンダー格差、女性蔑視CM、#metoo...多くの人がフタをする問題を取材し、発信し、声をあげ続けるライター・小川たまか初の著書。2016年から2018年に起きた、性犯罪やそれにまつわる世論、性犯罪刑法改正、ジェンダー炎上案件などを取り上げ、発信してきた記録です。
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商品情報
- 著者
- 小川たまか
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- タバブックス
- 書籍発売日
- 2018.07.30
- Reader Store発売日
- 2018.08.10
- ファイルサイズ
- 0.8MB
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この作品のレビュー
平均 3.9 (48件のレビュー)
-
セクハラに遭った。
人によってはそれは全然セクハラではないし、笑い飛ばせる人もいるのだろう。
たった一瞬、偶然エレベーターに乗り合わせた一瞬だった。
その一瞬、わたしは不躾なことを言われ、ものすごく混…乱した。
その後に、怒りと悲しみと、自責に襲われた。
上司(男性)は力になってくれようとした。
でもわたしは、自分が話をしたあとの上司の言葉や反応が怖くなって、結局「大丈夫です」と言って、詳細は話さなかった。
その後上司からはなんの反応もなかった。
それもそれでショックだった。
結局、わたしはどうしてほしかったのだ。
話を聴くと言われたら拒否するし、上司はわたしの言葉をそのまま受け取ってそれ以上踏み込まなかった。(面倒なことにしたくないからそうしたのかもしれないけれど)
結局どうなってももやもやするだろう。だから何もしなかったのだ。信頼できる人、笑わずに話を聞いてくれそうな人にだけ気持ちを吐き出した。それはそれで後悔はしていないのだけれど。
ちょっと上の階に行くだけなのにエレベーターを使ったわたしが悪かったのか、不愉快なことを言われて、うまく受け流せなかったわたしが悪かったのか。
いや、わたしは悪くないんだけど、それは分かっているのだけれど。不愉快なことを突然エレベーターのなかで言ってきたおじさん、いや、くそじじいが悪いのは分かってはいるんだけど、でも。
こちらが悪いと思わされてしまうのが、セクハラや性被害。もちろんパワハラもしかりである。
日常の中で少しずつその出来事のことを思い出さなくなっても、くそじじいに出くわせば一気に思い出すし、例えば家で一人でいる時とか、同じエレベーターに乗った時に、じっとりと思い出す。
ずっと鉛のように心の中に沈んでいるのだ。
フリーのライターをされている小川たまかさん。(最新情報じゃなかったらすみません)
性暴力被害当事者の取材をメインにされている。この作品は、2016年~2018年の2年とちょっとのブログの内容を大幅に加筆修正したものだ。最後には、性被害をメディアの前で訴えた伊藤詩織さんとの関わりも描かれている。
そんなに長くない作品ではあるけれど、読むのにものすごいエネルギーを使う。理不尽への怒りと悲しみ。しかしその理不尽は自らが引き起こしたのではないかと思わされてしまう性被害の構造。読みながら気持ちがぐらぐら揺れ、自分がされたこと、言われたことがどんどん頭の中に浮かんだまま消えないどころかそれに支配されていく。
決して心地のいい読書の時間ではなかった。決して全てを理解できたわけではない。わたしの想像力が及ばない描写だってあった。
例えば、電車で痴漢に遭った時、わたしも痴漢に遭う前は「声を出せ」と言われてきたし、そう思ってきた。ある日友人が「でもあれって声なんて出ないよね」と話しているのを聴いて「そういうものか」と思っていた。そしていざ自分が同じ状況に陥った時、混乱して声が出なかったのである。
結局何が言いたいのかというと、わたしは自分が同じ状況にならないと、きちんと理解できないということだ。かといって、ここに描かれていることを進んで経験していくわけにはいかない。
だから、ここに描かれている、必死の思いで話をしてくれた方や、小川さんご自身の経験のことを思って、少しずつでいいから、自分の想像力の幅を広げていきたいと思った。安易な想像で、安易な言葉で、安易な態度で相手を傷つけないように。わたしのことを信頼して話してくれた人を、余計に傷つけないために。続きを読む投稿日:2022.06.26
2016年から私たちは進化してるだろうかと凹んだ
まあ凹んでても仕方ないのでこっからどう巻き返すか考えよう。残念ながら即変えることが出来るのは自分と環境だけなんじゃないかなと思ってしまった
行動す…るためには知らなきゃいけない。自分は人にこの本をオススメすることを忘れないようにしよう続きを読む投稿日:2024.03.25
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