日露戦争と新聞 「世界の中の日本」をどう論じたか
片山慶隆(著)
/講談社選書メチエ
作品情報
日英同盟の是非、開戦論vs.非戦論、「露探」問題、日比谷焼打……新聞がいちばん面白かった時代。日露戦争の時代、新聞界は黄金期を迎えていた。福澤諭吉創刊の『時事新報』、陸羯南主筆『日本』といった高級紙から伊東巳代治による『東京日日新聞』、徳富蘇峰『国民新聞』や『東京朝日新聞』など時の政府に近いもの、政治家の女性問題のようなゴシップから政府・大企業批判、リベラルな主張までを載せる『萬朝報』『二六新報』。知識人から下層階級、政府支持から社会主義者まで、多様な読者に向けた無数で雑多な新聞が、大国との戦争へと向かう日本と世界をいかに語り、論争をしたか。膨大な史料を掘り起こし、新聞が大企業化する以前の、粗野で豊かだった時代を活写する、メディア史研究の試み! (講談社選書メチエ)
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商品情報
- 著者
- 片山慶隆
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社選書メチエ
- 書籍発売日
- 2009.11.10
- Reader Store発売日
- 2015.07.24
- ファイルサイズ
- 12.1MB
- ページ数
- 252ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (3件のレビュー)
-
[ 内容 ]
日露戦争の時代、新聞界は黄金期を迎えていた。
福澤諭吉創刊の『時事新報』、陸羯南主筆『日本』といった高級紙から伊東巳代治による『東京日日新聞』、徳富蘇峰『国民新聞』や『東京朝日新聞』など…時の政府に近いもの、政治家の女性問題のようなゴシップから政府・大企業批判、リベラルな主張までを載せる『萬朝報』『二六新報』。
知識人から下層階級、政府支持から社会主義者まで、多様な読者に向けた無数で雑多な新聞が、大国との戦争へと向かう日本と世界をいかに語り、論争をしたか。
膨大な史料を掘り起こし、新聞が大企業化する以前の、粗野で豊かだった時代を活写する、メディア史研究の試み。
[ 目次 ]
第1章 日英同盟への期待と危惧
第2章 開戦論への道
第3章 日露戦争勃発
第4章 韓国の保護国化
第5章 戦争の終わり
終章 日露戦後の新聞界
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[ 参考となる書評 ]続きを読む投稿日:2010.06.05
このレビューはネタバレを含みます
2009年刊。
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著者は早稲田大学政治経済学術院助教。
本書が問題視し批判するのは、所謂ステロタイプ的に語られる日露戦争期の国内の報道内容の通説的見解である。それは、開戦論が主流を占め、反戦・非戦は…内村鑑三と幸徳秋水が所属していた「萬朝報」だけであったというものだ。
が、それを正しくないとする本書は、東京での刊行新聞という限定付きながら、その内容を備に解読し通説の誤謬を正そうとする。
もっとも、かなり前の山川出版社の高校用教科書には「キリスト教徒の内村…や社会主義者の幸徳…らが非戦論…をとなえ」「国内世論でも当初は戦争を好まなかったが、対露同志会…が決戦を声高に叫ぶ中、しだいに開戦論に傾いて…」とある。
さらに脚注で「萬朝報」の主戦論者を記述する。
すなわち本書の帰結と同様で、果たして著者の批判の矛先が現在妥当しているかは定かではない。
また、当然の如く新聞報道、特に戦時下の新聞報道はソースが限定され、客観的事実(英米の外債負担や武器弾薬の枯渇)に即した報道もないなど、ここで記載内容は客観的には正しくないことを含むのを自覚的に読む必要はある。
ともあれ、
① 対露主戦論は一辺倒ではなく新聞社で異なる。
② 主流の対露主戦論への傾斜が始まるのは、ロシアによる韓国の鴨緑江沿岸の木材伐採や同龍巌浦の土地借款契約調印という韓国利権の獲得、そして非戦派ウィッテ失脚が端緒である。
③ 主戦論が多数派になるのは、ロシア軍の第三次満州撤兵が、第二次に引き続き履行されなかったことにある。
④ あの幸徳秋水であろうと、対韓認識は他の国粋主義者とさして変わらないレベル。
⑤ 根拠なく、言われなき露探疑惑を受け、あるいは他新聞や政府による攻撃があって、リベラルかつ政府批判を軸とした二六新聞が、この時期に廃刊した。
⑥ 新聞各社の対韓認識、韓国住民、韓国統合への新聞論調が整理されている。
それによれば、日本の防衛というよりは、日本の経済的利益の扶植に加え、韓国開化を日本がするのだという、全般的に、見下した無礼な物言い。大きなお世話という印象は拭いされないもの。
これらの整理と分析は買いで、一読の意味はあり。続きを読む投稿日:2016.12.15
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