闇に葬られた歴史
副島隆彦(著)
/PHP研究所
作品情報
歴史とは、いったい何なのだろう? 古代のことはもちろん、戦国時代や江戸時代のことですら、文献(時には絵画)などでうっすらわかるのみで、その真実はどうにもわからない。そして、学界などでは、「このことについては、こういうことになっているのだ」ということでアンタッチャブルにし、思考停止させている向きもあるようである。 つまり、歴史には「触れてはいけないこと」が、たくさんあるのだ。それは、「日本書紀」に書いてあることが(事実のわけがないのに)信じるに足るとされていたり、「本能寺の変」で、なぜ織田信長の遺体は見つからなかったのか・・・・・・というようなことだ。本書で、著者は、こうした日本史の、「みんながこと立てしないようにしていること」にあえて踏み込み、思考を縦横に重ねてゆく。そこから湧いてくるのは、歴史への本当の興味であり、そして、歴史を学ぶということへの醍醐味である。歴史の真の面白さに迫る一冊。
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商品情報
- シリーズ
- 闇に葬られた歴史
- 著者
- 副島隆彦
- 出版社
- PHP研究所
- 書籍発売日
- 2013.11.01
- Reader Store発売日
- 2014.07.11
- ファイルサイズ
- 5MB
- ページ数
- 256ページ
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この作品のレビュー
平均 3.6 (7件のレビュー)
-
副島氏は私が追いかけている著者の一人ですが、彼のカバーする範囲は多岐にわたっています。今回は彼にとっては5冊目となる歴史本ですが、その内容も歴史学界ではタブーとされている真実の歴史について考察されてい…ます。
二部構成で、第一部が戦国時代編、第二部が古代編です、少しは類書を読んできている第一部の方が私にとっては、彼の独特の主張ポイントも理解できて面白かったです。古代についても早く客観視できるようになりたいと思っています。
一部では4つのテーマが取り上げられていて、どれも面白くて全部書きたいのですが、あえて一つ選択するならば、織田信長を殺した真犯人(1章)、徳川家康の正体(2章)を差し置いて、第三章で取り上げられた「本当の戦場はどういうところか」です。
昔から、テレビや映画での戦闘シーンを見るにつれ、子供の頃から「本当にこんな戦い方をしたのだろうか、自分だったらしないな」と思っていました。以前は、自分にはもう武士としての気持ちが分からなくなっているからと諦めていましたが、最近になって実際には、私が思っていたような状況だったのかも知れないと思うようになりました。
それが詳しく書かれているのがこの本の3章です。確かに本当の内容を後世に残すのは「恰好良くない」かもしれないので、新たに創作したくなる支配者の気持ちも分からなくも無いですが、やはり私としては真実の姿を知って、昔の人もやはり似たような考え方をして現代人のように(それ以上に?)必死に生きたことがわかって嬉しかったです。
以下は気になったポイントです。
・織田信長は、スペインとイエズス会の連合(首謀者)と対立して謀殺された、明智光秀はせいぜい共同謀議の加担者に過ぎない、秀吉も同様(p12)
・フランシスコザビエル(イエズス会)は、彼が鹿児島に上陸した時、日本をローマカトリック教皇に献上するという役目を持っていた、その文書はバチカンに保存されている(p15)
・イエズス会は、イギリス・オランダ・ドイツで起こったルター派、カルヴァン派ら、プロテスタントの叛乱に対して、心底から復古主義の闘いを挑んだ人々(p16)
・家康は、ウィリアムアダムスの意見(イエズス会により日本はカトリックとスペイン帝国の属国になる)を取り入れて鎖国を断行した、初めは南蛮貿易を独占することにより得られる巨額の利益を捨てがたかったが(p19)
・ポルトガルは、オランダ・イギリスと三国協商という軍事同盟を結んで、新教国を支援し続けた(p20)
・信長は、当時の地球支配主義者であったスペインとイエズス会の後ろ盾を得て、仏教勢力や旧室町幕府、朝廷、毛利氏を抑えて天下を取った(p21)
・家康は、オランダ国王ウィレム3世からの親書による忠告に従う形で、イエズス会を始めとする、フランシスコ会、ドミニコ会など全てのカトリック教団を排斥する形で鎖国を行った(p24)
・信長が滞在した本能寺に、南蛮渡来の新式火薬で作った爆弾を、本能寺から90メートルという至近距離にあった南蛮寺の展望台から打ち込んだ(p25)
・本能寺は午前4時に包囲されたのに、突然火を発したのは、午前7時、前日までの大雨で湿度が高かったのに、火勢が強くてまだびしょ濡れの本能寺の森の生木まで燃えつくし、民家まで類焼した(p28)
・明智は、「秀吉殿、信長を成敗いたしましたぞ」という密書を持たせた早馬を秀吉の下に走らせている、これは毛利輝元に向けて書かれたものと後世、書き直された、秀吉は口封じのために光秀を殺した(p32)
・復讐心に燃えた憎悪だけが人間を残忍にする、そして殆どは無残な死に方をする(p43)
・世良田元信は、先陣を務めていた松平元康のもとへ、「あなたの息子(信康)を救い出してきた」として岡崎城に入った。そして元康を殺した事件をおこして、成り変わった。その後、浜松城に入って自分の城とした(p47)
