悪の出世学 ヒトラー、スターリン、毛沢東
中川右介(著)
/幻冬舎新書
作品情報
権力を握ることは悪ではないが、激しい闘争を勝ち抜き、のしあがった者に“ただのいい人”はいない。本書は歴史上、最強最悪といわれる力を持った三人の政治家――ヒトラー、スターリン、毛沢東の権力掌握術を分析。若い頃は無名で平凡だった彼らは、いかにして自分の価値を実力以上に高め、政敵を葬り、反対する者を排除して有利に事を進め、すべてを制したか。その巧妙かつ非情な手段とは。半端な覚悟では読めない、戦慄の立身出世考。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 悪の出世学 ヒトラー、スターリン、毛沢東
- 著者
- 中川右介
- 出版社
- 幻冬舎
- 掲載誌・レーベル
- 幻冬舎新書
- 書籍発売日
- 2014.03.01
- Reader Store発売日
- 2014.05.09
- ファイルサイズ
- 1.3MB
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.6 (27件のレビュー)
-
20世紀屈指の独裁者、「ヒトラー」「スターリン」「毛沢東」
彼らの出生や幼少時代、そして組織内にて上り詰めていく過程と、どのように絶対的権力を確立・駆使して行ったかを考察した本。
こちらも現在読書中の…「我が闘争」の参考文献として併読したが、自分でもびっくりするぐらいの名著だった。
ただ強いて言うなら、これほどの歴史人物3人の人生をまとめ上げることは、たった1冊の短い新書では不可能だったという点かな・・・
些か途中で明らかに端折っていた部分があり、そこが少し不足気味だった。
当たり前だが、3人とも目標をしっかりと持って、それに向かってアクションを起こしているんだな。
プランニングと行動力が自分とは大違いです・・・トホホ
・3人の共通点
①元々権力者だったわけではなく、叩き上げで組織のトップを掴み取った。
②裏切り者や敵に対して一切容赦がない。
③実父と仲が悪く、憎んでいた。父親の愛情と無縁に育った幼少期の家庭環境に問題あり?
④自分に矛先が向かないように、うまくかわす(逃げる)能力に長けていた。
「20世紀の独裁者」というくくりでは似たような3人だが、国も文化も違う為、当たり前だが各々違ったスキルを持っている。
では次に、それぞれのスキルについて細かくまとめてみよう。
1.スターリン
グルシアの貧しい靴職人の息子から、ソ連史上最大の権力者になるという大出世を果たした。
しかし同時に、史上最悪の犯罪者として歴史に名を連ねてしまった。
ただ、スターリンの悪行の数々については他の二人以上に不明確な事が多い気がする。
本当に彼がやったのか?
死亡(暗殺?)数年後にソ連が発表した内容を元に話が構築されている為、どこまで真実だったのか?
陰謀論の存在を疑ってしまう。
そういった理由から、彼が本当に史上最悪の犯罪者だったのか、ただの冤罪人だったのかは永遠に謎のままだと思う。(これを言っちゃ本末転倒だけれども)
スターリンの基本戦略は以下の3点。、
①皆が嫌う地味な仕事、面倒な実務を引き受けて組織の全貌を把握、自分なしでは組織が動かない状況を作る。
また、危ない仕事や汚い仕事も率先して行い、そこに付け込んで相手の弱みを握り出し、屈服させる。
②確固たる思想がなく、自分の意見を持たない、「風見鶏」のような存在。
多数派がどちらか場の空気を読む能力に長けており、最後まで喋らず、意見を分類・比較・まとめた上で最も支持を得そうな他人の意見を自分の意見として採用する。
考えを持たない事で党内抗争で常に勝利してきた。
③組織内において、目立ちすぎない。無能を装い自分を過小評価させることで相手の油断を誘い、また嫉妬させない。
「面倒な仕事を引き受ける」
「風見鶏のような思考を持つ」
「組織にとって自分自身を替えの利かない存在にする(自分しか出来ない仕事を保つ)」
「目立ちすぎず、無能を装い相手の油断を誘って尚且つ嫉妬させないようにする」
スターリンの戦略こそ今日にも通じる1番の出世学・処世術ではないだろうか?
党内幹部を完全盗聴することや、容赦ない粛清は頂けないが、非常に参考になった。
・ヒトラー
本著を見ると、自著である「我が闘争」がいかに脚色だらけであったかが一目瞭然。
彼が「我が闘争」にて否定的だったもののほとんどが、彼自身の失敗談や挫折をひた隠しにしたり、解釈お良くする為に自身の育ちを極貧と偽ったあたりなど、「我が闘争」はもはや「偽りの自伝」に他ならない。
コンプレックスが相当すごかったのか、当時の時代背景がそうさせたのかは今はもう調べようがないが、そのあたりにヒトラーの「小物っぷり」を感じてならない。
しかし、そんな彼がここまでのし上がれた事実こそ、本著の考察が気になるところである。
ヒトラーの基本戦略
①凄まじい自己ブランディングと、「オール オア ナッシング」。
トップ以外に興味がなく、それ以外の座を求めないところが出世学の根底にあった。
②弱い相手としか戦わないため常に勝利する。また弱い相手を見極める力を持っていた。
③権力を握るまでに必要だった仲間でも、権力を手中に収めた後は容赦なく粛清した。(昨日の友は今日の敵)
ヒトラーがどういう人間性だったのか、今となってはもはや分からない。
しかし彼がブランディングと称する戦略のほとんどが、今日では「張子の虎」と思えてならない。
(ブランディングに関しては、奇しくもスターリンとは正反対の考え。)
絶賛されている演説能力の高さや、その際の些細なテクニックなどは、機会があれば是非参考にしたいと思う。
・毛沢東
言わずと知れた、「中華人民共和国の建国の父」。
また、「中華民国最後の帝王」その人である。
①文才や広告能力に長けており、感動的なスローガンで人身掌握する。
②敵は強い時はじっと待ち、持久戦に持ち込むゲリラ戦法を得意とする。
③裏切り者に対しての粛清=殺戮ではなく、こちら側への懐柔を行なったり、それでも翻らない反乱分子も解放するなど、長期的な視野でのイメージアップを行なう。
前述の二人とはやや一線を画す存在の独裁者である。
「感動的なスローガン」とひとくくりにされているが、毛沢東のカリスマ性や立身についていかなる戦法が用いられていたのだろう。
本著には毛沢東のみやや記述が少なかった為、時代背景も含めてまた別に調べてみようと思います。続きを読む投稿日:2017.09.26
歴史上最も人を殺したと言われるヒトラー、スターリン、毛沢東のそれぞれの出世方法を分析解説したものであり、やはり普通は真似たくてもできないのであろうが、他に考察すべきは、そういった圧倒的な権力者が現れ…た時に、その者から逃れるよりも、人はその者を恐れ、命令に従ってしまうのであろう。その命令が人を殺すことであっても。それは命令に従わなければ、自身の命の危険があるからというよりも、まるでマインドコントロールされたみたいに正常な考えができなくなるのであろう。
いまだプーチンや習近平など絶対的権力者が国を牛耳っており、ロシアはウクライナへ侵攻し、台湾情勢も安定性を見せない今日において、この三人については、もっと研究すべきではなかろうかと思われた。続きを読む投稿日:2024.03.28
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。