この作品のレビュー
平均 3.5 (24件のレビュー)
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・現代思想のパフォーマンス
P326
フロイトの例によれば、「母親の不在」という幼児にとっては極めて根源的な喪失経験に動機づけられて、幼児は記号操作の習得のやむなきにいたる。
母親と想像的に癒合して…いた幼児にとって、母親との離別の苦痛は耐えがたい。幼児にとって想像的他者の不在が「名づけえぬもの」であるかぎり、それがもたらす喪失感は世界の崩壊に等しい。
しかし、「母の不在」を言い表す記号を幼児が獲得し、その記号が他者に認知され、理解されるようになると、「母の不在」という経験のもたらす苦痛は緩和される。苦痛は、苦痛そのものであることをやめて、苦痛の記号になるからである。「母が存在しない」と幼児が宣言するとき、「母の不在」は「母の不在」というなまなましい事実であることをやめて、「母の不在という物語」に書き換えられる。
このパートは一見すると難しいが、よく読むと、非常に普遍的なことが書いてある。私たちが記号操作をするのは、経験に一定の距離を置くためであり、経験に一定の距離を置くことは、苦痛の緩和をもたらす。
簡単な例でいれば、例えば、会社をクビになったとすると、そのことを誰にも話さなければ、それはなまなましい経験であり、ただの苦痛である。しかし、それをひとたび友人に相談するなり、Twitterに書いてみると、それは記号となり、物語に書き換えられる。
オードリーのオールナイトニッポンを10数年続ける若林正恭さんも、一種のラジオ脳が、人生を救うとなにかに書いていた気がする。何か、テレビでよくない事があっても、ラジオがあるから、面白おかしく物語にすることができる。ラジオによって救われた困難や苦痛があると。
幼児の記号獲得という原初的なお話でこそあるが、私は、多くの不快や苛立ちは、記号の欠乏によるものであるという一種のポリシーがある。なにかイライラしているとき、イライラしやすいときは、記号を摂取する。つまり、本を読むのである。それも、文学や哲学など、私が今まで分節化を試みたことのない概念や言語化を試みたことのない言葉が書かれた書籍を、じっくりと数行読む。そうすると、純粋な言語の摂取という体験がフラストレーションを減少させることはままあるのである。どうしても納得いかないときは、自分でも言葉にしてみる。苦しいことがあってもそうである。
我々が記号を使う理由が、経験と一定の距離を置くためであるとすれば、それはもちろん日常にもいかせるはずであり、生かされるべきであろう。続きを読む投稿日:2021.03.04
[フェルディナン・ド・ソシュール]
フェルディナン・ド・ソシュールのシンフィニアン(意味するもの)、シンフィニア(意味されるもの)およびシーニュの考え方はよく理解できた。ただ、「イヌの音響」と「イヌ」…で説明するよりは、『寝ながら学べる構造主義』に出てきた「みかんの皮(シンフィニア)」と「将棋の歩(シンフィア)」の例えの方が私には分かりやすかった。
1.人間に固有の言語能力: ランガージュ
2.共同体で使われる国語体: ラング
3.それぞれの話者が発話するときの音声の連続: パロール
「ことばはモノの名前ではない」という基本的な考え方は応用がたくさん利きそうだ。
[ロラン・バルト]
言いたい事は伝えられない。「書く」行為により言いたいことがせき止められる。言う気の無いことが紛れ込む。
自然と思いこんでいるものが、実は仮想された「制度」である。
エクリチュール:社会的な集団が正しい言葉の使い方として集団的に承認したもの。
(例)
ぼく-おれ
まま-おふくろ
「おれ」「おふくろ」と発することにより、その集団特有の資質を受け継ぐ
ソシオレクト:一度は選択されるが、ただちに惰性化するエクリチュール
[ミッシェル・フーコー]
「現実」への疑い 私達の「現実」は過去の積み重ね
系譜学 例、地層...古い地層の上にある。
歴史学:つぎつぎと起こる事象をつないで、その連続性を明らかにする学問
系譜学:歴史学がなぜ、どのようにして「歴史=連続体」と考えるに至ったか、そのプロセスを歴史的な観点から明らかにする学問
「系譜学は起源の探究に反対する学問」
「人間を知らない間にあやつり。支配・被支配の対象に変えてしまう目に見えない力の働き。
ベンタムの一望監視施設
"権力の内面化" "現実の服従は、虚構の関係から機械的に生まれる"
真理とは...論駁できない種類の誤謬。真理は権力のメカニズムから生まれる。
[レヴィ=ストロース]
返礼
サルトルー>カミュ批判(1952)
レヴィ=ストロースのサルトル批判
交換と譲渡
あいさつ:返報性の原理
[ジャック・ラカン]
精神分析フロイト
鏡像段階論
難解?
[エドワード・サイード]
パレスチナ、オリエンタリズム続きを読む投稿日:2022.02.04
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