新選組 幕末の青嵐
木内昇(著)
/集英社文庫
作品情報
身分をのりこえたい、剣を極めたい、世間から認められたい――京都警護という名目のもとに結成された新選組だが、思いはそれぞれ異なっていた。土方歳三、近藤勇、沖田総司、永倉新八、斎藤一・・・・・・。ひとりひとりの人物にスポットをあてることによって、隊の全体像を鮮やかに描き出す。迷ったり、悩んだり、特別ではないふつうの若者たちがそこにいる。切なくもさわやかな新選組小説の最高傑作。
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商品情報
- シリーズ
- 新選組 幕末の青嵐
- 著者
- 木内昇
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社文庫
- 書籍発売日
- 2009.12.21
- Reader Store発売日
- 2015.01.09
- ファイルサイズ
- 0.4MB
- ページ数
- 576ページ
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この作品のレビュー
平均 4.5 (112件のレビュー)
-
いやぁ、おもしろかった!
とにかく誰かにオススメしたくなります!!
500ページを超える分厚い本を手に取ったとき、おもしろそうだと思いながらも気後れしたのが、うそのよう。
読み始めたら、とにかく面…白い。
芹沢鴨の一件が絡んでくるあたりから展開が加速して、山南敬助が追い詰められ脱走するところまでくると、本を閉じることができなくなる。
新撰組やその周りの人々、一人ひとりスポットライトをあてながら、彼らの目線でそれぞれの出来事が語られ、物語が紡がれていく。細かく語り手が変わることで見えている側面がくるりと変わって、ミステリーを読んでいるようでもある。
物事を表面的に見ていたり、良い面だけを見て満足していたり、欺いていたり、欺かれていたり。とにかく次が知りたくなって、目が離せない。
今まで新撰組に対して関心を持ったことは無かったように思う。
大河ドラマ「八重の桜」を見ていて、悲劇的な印象ばかりが残る戊辰戦争の中で、斉藤一を演じていた役者の鋭いまなざしと寂しげな瞳の中の光が妙に気になり、新撰組に興味を持った。
配役によるイメージや脚本での描かれ方、人物に対する解釈によって、歴史上の人物への理解はずいぶん違ったものになるのでは、と予想していたけれど、この本の中の斎藤一は当初のイメージが重なる部分が多かった。
土方さんの参謀ぶり、沖田さんの天真爛漫さ、永倉さんの正義感が強くまっすぐなところなど、それぞれが持つ魅力が存分に描かれ、新撰組は「ただ乱暴な人切り集団だったのでは?」という私の先入観をあっさりと覆してくれた。新撰組初心者にもキャラクターの造詣がわかりやすくて、助かる。
近藤勇は、「リーダーとしての統率力に秀でた人」というより単純で素朴で表裏のない人で、思っていたよりずいぶん表面的なものに囚われている人に映った。だからこそ、感情をストレートに表現できない土方さんにとって、全力で支える価値のある大切な人。そこに魅力を感じた人たちは彼だけではなかったようで。
土方さんは最初に登場したときの何者にもなれない焦燥感にじりじりする様子と中盤のぶれなさの対比が興味深い。許しがたい部分も持ち合わせ、多くの人たちから恐れられているのに、一本筋の通ったところが彼の本質を知る人を魅了し、信頼を得る。彼の信じるものは、頭でっかちな『学』ではなくて、経験と観察に裏打ちされた事実のみ。
ナイーブで優しい性格を素直に表せない人。正直、近くにいたら面倒くさい人だと思うけど、本で読むとすごくまっすぐな人。周りが立ち位置を変えるからよくない評価を受けているけれど、本当は彼が絶対的な立ち位置にいる。そのことを知っている人が彼について好意的に語るシーンがとてもいい。
ひょうひょうとしていて相手を油断させるほどでありながら、物事の本質をさりげなく見極めている沖田さん。
三谷さんの「新撰組!」を見ていないので、詳しくないんだけれど
山南さんは確か堺雅人さんが演じていたはず。う~ん、納得!
本書だと若干浅い感じも漂うし弱さも隠せないんだけど、堺さんの瞳の奥がすーっと深い感じにぴったりだったのではないかと思います。
こうやって書いてくるとずいぶん息苦しそうな話に思えるけど、時折ニヤリとさせる場面もあり飽きさせない。
ままならなさ。せつなさ。
『幕末の青嵐』というだけあって、いっときも留まっていられない時代の流れの中で、精一杯生きて、自分たちの存在を必死で肯定した青春群像劇なのである。
「俺は人物が並みだから、こんな仕事ばかりお鉢が回ってくる」と永倉はつい呟いた。傍らで聞いていた斎藤は(中略)独り言のように言った。「普通でいられる奴が、一番強い。・・・(中略)生き残るには、普通でいることだ」(P171)
彦五郎は、彼らの奔放な生き方に憧れながらも、自分の暮らしもまた豊潤だと信じている。・・(中略)・・・どこまで行っても手に入らぬと思い込んでいた美しいものは、存外、自分のすぐ近くにあるものだった。 それを知ったとき、今まで感じたことのない確かな幸福が、その人物のもとを訪れる。 (P255)
「でも存外、よかれと思ってしたことが仇になることもあるんです。人が違えば感じ方や考え方が違うのは当たり前で、相手のことを全部わかったような気になっちゃ間違いがおきます」(P313)
気持ちのうえではどこにも属さぬと決めていたが、俺にも存外甘い部分があるとみえる。(P418)
あの激動の中で自分を失いそうになりながら、精一杯生きた人たちの言葉には重みを感じる。
今まであまり手に取ることがなかった歴史系の小説が俄然気になりだしました!続きを読む投稿日:2013.08.16
幕末を描く作品は、『竜馬がゆく』に代表される倒幕派と、新選組や会津を題材にした佐幕派に別れる。しかし、どちらの派も日本国を思う気持ちは同じだったのではないか。土方歳三を主柱にしたこの物語は、新選組発足…前の土方、近藤らの青春から、彼らの目線で幕末の動乱を、あたかも主要なチャプターをスキップするように語られていく。史実を踏まえつつ、小説として彼らの想いをいかんなく表現した作品だった。ただ、歴史小説をものするなら「四六時中」ではなく「二六時中」という表現にこだわってほしかったな。続きを読む
投稿日:2023.10.15
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