人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス
フロイト(著)
,中山元(訳)
/光文社古典新訳文庫
作品情報
人間には戦争せざるをえない攻撃衝動があるのではないかというアインシュタインの問いに答えた表題の書簡と、自己破壊的な衝動を分析した「喪とメランコリー」、そして自我、超自我、エスの三つの審級で構成した局所論から新しい欲動論を展開する『精神分析入門・続』の2講義ほかを収録。第一次世界大戦の衝撃をうけた精神分析理論の再構築の試み。
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商品情報
- シリーズ
- 人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス
- 出版社
- 光文社
- 掲載誌・レーベル
- 光文社古典新訳文庫
- 書籍発売日
- 2008.02.01
- Reader Store発売日
- 2013.12.20
- ファイルサイズ
- 0.4MB
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この作品のレビュー
平均 4.1 (20件のレビュー)
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訳は平易だけど、私にとって内容は難解でした
心理学についての私の知識は、大学の教養部時代に囓った程度です。当時は岸田秀の著作を読みふけった覚えがありますが、やはりこの本は、少々私には難しい一冊でした。
内容は書籍説明にあるとおり、表題の「人…はなぜ戦争をするのか」の他は、精神分析入門の続編にあたる講義であって、まず、そちらに挑戦すべきでありました。
もっとも、訳者でもある中山元氏が、かなり詳しく丁寧な解説が付いてくれてはいます。また、「人はなぜ…」に限って言えば、100分de名著ムック「平和について考えよう」において、斎藤環氏がより簡単で、かつわかりやすく解説しているので、そちらも参考にすると良いでしょう。
まず、「人はなぜ…」の方ですが、そもそもアインシュタインとの往復書簡でありますから、私のような凡人が、20世紀の知の巨人達のやりとりを簡単に理解できるわけがないのですよね。とは言え、戦争になると、国家が不正を独占しようとする(詳しくは本文参照)等という指摘は、すんなり理解できますし、「生への欲動(エロス)」と「死への欲動(タナトス)」により、戦争が存在することは仕方がない、と解き明かされると、さもありなんと思ってしまいます。それで、私はちょっと絶望的になったわけですが,先に紹介した斎藤環氏は、もっと深く読み込んで、文化こそが希望の光となる、とフロイトは主張しているとのことです。私の読解力のなさですね。
他の項目についても、なかなか興味深いものがありましたよ。喪と鬱の話などは大変面白かったのですが、いかんせん、私の知識が足りなさすぎました。「肛門愛」等という語句が出てきて、別分野の卑猥なことを想像するようでは、何をか言わんや、話になりませんよね。
とにかく、もう少し予備知識を身につけ、再度、読んでみたいと思います。続きを読む投稿日:2016.09.11
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フロイト 欲動論と局所論から「人間はなぜ戦争をするのか」について論じた本。
人間の自己破壊の欲動と道徳的人間に至る過程を解明している。表題以外は専門的だが、訳者 中山元 氏の解説のおかげで 読…めた
フロイトの人間像、戦争に対する態度、戦争における国家像は いずれも悲観的。まずは 最悪に備えよ というメッセージとして捉えた。人間に希望を残すキーワードとして、文化の発達、他者愛(ナルシズムからの脱却)、超自我を取り上げ、道徳や良心の源泉として論じている
鬱病に見られる自己破壊欲動(死の欲動)と超自我の対立を見ると、死の欲動の強さを実感する。フロイトの「人間は他者を犠牲にしてでも自分の欲望を充足しようとする〜戦争はなくならない」という論調も うなずける
フロイトの人間像
*人間は他者を犠牲にしてでも自分の欲望を充足させようと願う存在
*人間は 死の欲動(破壊欲動)により戦争をやめることはできない
*生の欲動(エロス欲動)に働きかけ文化の発達を通じて、戦争に反対する道徳的人間の余地は残している
フロイトの戦争に対する態度
「戦争が存在することに諦めを抱き、戦争に自分を合わせていくべき」
フロイトの戦争における国家像
「国家は 国民に最大限の服従と犠牲を強いておきながら秘密主義と報道や言論の検閲によって 国民の行動能力を剥奪する」
戦争に反対する道徳的人間像(利己主義から利他主義への変貌)
*利己的欲動がエロス的な成分と混じり、他者からの愛を求めることにより、社会的欲動に変貌する
*教育により利己的欲動の放棄を学ぶ
文化の発達は 人間の良心や道徳の根となる
*人間の文化は〜愛する者の死によって誕生した〜愛する者の死の辛さに耐えるために、人間は霊魂を思いついた
*愛する者の死は、疎ましさを自覚されることで、罪意識の根源となり、良心や道徳の根となる
鬱病に見られる自己破壊欲動(死の欲動)と超自我の対立
*喪の仕事の失敗(超自我の欠乏)は鬱病まで悪化する
*喪の仕事=愛する者に向けられたリビドーの再転換の営み
続きを読む投稿日:2022.03.19
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