最暗黒の東京
松原岩五郎(著)
/講談社学術文庫
作品情報
明治中期の下層民の生活を克明に記録したルポルタージュ。徳富蘇峰の「国民新聞」に連載され、明治26年11月に民友社より刊行された。文明開化に沸き、日清戦争を目前にして「一等国」入りしつつあった明治日本の帝都には、すでに都市開発と経済成長に取り残された「貧民窟」がいくつも形成されていた。「東京論」の一つの視座として、また、現代の「格差社会」を考えるためにも必読の書。巻末解説を坪内祐三氏が執筆。(講談社学術文庫)
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商品情報
- シリーズ
- 最暗黒の東京
- 著者
- 松原岩五郎
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社学術文庫
- 書籍発売日
- 2015.02.10
- Reader Store発売日
- 2015.03.27
- ファイルサイズ
- 13.3MB
- ページ数
- 168ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (2件のレビュー)
-
『最暗黒の東京』、まずタイトルからして驚きます。筆者が最下層の人びとに混ざって生活をすることで実態を描き出していますから、読み物として興味深く、面白く読めると思います。たとえば、宿泊した木賃宿(粗末…な宿)で出会った人びと、貧民の住居や生活、客を取り合ってケンカする車夫の様子などが描かれています。
他方でこの本は、商売(この本のいう「経済の原理」)が最下層にまで巣くっている様子が描かれている本でもあります。残飯は本来捨てるものですが、最暗黒に生きる人びとにとっては欠かせない食糧です。しかし、商人が賄方と結託し、残飯をせり買いすれば、貧者は残飯をそれだけ高値で買わなければならなくなる。あるいは、年老いて弱った車夫(人力車を引く人)は安上がりだといって血気のよい健脚車が利用する。「世間の事態逆倒〔さかさま〕なるが如し (p. 124)」という言葉は、この本の重要なテーマでもあるのだと思います。
興味深くもあり、人間臭さが現れていて面白くもあり、しかし笑うことのできない最暗黒の世界がある。このような意味をひっくるめて、面白い本としておすすめする一冊です。
自分用メモ:http://dobons-gate.blogspot.jp/2015/09/blog-post.html続きを読む投稿日:2015.09.01
このレビューはネタバレを含みます
明治時代、日清戦争直前の時代に、東京の貧民窟に潜入した記者のルポルタージュ。著者の率直な感想がリアルでおもしろい。文明開化のかげに隠れて、庶民はこんな生活を強いられていたのかという話。
レビューの続きを読む
士官学校の残…飯を集めて貧民街に売る残飯屋の話がすごい。こんなシーンが『めしあげ!!』(http://booklog.jp/users/junjinnyan/archives/1/4041060036)の第1話にもあったよね。
材料揃えて作る方が安上がりかと思えるが実は残飯屋で出来合い買った方が安上がりなんだよ、っていう説明をしている下りがあって、現代でも変わらないじゃないか…とそら恐ろしい気持ちになりました(一からハンバーグ作ったら数千円かかったとかいうのがあったよね)
宮尾登美子「櫂」に出てきた裏長屋、こんな感じなのかな…(http://booklog.jp/users/junjinnyan/archives/1/4101293082)続きを読む投稿日:2017.10.14
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