・三方が原の合戦で、武田の騎馬軍団にぼろ負けした家康は浜松城に逃げ込んだのに、真実は、武田勢に突撃、突破された皆殺しにされた。落城する直前に、数人を連れて脱出した家康は、茅葺職人の棟梁に隠まわれた。天下平定後、家康はその棟梁に広大な土地を与えた(p54)
・岡崎城は、江戸時代にロクな城主がいない、旧所遺跡にもなっていない。のちに高家といわれる「土井・本多・酒井・吉良・水野氏」は、大きな秘密を知っていた家柄であろう(p55)
・上杉謙信と武田信玄は、信長に暗殺された(p63)
・アメリカには貴族はいてはならないのが国是、アメリカで市民で、「サー」をもし名乗るものがいたら、現在でも反逆罪にかけられる。アメリカはイギリスの王政や貴族制と戦って独立を達成した平民の国だから(p72)
・西南の役で使われた政府軍の武器弾薬は、南北戦争が終わって(1865)大量にアメリカで余って処分に困っていた軍需品、ロックフェラー系(スタンダード石油)の軍需船会社が、岩崎弥太郎(三菱商会)と組んで日本に安値で売った(p77)
・勇ましい戦闘というものは、本当はこの地上のどこにも存在しない。壮烈な戦場の中の白兵戦を戦って、それでも生き残った英雄はいない。全部みんな死んでしまう(p86)
・戦国時代の本当の戦争は、乞食のような百姓の群れを捕まえておいて、戦闘が始まる直前に前線の一番前にまとめて放った、これが本当の戦争(p87)
・2003年からイラクサマーワに派遣された自衛隊員が死亡した場合の危険手当を9000万円に引き上げた、これが現実である。農業だけが収入源の時代、武士たちが喜んで死に行ったことはあり得ない(p97)
・太平洋戦争で多く死んだのは、20歳ちょっとの兵隊、南太平洋戦争でも実際は激しい交戦はほとんどなかった、1944年からの南方戦線では1万人規模の一個師団が数時間のうちに壊滅という状況、30歳から上の古参兵は自分の生き残り方を知っていた(p99)
・豊臣秀吉は、信長に倣って大阪と堺の豪商が南蛮貿易で築いた富を上納させて資金調達した(p116)
・日本国が世界史にでるのは2回、1回目は1543年鉄砲伝来=日本発見、2回目は1905年、日露戦争のみ(p129)
・天智天皇が668年に初めて「日本」という名称を使って、「倭」という言葉はなくなった(p136)
・国際連盟の発足(1919)と同時に、それまであった5つの帝国(オーストリアハンガリー、清、オスマントルコ、ロシア、大英帝国)が滅んだ(p148)
・欽明天皇の任那滅亡(562)により、朝鮮半島の権益が失われ、日本が中国皇帝の臣下になっている理由がなくなった(p163)
・次世代の華僑の王、天武が、倭人・天智派に反逆の逆襲をかけたのが、672年の「壬申の乱」である(p193)
・万葉集は4期に分かれる、柿本人麻呂・天武天皇・山上憶良・大友家持であり、4期の大友家持をもって全体の編纂者としている。第一期では、漢文のままm(p232)
・紀貫之は土佐日記(万葉集成立:749からさらに150年後)を仮名の散文で書いた、古今和歌集の序文を、仮名(日本語)と、真名序(漢文)の両方で書いた、ここに日本語が完成し、当時の日本の中国人(華僑)は、完全に中国本土から自分たちを切断した(p233)
2013年11月17日作成続きを読む投稿日:2013.11.17
このレビューはネタバレを含みます
副島さんの日本の歴史研究本です
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第1部戦国・江戸時代編
第1章信長を殺害したのはイエズス会・ローマ・カトリック勢力
第2章徳川家康
徳川家康すり替え説
第3章本当の戦場とは
幕末明治初期の日本は、アメ…リカの南北戦争の余剰物資や兵器の後片付けの処分の戦争経済ために、イラク戦争、アフガニスタン戦争と同じように、日本国内で日本人同士で凄まじい殺し合いをさせられた。
第4章松尾芭蕉
間宮林蔵の功績
第2部古代編
第5章現在はアメリカの属国王
第6章日本は漢代の華僑が作った
「日本史の誕生」の岡田英弘学説を支持する
5世紀までの韓半島には、日本と同じでまだ国家の形成はない。だから朝鮮人や韓国人の渡来という考えはおかしい。渡来人(帰化人)とすべきは、紀元1世紀の前後から日本にやってきた古代中国人(漢人)たち、いまでいえば華僑のことである。
華僑の居留地の周りにできた集落が国になっていった
難波の仁徳天皇陵など倭の五王が発掘調査されれば、日本にも遊牧民(騎馬民族)がきていた証拠がゴロゴロと見つかるだろう。
古代から東アジア全体に浸透する華僑ネットワーク
現代の東南アジアの暴動とも通じる、反華僑運動としての「大化の改新」
663年の白村江の海戦での敗北後、日本列島が中国大陸と韓半島から断絶し、倭国の華僑たちに日本建国を促した
第7章聖徳太子は蘇我入鹿である
聖徳太子はいなかった「聖徳太子非実在説」
物部氏も蘇我氏も華僑系。
「大化の改新」で中大兄皇子(天智天皇)と共同してクーデターを実行した藤原(中臣)鎌足は、白村江の戦で滅亡し日本に来た百済の王子だった余豊璋が中臣鎌足その人。
彼は戸籍制度や近江律令を中心になって作った。
根拠として、蘇我入鹿が殺される時に、「韓人が我を刺殺せり」と絶叫したと「日本書紀」に載っている。唐人とは書いていない。
当時の東アジアの情勢は、現在の日本、中国、北朝鮮、韓国とそっくりで、まるで写し絵を見ているよう。続きを読む投稿日:2022.10.27
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