かつお節と日本人
宮内泰介(著)
,藤林泰(著)
/岩波新書
この作品のレビュー
平均 3.5 (9件のレビュー)
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けっこう鰹節のイメージが変わりました
かつお節に漠然と抱いていたイメージを改めさせてくれた好著です。
伝統食品と言われつつも、庶民の食卓にはいってきたのは割と最近で(こういう食材は他にもいろいろあるかもしれません)、パック入り削り節や風…味調味料の登場もあって今日に至るまで消費量は右肩上がりに伸びています。また日本の南洋進出とかつお節の歴史にも注目です。ミクロネシアの島々に沖縄漁民が移住してかつお節を作っていたとは知りませんでした。続きを読む投稿日:2014.05.04
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かつお節に漠然と抱いていたイメージを改めさせてくれた好著。伝統食品と言われつつも、庶民の食卓にはいってきたのは割と最近で(こういうのは他にもいろいろあるかも。昔の食はきわめて質素である)、パック入り削…り節や風味調味料の登場もあって今日に至るまで消費量は右肩上がりに伸びている。また日本の南洋進出とかつお節の歴史も知らないものだった。
・三枚におろした半身から作ったのが亀節。大きめのカツオはそれをさらに背と腹の4枚に切り分けて、そこから作ったのを本節とよぶ。
・カビ付けも整形もしていないのが荒節。パック入り削り節た風調の原料に。
・現在と同じようなかつお節が作られだしたのは17世紀終わりごろの土佐と考えられている(原始的なスタイルのものはもっと昔から全国にあったよう)。そこから紀州など日本各地に製法が広まっていった。まずは上方、ついで江戸が大消費地として確立したので、いわば輸出産業であった。明治になるまで、教師を招いてかつお節製法を学ぶ産業振興が各地で盛んであった。
・焼津は江戸時代からかつお節産地ではあったがマイナーな存在だった。明治になって村松善八(のちに柳屋本店をおこす)が魚商組合を取りまとめて一大産地になった。
・中西部太平洋海域では一年中カツオの群れが回遊している。そこから一部が四月下旬ごろ黒潮に乗って日本近海へ北上してきて、秋になると逆コースで戻っていく(戻り鰹)。南洋のカツオの方が脂が乗っていないので、花カツオに向く(ホワホワして見栄えがよい)。
・明治の終わりごろに沖縄、台湾。WW?後に南洋がかつお節生産地に加わってくる。沖縄漁民は、安い人件費のほかに、餌漁もこなす器用さ(本土のカツオ漁民は分業制のためよくやらん)が重宝され、南洋でのカツオ漁、かつお節生産の主力となった。景気がよかったので南洋自体には戦争を除けば良い思い出がある人が多いよう。
・南洋のかつお節製造業者は、戦争中は糧食としてかつお節を作った。
・「皇道産業焼津践団」の悲劇。戦争で漁船を供出してしまったので、南洋まで進出してのかつお節製造を狙った。1942年から44年にかけて約620名に登る団員をフィリピン、ボルネオ等に送り出した。約半数が再び日本の土を踏むことはなかった。
・生産技術の革新、業界全体で取り組んだ焼津で起こる。
1960年、整形に使う削り機械(グラインダー)。熟練の職工が不要になり効率4倍に。
1966年、頭切り機。
・売り方の革新、にんべんによる「フレッシュパック」発売。1969年。
・高知、宮城などは衰えていき、枕崎・山川(鹿児島)、焼津が三大生産地となった。
・ブライン凍結による南洋カツオの原料使用。外国船がつけて入札にかけたり。タイが缶詰生産国なので競合関係。
・長い試行錯誤を経てインドネシアなどでの現地生産へ。
・にんべんは業界では別格みたい。品質にこだわる卸。続きを読む投稿日:2018.11.05
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