新・平家物語(七)
吉川英治(著)
/吉川英治歴史時代文庫
作品情報
源三位頼政は、殲滅された源氏一族にあって、異例といえるくらい、清盛の殊遇をうけた人であった。その彼が、なにゆえ76歳の高齢もかえりみず、平家打倒に起ちあがったのか。そして戦いは断橋の悲痛な叫びを残して終ったが、これを境に反平家の勢力は、燎原の火の如く各地に蹶起する。――伊豆での旗拳げに1度は失敗した頼朝も、鎌倉に本拠を定めて、都を窺う。
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商品情報
- シリーズ
- 新・平家物語
- 著者
- 吉川英治
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 吉川英治歴史時代文庫
- 書籍発売日
- 1989.06.11
- Reader Store発売日
- 2014.08.01
- ファイルサイズ
- 2.3MB
- ページ数
- 458ページ
- シリーズ情報
- 既刊16巻
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この作品のレビュー
平均 4.1 (10件のレビュー)
-
本巻からはようやく主人公の清盛が再登場。後白河法皇幽閉や源頼政父子反乱鎮圧に対して活躍する。
頼政父子の反乱は、前巻の鹿ケ谷山荘事件、後白河法皇幽閉事件に次ぐ大きな平家へのクーデターであるが、これが…義仲京占拠を経て頼朝・義経挙兵へとつながっていく。策に溺れた策士、源行家はドラマや小説ではよく描かれることは少ないが、数々の失敗を経て頼朝の天下取りに繋がったのであるから、その功績は推して知るべしだろう。もちろん、平家に面従腹背していた源頼政もしかり。頼朝はこうした源氏庶流の犠牲なしに鎌倉幕府は開けなかったのだ。歴史には、結果と名を残した人物と、過程において活躍した人物がいる。行家や頼政は後者である。本作品において、こうした後者に充分にスポットが当てられるのは非常に興味深いものである。
頼朝について。平安末期のドラマは弟である義経寄りに描かれることが多い。つまり、信じていた兄:頼朝に裏切られた悲劇のヒーローとしてである。自然、頼朝は酷い兄ということになるのだが、本巻を読んでその素因が理解出来たような気がした。つまり、12、3歳で平治の乱に敗れ、配流の身になったことで、目先の利害で人がよって来たり離れたり、信じていた家臣に裏切られたりと、人心の頼りなさを幼心に深く植え付けられていたのだ。いわば、歪んだ人格形成がなされたことになる。そうなると、たとえ血を分けた兄弟であろうと信じられなくなったのだろう。中央で成果を上げた義経は、嫉妬とともにその犠牲になったのだ。頼朝の酷薄さは前々から不思議であったが、生い立ちを考えると納得が出来た。そうかと思えば、父義朝を騙し打ちした長田忠致が捕虜になって頼朝の前に引き出された際、誰もが打ち首を予想する中、命を助けたばかりか仕官を許すという器の大きさを見せる。もっとも、長田は良いように使われて後でやっぱり捨てられるのであるが…。
さて、源平合戦も本格化。次回はいよいよ頼朝と義経の兄弟初対面。どう描かれるかが楽しみだ。続きを読む投稿日:2012.05.03
以仁王の令旨を持って、遂に頼朝が立つ。序盤は100騎にも満たない軍勢であり、大庭や伊東に大いに苦しめられ、一時は絶体絶命の危機に瀕した。しかし、船上で三浦一族と合流・千葉氏を味方につけるなど、人に大い…に恵まれ、関東圏に一大勢力を敷くまでになった。
清盛も頼朝も当てはまる事だが、天下人には「天・地・人」が必ず備わっていると感じる。福原への遷都・以仁王の乱・後白河法皇の幽閉といった出来事が重なり、世に平家憎しの風潮が広がった天命。関東と京の都の距離が遠く、タイムリーに情報が伝わらない地の利。三浦・千葉といった、地方に根ざした豪族を早くから味方に付けられた人の利。全てが僥倖であり、少しでも歯車が狂っていたら、既に頼朝は九泉の人となっていたかも知れない。天地人を備えた頼朝が、今後どう動くのか見ものである。
また、大河の主人公となっている北条義時も登場し、窮地に瀕した頼朝から一度距離を置くなど、徹底的なリアリストとして描かれている。彼の様な人が居たからこそ、北条執権時代が興ったのだろうと想像できた。彼らの動きにも期待である。続きを読む投稿日:2022.04.09
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