井伊家の教え ―彦根藩35万石はなぜ300年続いたのか
田原総一朗(著)
/プレジデント社
作品情報
2017年NHK大河ドラマ決定! !
浜松、彦根、井伊家1000年の歴史がわかる。
徳川家康だけでなく、豊臣秀吉からも高い能力を認められた徳川四天王の一人だった井伊直政。その直政を育てたのが、2017 年NHK 大河ドラマの主人公である養母の井伊直虎だった。
幕末の大老で桜田門外の変で暗殺される井伊直弼に続く名門井伊家は、どのように形づくられたのか。彦根市出身で、彦根藩の元藩校だった彦根東高校卒業の田原総一朗氏が「井伊家」の歴史に大胆に迫る!
【著者紹介】
田原総一朗(たはら・そういちろう)
1934年、滋賀県彦根市生まれ。県立彦根東高校卒。60年に早稲田大学卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、77年フリーに。
98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。現在、テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』など幅広いメディアで活動中のほか、早稲田大学特命教授、「大隈塾」塾頭も務める。
著書に『日本の戦争』(小学館)、『堀の上を走れ 田原総一朗自伝』(講談社)、『誰もが書かなかった日本の戦争』(ポプラ社)など多数。
【目次より】
◆はじめに
◆第1章 「井伊家」から私たちが学べること
◆第2章 「井伊家」千年の歴史
◆第3章 直虎と直政のきずな
◆第4章 譜代筆頭・大老家として生きる
◆第5章 幕末、主家を想い、日本を想う。そして、死を恐れない
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この作品のレビュー
平均 3.0 (1件のレビュー)
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彦根城に行った後、彦根藩の歴史が知りたいと思い、こちらの本を手に取りました。
田原さんは、彦根市の出身です。
「帰省時、車中から見えてくる彦根城の天守閣が視界の中で次第に大きくなって流れていく景色は、…帰ってきたという安堵感を与えてくれる」
という記述にあるとおり、この本からは、彦根の人にとって、彦根城、そして井伊家が、街の象徴以上の、特別な存在であることがわかります。
(私は、高速から高井戸の焼却炉の煙突を見ると、帰ってきたなあ…と思います。なんて風情がないのでしょう…)
彦根城の隣には、そのルーツを彦根藩の藩校にもつ、彦根東高校があります。
田原さんは、この高校の出身です。
「どんな人にも臆せず、聞きたい話を、誠実に、ストレートに聞く」という田原さんの、仕事に対する姿勢は、井伊の赤鬼魂から来ているといいます。
井伊の赤鬼魂とは、井伊直政が、関が原の戦いで、徳川の先鋒隊を率いたとき、鎧や兜、旗をすべて赤くし、井伊の赤鬼と怖れられたことから、先駆者精神を意味します。
タイトルにある、彦根藩35万石はなぜ300年続いたのかの結論は、ジャーナリストの田原さんらしく、
現代にも通じるものがあると思いました。
戦国時代を生き抜くためには、どの大名と組むかが重要でした。現在、NHKの大河ドラマにもなっている、井伊直虎は、今川家に翻弄されましたが、直政を、家康の家臣にすることで、危機回避しました。そして直政は、家康の重臣となりました。田原さんは、それを現代に置き換え、自国だけで守れない日本は、どこと組んだらよいか…と投げかけています。
社内政治に忙しい、皆さんの会社でも、
心当たりがあるのではないでしょうか…。続きを読む投稿日:2017.04.17
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