母は娘の人生を支配する なぜ「母殺し」は難しいのか
斎藤環(著)
/NHK出版
作品情報
すべての母娘問題に悩む女性たちに贈る待望の1冊!
娘を過剰な期待で縛る母、彼氏や進路の選択に介入する母・・・娘は母を恨みつつ、なぜその呪縛から逃れられないのか?本書では、臨床ケース・事件報道・少女まんがなどを素材に、ひきこもり・摂食障害患者らの性差の分析を通して、女性特有の身体感覚や母性の強迫を精神分析的に考察し、母という存在が娘の身体に深く浸透しているがゆえに「母殺し」が困難であることを検証する。「自覚なき支配」への気づきと「自立」の重要性を説き、開かれた関係性に解決への希望を見出す、待望の母娘論。
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この作品のレビュー
平均 3.8 (32件のレビュー)
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今日までに図書館に返却せねば、でかなり斜め読み。
なぜ母娘関係は複雑なのか、分かったような気になる。「身体性」がキーワード。
墓守娘はかなり具体的なストーリーで、それを踏まえてこれを読むとすんなり。そ…れでもある程度精神分析を知っているという前提で話が進むので、難解とも。
以下引用
女性性とはすなわち身体性のことであり、女性らしさとは主として外見的な身体性への配慮です。それゆえ女の子のしつけは男の子の場合とは異なり、他人に気に入られるような身体の獲得を目指してなされます。このため母親による娘のしつけはほとんど無意識的に娘の身体を支配することを通じてなされがちです。
身体的な同一化による支配において、母親は時に、娘に自分の人生の生き直しすら期待します。こうした支配は、高圧的な命令によってではなく、表向きは献身的なまでの善意に基づいてなされるため、支配に反抗する娘たちに罪悪感をもたらします。しかし母親による支配を素直に受け入れれば、自分の欲望は放棄して他者の欲望を惹きつける存在(おしとやかでかわいい女性)という女性らしさの分裂を引き受けなければなりません。それ故母親による支配は、それに抵抗しても従っても、女性特有の空虚さの感覚をもたらさずにはおかないのです。
この文章に本書の内容が凝縮されてると思う。続きを読む投稿日:2012.09.05
このレビューはネタバレを含みます
※別な本の感想です
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「母と娘はなぜこじれるのか」が登録にないので、代わりにこちらを登録。
私の私見では、息子は、育ててもらってありがと〜じゃあねーと、親(母)とは個と個で一線を引いて、成長後は戻っ…てこない、あっさりしているイメージ。全然親のことについて知らないってことも。生物として独立しているって感じ。
息子に母親は片思い必至なのかもしれない。
それは男性は体の認識がないからとのこと。←よくわからなかった
娘は母と一体感が成長の過程で約束されている、母がお手本として観察されるし自分と同一視してしまう生き物っぽい。
共感性が武器の女性ならではの生存戦略?なのかも。故に子供には自分の生き直しの願望や、親からの育て方に反発して自分は違う方針で育てたり、かなり子育てに自分を投影する傾向。
子育てしてても、女の子を育てるのに母親の責任は重大だなと思う。最初は育てやすくていいんだけど思春期からが難易度高いのが女子。
でなんだかんだで親を見捨てきれずに罪悪感を感じて心配し続けてくれる、関わりを切らないのが娘。毒親持ちには悲しい性かな。
読んで思ったのは、息子が離れていこうが、娘が一体感を持って育とうが、母親自身が一人の人間として独立している個として存在することの重要さだと思った。
いち人間として面白い、深みのある人間にならないといけないと思った。(自分と子を切り分けて考える、仕事を持つ、趣味を持つ、コミュニティをもつ)大人になったら対大人として話せるように。
娘に依存したりまずい育て方するとか、あると思うけど、それをすこしでもマシに、また将来子供が離れていくとき母親自身が気持ちを自己管理できるために、子育てしながら自分も育てていかないと辛いと思う。
続きを読む投稿日:2022.11.21
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