なぜ私はここに「いる」のか
小浜逸郎(著)
/PHP研究所
作品情報
「個の自由」が大手を振るう現代社会。愛のかたちは多様化し、家族のしがらみは否定される。それでも私たちはつながりを求める。たとえ嫉妬や憎悪が渦巻こうとも、この不安な「私」は他者との身体的・情緒的な関係なくしては保てない。だからこそ人は言葉を交わし、心を通わせることで、世界と深くかかわっていこうとするのだ。事実婚、夫婦別姓などの動きを視野に入れながら、個人および社会にとっての結婚・家族、その延長にある国家というまとまりの意義を問い直す。
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商品情報
- シリーズ
- なぜ私はここに「いる」のか
- 著者
- 小浜逸郎
- 出版社
- PHP研究所
- 書籍発売日
- 2003.10.01
- Reader Store発売日
- 2014.07.25
- ファイルサイズ
- 1.9MB
- ページ数
- 232ページ
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この作品のレビュー
平均 2.8 (4件のレビュー)
-
情緒的な意味を含んだこの世界を生きているわれわれの実存のありようを明らかにするとともに、そうした立場に基づいて結婚・家族・国家の意味についての考察を展開している本です。
前半は、著者の実存主義的な立…場が、「いる」という日本語を手がかりに説明されています。著者が手がかりとするのは、ハイデガーの「現存在」とは日本語の「いる」のことにほかならないという、詩人の菅谷規矩雄のことばです。「いる」という語はふつう、「あそこに猫がいる」「彼は走っている」「壮麗な伽藍が並んでいる」のように用いられます。著者はこうした「いる」の用法に検討を加えて、「いる」とは「話し手の身体それ自身が、言葉で直接指示された状況に……参入していることを示している」と述べています。つまり「いる」ことによって、自己と世界は生き生きとした情緒を含むような仕方で結ばれているのです。このことが著者の実存的な立場の根底をかたちづくっています。
次に著者は、結婚・家族・国家の意味を、実存的な身体をもつわれわれがエロス的・社会的な相互承認を形成してゆくプロセスにそくして解明しようと試みています。ヘーゲルは『法の哲学』において、人間の精神が家族から市民社会へ移行し、さらに国家へと進んでいく弁証法的なプロセスを描きました。しかし著者は、これは起源論的な発想に基づいた叙述ではなく、「より高い精神を持った共同体を、私たちは理念としてもたなくてはいけないという、一種の思想的な呼びかけだった」と解釈しています。
近代市民社会の中で「成熟」を問題にする著者の議論の大枠はそれなりに理解できたのですが、ジェンダー論批判などに見られる著者の「結婚」や「家族」についてのセンスは少し窮屈すぎるようにも感じました。続きを読む投稿日:2017.10.03
人間学アカデミーの「存在論」講義の書き下ろしです。
著者は、存在論を他者との情緒的なつながりを西洋哲学が探求不足であるとの視点から論じています。
他者との身体的・情緒的なつながりから存在論を論じ、結婚…、家族、国家というつながりに言及していきます。
私の個人的な感想としては、他者とのつばがりから自分の存在論を論じるのは難しいと考えます。
他者とのつながり云々以前に自分はすでに存在しているのですから。
それをいかに言語で表すか、過去の哲学者を悩ませた永遠のテーマだと思います。
そもそも私とは何なのか?
まずはココを定義できないと他者とのつながりは論じられないと思います。
正直、難解な本です。
哲学好きでないと読めません。
新書としてはハードルが高いと思います。続きを読む投稿日:2012.09.28
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