宇宙論と神
池内了(著)
/集英社新書
作品情報
古来、宇宙とは人々が住む村の界隈のことであった。そこで語られる宇宙創成神話が彼らの宇宙観を形成し、やがて太陽や月、惑星などが織り成す秩序立った美しい世界が明らかになると、人間は天と神の存在を結びつけていく。そして望遠鏡の発明を機に、人々が認識できる宇宙は太陽系を越え、銀河宇宙へと広がっていった。天は幾層にも重なった構造を持つことが分かり、そこに鎮座する神は次々と居場所を変え、容易にその姿をつかませない。本書は、宇宙と神の関わりをひもとき、天文学の歴史の中で科学者たちが積み上げてきた宇宙論の変遷をたどる。【目次】はじめに/第一章 宇宙における神の存在/第二章 神ならざる神―神話の世界/第三章 神の啓示―中国、日本、インドの宇宙観/第四章 神に頼らない―古代ギリシャの宇宙観/第五章 神は複雑―アラビアの宇宙観/第六章 神の仕掛け―錬金術と自然魔術/第七章 神の居場所―天と地の交代/第八章 神の後退―無限宇宙の系譜/第九章 神を追いつめて―島宇宙という考え/第十章 神は唯一なのか? 多数なのか?―大論争/第十一章 神のお遊び―膨張する宇宙/第十二章 神の美的な姿―定常宇宙とビッグバン宇宙/第十三章 神の跳躍―インフレーション宇宙/第十四章 神はどこに?―わけがわからないものの導入/おわりに
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商品情報
- シリーズ
- 宇宙論と神
- 著者
- 池内了
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 宇宙学・天文学
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社新書
- 書籍発売日
- 2014.02.19
- Reader Store発売日
- 2014.09.26
- ファイルサイズ
- 0.4MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 3.3 (15件のレビュー)
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古代ギリシャや中国、インドの宗教的宇宙像から現代のダークマターやダークエネルギーが大部分を占めるという宇宙像に至る宇宙観の発展を、(キリスト教的な唯一)神と絡めて解説した本。
少なくとも中世ぐらいまで…は、宇宙の真の姿、システムを追求することが、今では科学と対置されがちな神の居場所を追い求める営みであり、その時々の社会情勢と互いに深く影響しあってきたのだということが読み取れて興味深かった。が、14章の人間原理についての記述には違和感を覚えた。人間原理とは簡単に言えば、宇宙が人間を生み出し得たという条件を用いることで物理定数の「都合の良さ」を説明する説である。筆者は、宇宙が、人間のような誕生して間もない浅薄な存在によって左右される筈がない、として人間原理に反論している。しかし、(僕の理解が正しければ、)人間原理は人間を宇宙の運命を定める至高の存在としてではなく、寧ろ「珊瑚の化石」のように扱っている。つまり、珊瑚の化石が地層から発掘される事が、ある地域、ある年代の気候について何らかの示唆をもたらすのと同じ意味で、人間(知的生命)が地球に存在しているという事実がこの宇宙の性質に関する情報を与えるという訳だ。「地球の気候」が「珊瑚の化石」のような「浅薄な存在」によって左右されるとは誰も考えないだろう。人間の視点を、人間自身の存在をいわば外から眺めるという概念を導入する事で何処でもあり何処でもないような虚空に解消したという意味で、人間原理は人間を至高としているのだと言われれば、そうかなと個人的には思うが。以上、僕が人間原理を確認する意味で長々と書きました。続きを読む投稿日:2020.03.16
第三章あたりまで読んだ。本を図書館に返さないといけなくなったので最後まで読めず、ちょっと残念。いつか続きを読みたい。
印象に残った箇所のメモは以下。
神の変容
「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)」にお…ける「ほとけ」じゃ極めて日本的な宗教観かもしれない。基本的には自力本願であって、その努力を愛でて最後に「顔」をみせてくれるからだ。これに対し、西洋における「神」は少し異なっている。至高の存在であるとともに、自然界を束ね、難問を投げかけたり、試したりして、人間を困らせ挑発し翻弄する存在である。唯一神であるが故に人間に対して自由に振る舞う子ことができ、人間が右往左往する様を天の高みから楽しんでいる。人間は自らの無力さを知りつつも、神に対抗しようと身構え反応する。それに応じて様々な物語が編み出されていくことになる。そのような意味で、神と人間相剋が続いていく動的な宗教観と言えるかもしれない。(p13)
神話時代には、自由闊達な神であったのだが、農業革命以降においては、厳かで自らの絶対性を人々に強要するようになった。(p14)
続きを読む投稿日:2023.10.03
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