大間違いのアメリカ合衆国
倉山満(著)
/ワニの本
作品情報
◆友情・敵対・隷属! 日米150年の真実! ◆日米戦争は、双方の保守派の敗北だった! ! トランプ大統領に備えろ! 日本の自主独立のためのアメリカ史◆日本が生き残るための方法とは! ! ◎実に幼稚な、アメリカ陰謀論の系譜◎「ユダヤが解ると世界が見えてくる」と信じていた頃◎陰謀論への対処は幕末の志士たちに学べ◎アメリカは織田信長で止まっている国! ! ◎副大統領──人類が作った最も不要な職◎選挙の流れ──田中角栄などクリーンな政治家◎覇権国家アメリカの国益とは何か! ?◎トランプはなぜ台頭したのか◎ウィーク・ジャパン・ポリシー派とストロング・ジャパン・ポリシー派◎正気を保ったか?国益は守ったか?世界への貢献度?で歴代アメリカ大統領を採点
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商品情報
- シリーズ
- 大間違いのアメリカ合衆国
- 著者
- 倉山満
- 出版社
- ベストセラーズ
- 掲載誌・レーベル
- ワニの本
- 書籍発売日
- 2016.08.01
- Reader Store発売日
- 2017.04.21
- ファイルサイズ
- 16.1MB
- ページ数
- 264ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (5件のレビュー)
-
相変わらずバッサバッサと。
アメリカという国になんとなく抱いていたものを、字にしてもらった感じ。日本の政権との関わりはよくわからないけども。そこも勉強したほうがいいのかもしれない。
面白いな。投稿日:2019.01.03
新しい年になりました。今年は良い年になって欲しいという気持ちに偽りはありませんが、今年は大きく変わる年になるだろうなと予想できます。その最も大きな要因となるのは、あと3週間ほどで、アメリカに今までとは…異なったタイプの大統領が誕生することにあります。
トランプ氏が大統領である今後4年間で、アメリカは変わり、それまでアメリカ陣営にいた国々は、その密着度合いに応じて影響を受けることになるでしょう。戦後、軍事費にお金をあまりかけずに済んできた日本は最も影響を受ける国の一つになるのではないでしょうか。
この本は、トランプ氏が大統領に当選する前、恐らく原稿を書かれていた時には、メディアによって、ヒラリー氏が当確であるとまで言われていた時代に書かれた本です。この本はタイトルからは予想しずらいですが、私にとっては、アメリカの近代史の解説本のように思いました。
以下は気になったポイントです。
・一般にアメリカの三大財閥と呼ばれるのは、ロックフェラー(ドイツ南部のプロテスタントの一部、バブテスト)・メロン・デュポンである、デュポンの代わりにモルガンを数えることもある、いずれもユダヤ系ではない。カーネギーも名指しされるが、これもユダヤ系ではない(p34)
・第一次大戦中、一時的に金本位制は中止されていたが、1919年から復帰が相次ぎ、1929年の大恐慌まで金本位制は続いていた。この体制下では、ユダヤ人であろうとなかろうと、金に見合わない量のお札をすることは不可能であった(p45)
・実はアメリカの大統領は、世界最弱の権力者であるというのが、世界の比較憲法学の常識。アメリカで一番強いのが、連邦最高裁。議会が通したどんな法律に対しても、また大統領が行ったどのような行政に対しても、違憲審査をする権限がある、ニューディール政策で始めた工事を憲法違反だからやめろ、判決してやめさせたこともある(p47)
・戦前の日本の財閥は、三井も三菱も、国際グローバル金融資本そのもので、WASP財閥と仲良しでユダヤ系財閥とも仲が良かった。(p52)
・1955年、1ドルブラウス騒動がアメリカであった。日本が輸出するブラウスが1ドルという、アメリカ人の感覚では100円くらいの安い値段で、アメリカの業者を圧迫した。当時の日本にとっては、1ドルというのは、今の感覚で7200円くらいにあたるので、そんなに安物を作っていたわけではないが、貨幣価値の差で、アメリカでは破格の安さになった(p57)
・通産省がアメリカに買ってきた理由として、1)通商派と産業派の絶妙な役割分担でうまく腹芸を演じる、2)人材が優秀、公務員試験合格者のうち、財務省についで優秀な人が行く。アメリカは経験豊富で優秀な官僚は、国務省・国防総省のみ、通商交渉の通商代表部は出世に縁遠い(p60)
・小泉総理は、911テロのとき即日にアメリカへ支持を表明した。なので翌年2002.9に北朝鮮から拉致被害者を取り返すことができた(p70)
・日清戦争の下関条約を結んだ、陸奥宗光、日露戦争のポーツマス条約の、小村寿太郎、となれば、第一次世界大戦のロンドン宣言(英仏ロへ勝手に戦線離脱しないと宣言)の石井菊次郎となる(p73)
・昔、日本には男女問わず村人全員鉄砲が撃てるという自主独立の地域が今の和歌山県にあった、織田信長が近畿地方をほぼ全部制圧しているのに、和歌山県だけは攻略できず、豊臣秀吉が10万の大軍を率いて、本州と四国、淡路島と三方から同時に攻めてやっと落とせた(p83)
