この作品のレビュー
平均 3.0 (1件のレビュー)
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私が社会人になって一息ついて、本社勤務になって数年した1997年にトヨタがハイブリッド車(プリウス)を発売しました。話題作りで発売したのだろうと、斜に構えていましたが、あれよあれよという間に主力商品に…なってしまいました。十年前に、プリウス100万台発売目標!と聞いたときも信じられませんでした。そして、現実があります。
いま、当時のプリウスの境遇に似ているのが、2014年末に、量産車として初めて売り出された、水素自動車「未来」なのかもしれませんね。あれから2年ばかり経過し、水素ステーションも少しずつできつつあるとか。私が勤務している、目黒には日本で3番目?になるといわれるステーションが建設されています。
ハイブリッドの次と目されていた、完全電気自動車や、燃料自動車が競合する中で、果たして水素自動車の未来はどうなるのでしょうか。この本には、水素自動車をはじめとして、水素エネルギー社会となる未来図が予想されています。
その中で、日本が主導権を握れるチャンスも十分になる、というのが本書の趣旨です。アメリカの未来は、シェールオイル・ガスが魅力的のようですが、日本の場合は、「水素」がその役割を果たしてくれるのでしょうか。「水素」という言葉から目が離せませんね。
以下は気になったポイントです。
・エネルギーには、電力(日本では25%、世界では20%)の他に、動力と熱源があるが、今は電力の脱化石燃料にばかり力を注いでいる。動力と熱源の脱化石燃料は、水素エネルギーの活用となる(p4、15)
・燃料電池は、発電装置である、水素による発電では燃やすのではなく化学反応であり、燃料という語自体もおかしい。燃料電池は、「水素発電」すべき(p22)
・水素発電自動車は、触媒に白金を使用、精緻・緻密な構造であり生産コスト高いが、白金の代替物の開発が進んでいる。走行距離が長い利点あり、災害時には電力供給源となりえる(p25)
・水素発電電車にすれば、架線とパンタグラフは不要、レールのみを引けばよい。(p29)
・マッハ5の超高速になると、エンジンに流入する空気温度が1000度を超えるので現状の燃料は使えない、極低温の水素燃料にすれば、空気を冷却して燃焼して噴射可能(p31)
・産業発展は、1)18世紀半ばの産業革命、蒸気機関開発、2)19世紀半ばに鉄鋼で高炉発達、鋼材の大量生産、化学産業も発展、電気の利用、3)1930年代以降、技術革新(トランジスタ、ナイロン、テレビ、コンピュータ、ジェット旅客機、原子力発電、ペニシリン)(p41)
・水素利用は、複合技術であり、日本に相性が良い。太陽電池による太陽光発電のような単一技術と異なる。相性を計る尺度は、優劣性・多様性・戦略性(p55、90)
・DRAM,パソコン、液晶テレビ、携帯電話の4つの製品に様々な敗因があるが、共通しているのは、日本企業は高性能・高品質の技術開発ばかり力を注いだ(p67)
・産業地政学では、産業地図を基に考える。インテグラル型・モジュラー型、標準型・多機種型の2つの軸によって4分類できる(p123)
・インテグラル・多機種型に属するのは、自動車・工作機械・各種機械(産業、精密、建設)、OA機器、船舶、鉄鋼、化学(p127)
・エンジンの最大の発明は、組織による技術開発の仕組みを作ったこと(p131)
・中国では2019年をピークに生産年齢人口が減少し始める、2050年には今の9億人が7億人になる。インドの生産年齢人口は中国の1.6倍になる(p165)
・新幹線において日本が達成した高度な技術は、1)低騒音、2)軽量化による省電力、3)地震に対する安全性、4)遅延が少なく1時間に10数本を走らせる高度な制御技術(p176)
・三十年後の実質GDPは、米国を1とすると、中国が2.5、インドが2、日本は0.3程度となる(p183)
・水素都市の実施するポイント、1)水素発電路面電車、LRTを富山市実施、2)バス・トラック、タクシーへの水素発電自動車の導入、3)水素発電装置によるコジェネ導入(p231)
2016年11月23日作成続きを読む投稿日:2016.11.05
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