絶歌
元少年A(著)
/太田出版
作品情報
1997年6月28日。
僕は、僕ではなくなった。
酒鬼薔薇聖斗を名乗った少年Aが18年の時を経て、自分の過去と対峙し、切り結び著した、生命の手記。
「少年A」――それが、僕の代名詞となった。
僕はもはや血の通ったひとりの人間ではなく、無機質な「記号」になった。
それは多くの人にとって「少年犯罪」を表す記号であり、自分たちとは別世界に棲む、人間的な感情のカケラもない、
不気味で、おどろおどろしい「モンスター」を表す記号だった。
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商品情報
- シリーズ
- 絶歌
- 著者
- 元少年A
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 太田出版
- 書籍発売日
- 2015.06.11
- Reader Store発売日
- 2016.04.22
- ファイルサイズ
- 0.4MB
- ページ数
- 294ページ
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この作品のレビュー
平均 2.9 (158件のレビュー)
-
「神戸連続児童殺傷事件 元少年A」の手記であり、その出版に対して世間では物議を醸している。 ただ問題はいろんな水準にあり単純ではない。
まずは本書を読まずに語れる批判である。そしてそれはネット…において自分は安全な位置から正義感をかざして誰かを徹底的に批判するという風潮とも結びついているところが芳しくない。
ひとつは殺人犯が殺人事件をネタにお金を儲けることへの批判である。これはサムの息子法を作ればいいという話になる。だが、いくら印税を補償にあてられたからといってこんな本は出されたくないという遺族感情はサムの息子法では解決されない。
他方、「元少年A」にも語る権利がある。それは言論の自由で保障されている。しかし殺人者が何か述べるなんてという感情的反発は抜きがたく世間を覆っているように思われる。これは関係のない人々がもし自分の子どもが殺されたんだったとしたらと感情移入して仮想の遺族感情を身に纏っているといえるだろう。「元少年A」は日本の法律に則って「社会復帰」しているのである。もう10年以上も前に。
「元少年A」と太田出版が遺族にひとこともなく本書を出版したことも批判の的である。これは了解を取ろうとしても取れないだろうという見込みがあったからだろう。それでも手記を出したかったのは「自己救済」であり「身勝手すぎる」と自ら「被害者のご家族の皆様へ」というあとがき的部分に書いている。それを許されないと糾弾するのか。そういえば韓国の朴槿恵大統領は「被害者の立場は千年変わらない」と演説で述べていた。
読んだ上での批判。
彼は普通の人になりきれず、こんな本を書いている。といったものがあった。
そうはいったって、帯にもあるが、この事件で「僕は僕でなくなった」のである。そして少年A、モンスターとなったのだ。「身勝手」にもこんな手記を書かざるを得ない気持ち、わからなくはないと思うのだ。これを書いて、そして普通の人、あるいは「僕」に戻れたのかはわからないが。
筆致はかなり文学的である。少年Aは直感像素質があると報じられたが、確かに当時見た情景を子細に覚えていたとしか思えないヴィヴィッドな描写であり、耽美的とすらいっていいところもある。犯行についての記載はすべてを赤裸々に書いているわけではなく抑制されている。それが倒錯的なものであったことを明らかにするという線では赤裸々に書かれているが、ことさらに残虐なところを強調して書いているわけではない。
むしろ本書はあるときはペーパークラフト、あるときはコラージュに没頭した彼の手仕事のひとつなのではないか。緻密に仕上げられた言葉のクラフト。
犯行と逮捕当時のことが第1部。医療少年院出所後が第2部であり、医療少年院での「矯正」の過程が書かれていないという批判。
出所後の記載の中にはしかし何回か少年院時代の回想がある。
あるいは彼は本当に回心していないとか贖罪していないとかいう批判。
それは彼自身が本書の最後のほうで書いていることの中に問い続けられているように思われる。贖罪するというのはどういうことなのか、贖罪などということが果たして可能なのか。
彼が贖罪の言葉をいくら書いても、人はいうだろう。それは言葉だけだ。しかし語られるものは言葉しかないのだ。
私は法務省関係の仕事をしている知人から本書を見せられ、中を少し読んで、すぐに注文した。純粋に読ませるのだ。そして私は私が14歳の時にどうして殺人を犯さなかったのかわからないから本書を読んだ。もちろん解答が得られたわけではない。
それから『アスペルガー症候群の難問』では少年Aがアスペルガー症候群だったと推測しているので、それを確かめてみたいと思った。確かに自閉症スペクトラムを思わせる性癖はそこここに語られている。しかし少なくとも現在の彼の記述はアスペルガー症候群といえるような対人関係の機微の読めなさを感じさせないものである。また、アスペルガー症候群の病理が犯行に結びついたともいえなさそうに思う。
本書は儲け主義の太田出版による偽書だという陰謀論もある。しかし私は本書はとても真正なものと思えた。彼はとても頭のいい人だと思うし、「罪」に真摯に向き合おうとしていると思う。もしゴーストライターが登場したら、私は素直に認めねばならない。ちっとも見抜けませんでした。続きを読む投稿日:2016.02.26
まだ読み途中だが、猫の場面の表現がエグい。これ以上読み進められないかも。
読み終えた。簡単に感想を書いてはいけない気がする。
もう少し調べてからまた考えてみようと思う。投稿日:2024.04.06
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