・アメリカの連邦政府の役職に江戸幕府のそれをあてはめるとしっくりくる、行政府の長の軍最高司令官である大統領は「征夷大将軍」、州の垣根を越えてテロ対策、銀行強盗の捜査を担当するのは、FBI、関東全域にわたり天領・旗本領・大名領の関係なく、火付けと盗賊を取り締まる「関八州火付盗賊改方」、各州の代表である上院議員は、幕府の要職に就任する譜代大名が集まった「帝鑑間詰大名」、財務長官は勘定奉行、国務長官は外国奉行(p84)
・征夷大将軍が宿老全員の同意に逆らうことができないのと同様、アメリカ大統領は、議会の3分の2が敵対になったら何もできない。州はそれぞれ独立が強いので介入できない、室町幕府に近いかも(p85)
・選挙については、戸籍がないので日本のように自動的に付与されるものではない。アメリカ人は18歳になったら選挙人登録を行い、自分の意志で権利を主張する必要がある。太閤検地以前の応仁の乱で止まっている(p87)
・州の前に、連邦国家における本土未編入の自治領的な、準州があって、その下に領土(テリトリー)、昔はその下に植民地(コロニー)があた(p90)
・大統領候補者は立候補を表明してから1年もかける必要があるが、これは絶対に独裁者をださないための仕組み(p93)
・南部は奴隷を家畜のような財産として扱ったが、北部の「奴隷解放」とは、単に「黒人なんか追い出して、白人だけの国を作ろう」という話であり、黒人と白人を対等に扱うということではない。南部の白人は黒人を人間ではなく、動物か猛獣として自分の制御すべき存在とみている、北部の白人は、人間だが自分たちの社会には不要な存在で排除すべきものと見ている(p96、162)
・南北戦争の時に、共和党の原型と民主党の原型がそれぞれの州にあり、リンカーンは分裂をさけるために、副大統領のジョンソンは、民主党から採っている(p97)
・南北戦争は「北対南」という単純な話ではなく、南東部だけを敵にして半包囲することに成功したという戦いであり、黒人差別ということでは北も南もない(p97)
・農閑期の11月なら投票のための旅行がしやすいだろう、日曜の教会の後でないと投票にでかけられない。11月1日がカトリックの祭日なので、ぶつからないのに、11月の最初の月曜日の次の日とした(p105)
・オリンピックで水泳に黒人選手が出られるようになったのは、ここ20年くらい。不文法であった(p118)
・前々回の選挙(オバマが2回目に当選した時)の後、共和党を支持する州を中心に15の州が、アメリカ合衆国から脱退したいという電子請願をだした、リンカーン以来、法律上、合衆国離脱は認められないので、曖昧に終わった(p120)
・アチソンライン(アリューシャン列島、日本列島、台湾、フィリピン、オーストラリア)と、ハワイからペルシア湾までのルートの交差するのが、沖縄である。そこに米軍がいるので、アメリカは世界の覇権国家でいられる(p147)
・日本では1989年のマルタ会談で冷戦が終わったことになっているが、実際は1989-1991年までが本番で、西側陣営(アメリカ、イギリス、フランス、西ドイツ)が、ソ連に総力戦を挑んだ。ここで、日本と韓国は敗戦国である。金泳三と細川護熙が、基地を貸さない、という決断をして、クリントンの北朝鮮への空爆を止め、その結果、北朝鮮の核武装を完全容認する形になった(p149)
・ブッシュ二世は、小泉首相を、イギリスのブレア、オーストラリアのハワードとともに、ブッシュ家の自宅に招待された一人である(p151)
・北部の白人の黒人に対する対応は、解放された黒人をアフリカの地に送り返し、リベリアを建国した。送り返された黒人が、現地の黒人を奴隷にするという悲惨な結果となった(p163)
・第二代のマサチューセッツ州出身の、ジョンアダムスを除き、第五代のジェームズモンローまで、みなバージニア州出身の大統領であった。大農場主による貴族政治であった(p173)
・革命とは、王様に対して貴族が起こすもの、本当に貧乏な人は革命など起こせない(p174)
・人口の大きなカリフォルニアを自由州として認める代わりに、厳重な逃亡奴隷取締法を制定して南部をなだめて内戦をおこさずに妥協にこぎつけている、これを1850年協定といい、フィルモアの功績(p178)
・南北戦争当時の日本にとって、最大の脅威はロシアで、英仏(の外交官たち)が食指を伸ばしていた。ロシアと組むと飲み込まれるので誰も組まない、幕府はフランス、討幕派はイギリスと接近した(p183)
・南北戦争が北軍勝利と確定した直後にリンカーンは暗殺、奴隷解放は有名無実となり、奴隷解放の法律が次々と連邦最高裁の判例で骨抜きとなる、現実の奴隷解放は、100年後のジョンFケネディまで待つことになる(p184)
2017年1月3日作成続きを読む投稿日:2017.01.01
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