【感想】新選組 幕末の青嵐

木内昇 / 集英社文庫
(112件のレビュー)

総合評価:

平均 4.5
68
27
9
1
0

ブクログレビュー

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  • saga-ref

    saga-ref

    幕末を描く作品は、『竜馬がゆく』に代表される倒幕派と、新選組や会津を題材にした佐幕派に別れる。しかし、どちらの派も日本国を思う気持ちは同じだったのではないか。土方歳三を主柱にしたこの物語は、新選組発足前の土方、近藤らの青春から、彼らの目線で幕末の動乱を、あたかも主要なチャプターをスキップするように語られていく。史実を踏まえつつ、小説として彼らの想いをいかんなく表現した作品だった。ただ、歴史小説をものするなら「四六時中」ではなく「二六時中」という表現にこだわってほしかったな。続きを読む

    投稿日:2023.10.15

  • あおのあしあと

    あおのあしあと

    複数の人物の視点から新選組の内情や隊士たちの心情が語られる事で、物事の経緯や心の機微まで細かに知る事が出来た。16人の立場から捉えた時勢の動きが、新選組という組織を浮き彫りにさせていて、その手法がすごいなと思う。しかし、細かく語られる事によって物語に余白がなくなり、「この時この人物はどんな心境でこの道を選んだのかな?」など考える機会が制限されてしまう事が私には合わなかった。同じ題材を扱っていても作者によって主軸としているテーマが異なり、興味深いなと感じた。続きを読む

    投稿日:2023.07.08

  • なおちか

    なおちか

    試衛館から函館五稜郭の戦い(回想)までを、複数の視点からえがく小説。語り手はほぼ全員幹部隊士だけど、小説としては珍しいなって人物もいる。
    これまで新撰組を題材にした小説を何冊か読んでみて、それぞれ程度は違うけど題材の核になるようなものがあるかなとなんとなく勝手に思っている。青春、悲劇、志を遂げる…みたいな。この作品は、3つの中でほんとにちょっとだけ青春の要素が多い感じ。全体的に文章が柔らかくて爽やか。ただし山南さんの切腹、油小路の変など後半に行くにつれて涙なしでは読めないので注意。あと、斎藤一さんの人物像が私の好みだった。

    ゲームなどの影響で新撰組が好きなのでついそちらに肩入れしてしまうけど、薩長が勝つ歴史がなかったら今のままの日本はないかもしれないし、立場が違えば正義も違うから難しい問題だね。今度は薩長関係の人物を主人公にした小説を読んでみようかなぁ。
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    投稿日:2023.04.19

  • ぱっしょん

    ぱっしょん

    数ある新選組を題材に扱った時代小説の中でも、最もおすすめの一冊。

    近藤勇が試衛館(天然理心流道場)の4代目師範の時代から、土方歳三が戦死したと言われる箱館五稜郭の防衛戦(戊辰戦争の最後の戦場)までを描いた小説。

    ■本書のここがおもしろい!
    時代小説では通例、主人公たる史人にフォーカスし、主人公目線でストーリー展開されていきますが、本書はその主人公が章ごとに変わっていきます。

    ある時は近藤勇の視点、またある時は斎藤一・藤堂平助等の隊士、そして時には敵方であった清河八郎等々、様々な史人の視点で物語は進んでいきます。
    これがかなりおもしろい。
    片側だけでなく、やる側/やられる側、双方の視点が書かれているのです。

    かつ本書は、視点が変わりながらも時系列が遡ることがないため、とても読みやすい。
    (「遡って◯◯年」とか「一方その頃」というのがなく、常に時間軸が先に進んでいる。)


    ■総論的な主人公は土方歳三
    主人公がころころ変わるとは言え、物語は一本筋が通っていて、読んでいて一貫性があります。
    それはきっと、物語の中で常に「土方歳三」がキーマンとして扱われているからだと思います。

    敵方/味方問わず、物語の中では常に土方歳三の一挙手一投足が取り上げられます。
    特にエピローグは、さながら司馬遼太郎さんの「燃えよ剣」の如く。
    土方歳三ファンも必見の一冊です。


    ■最後に
    本書は、物語として大変おもしろいのは言うまでもなく、時系列がはっきりしてて、かつ視点が多岐に渡るので、幕末の歴史変遷を理解するのにも大いに役に立ちます。
    (若干史実と異なる点もありますが、そこは小説ということで…)

    全体の構成は、司馬遼太郎さんの「関ヶ原」に似ているかなと思います。
    石田三成をベースに家康をはじめ、各地の藩主の目線でストーリーが展開される辺りが特に。
    (あの書籍も1600年前後の歴史を理解するのにとても役に立ちます)

    ぜひ読んでみては。
    続きを読む

    投稿日:2022.09.25

  • タッキー

    タッキー

    章ごとに語り手が変わるのが、それぞれの考え方の違いが浮き彫りになる点や、それぞれの隊士の葛藤や他の隊士に対する感じ方が面白かったです。でも、話が結構飛びがちなので、この本はある程度、新撰組を知っている人でないと、楽しめないとも思いました。印象的なのが山南の描かれ方。他の本はもっと活躍してるのに、この本ではかなりの冷遇ぶり。でもやはり沖田と山南の最後のシーンは、しっとりとしていていいなぁと、思いました。最後の方の斉藤と土方の関係も良かったし、新撰組好きにはオススメの一冊です。続きを読む

    投稿日:2022.07.03

  • ucchi-1

    ucchi-1

    「浪士組」の章で、早くも挫折。そもそも歴史小説が苦手な私。これなら大丈夫と勧められ挑戦。
    ・・・「上洛」?「天領」?「御落胤」? 1ページで3回も?マーク。今はスマホ片手に読めなくないけど、はてなが多すぎる。
    歴史のお勉強し直そう!
    続きを読む

    投稿日:2022.02.05

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