暴落ドミノ 今すぐ資産はこう守れ!
澤上篤人(著)
/明日香出版社
作品情報
今は買い場ではなく、売り時だ。
新NISAにも手を出してはいけない!
好調な株式市況や新NISAの開始に伴い、株式投資による資産形成を考えている方も多いことでしょう。
ただ冷静に考えてみると、現在の市況は、大金融緩和下(日本はマイナス金利政策)によるカネ余りを背景にして起こっていることで、決して健全な状態とは言えません。
果たしてこのまま順調な市況が継続していくのか・・・?
そのあたりの見立てを、生粋の長期投資家として、52年に及ぶ投資経験をもとに筆者に書き下ろしてもらったのが本書です。
バブル後30数年ぶりの高値を更新している今だからこそ、片方で冷静な視点も持っておきたいものです。
筆者の見解はとんでもなく悲観的です。しかしその根拠や見立ては、半世紀以上の運用経験に基づくもので、説得力があります。
長期の資産形成のためには、大ダメージはなんとしても避けたいところ。いっときの儲けにぬか喜びせず、しっかり資産を築いていきたい人には必読の内容です!
(「はじめに」より)
金融緩和バブル、そう言っていい展開だが、もういつ大崩れをはじめてもいい。その先では、あらゆる金融商品で大暴落の連鎖は免れない。それは、経済合理性のしからしめるところである。
経済合理性が働く? そう、経済では勢いが強まって、ひとつの方向へ行き過ぎるのは、よくあること。しかし、その間にも反動エネルギーは着々と蓄積されていっている。そして、どこかで力関係が拮抗し、逆に反動エネルギーが勝りだす。そこで勢いの方向が反転する。
それを、経済合理性が働いたという。ちょうど、ゴムが引き伸ばされるにつれて、縮もうとするエネルギーがどんどん蓄えられていくのと同じだ。そして、どこかで反転エネルギーが勝って、ゴムは一気に縮む。
ゴムが伸び切って、プチンと切れてしまったら、どうなるのか? それが、歴史に残る「なんとかショック」とされるバブル崩壊である。
■目次
第1章 暴落はもう、秒読み段階だ
第2章 ひずみが次々に顕在化する世界経済
第3章 金融緩和の果てに
第4章 どこから崩れだしてもおかしくない
第5章 暴落ドミノ、どう乗り切るか
第6章 機関投資家運用の落とし穴
第7章 これが本物の長期の資産形成だ
第8章 金融のプロは、資産運用がわかっていない
■著者略歴
さわかみホールディングス代表取締役、さわかみ投信創業者。1971 年から 74 年までスイス・キャピタル・インターナショナルにてアナリスト兼ファンドアドバイザー。その後 79 年から 96 年までピクテ・ジャパン代表を務める。96年にさわかみ投資顧問(現さわかみ投信)を設立。販売会社を介さない直販にこだわり、長期投資の志を共にできる顧客を対象に、長期保有型の本格派投信「さわかみファンド」を99年に設定した。同社の投信はこの 1 本のみで、純資産は約 3900 億円、顧客数は 11 万 8000 人を超え、日本における長期投資のパイオニアとして熱い支持を集めている。著書多数。
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商品情報
- シリーズ
- 暴落ドミノ 今すぐ資産はこう守れ!
- 著者
- 澤上篤人
- 出版社
- 明日香出版社
- 書籍発売日
- 2024.01.31
- Reader Store発売日
- 2024.02.02
- ファイルサイズ
- 15.1MB
- ページ数
- 320ページ
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この作品のレビュー
平均 2.5 (2件のレビュー)
-
今年(2024)2月に発行された本で2月中に読み終えた本ですがレビューを書くのが4月になってしまいました。自分が納得するファンドを作ろうと独立して証券会社を作った澤上氏によって書かれた本です。5年以上…前から彼の本が出るたびに拝読していて、この本で10冊目となります。
社会人になってから少額ですが様々な「資産運用」を経験してきました、個別株に手を出したこともありましたが、なかなか難しかったです。それならとファンドも経験しましたが、外国ファンド、ヘッジファンド等、為替変動や手数料を考えると「トントン」だったように記憶しています。そんな中、毎年確実に実績を積み上げてくれたのが、さわかみファンドでした、
この本においては、そのファンドの紹介をしていませんが、そのファンドがどのような株で構成されているかについては、触れられていると思います。連日のニュースでは、日経平均が、私が社会人1年目に記録した値を超えたとのニュースがあり、米国株も上昇しているようですが、巷では暴落説も流れています。筆者である澤上氏によれば、どんなに暴落局面を迎えようとも、生活に密着したもの等を提供している会社の株は、一時的に下がることはあっても必ず元に戻ってさらには成長していくとのことです。これは毎月少額でも積立をする方法には最適の資産が増える方法のようですね。
この2年間で世界的にも様々な動きがあって株価への影響も大きくなると思います。その中で最適な資産運用の方法を見つけていきたいものだと、この本を読んで認識を新たにしました。
以下は気になったポイントです。
・60年代半ばから米国の多国籍企業の余剰マネーが、世界あちこちで滞留し出した、それで「ユーロダラー市場」と呼ばれたオフショアマーケットが自然発生した、これが過剰流動性の走りである、経済を立て直すため、非産油国は公共投資をはじめとして大量の資金を経済の現場へ投入した(p48)米国政府が正式に景気回復を宣言したのは、1992年8月、それまで19年間、米国民は惨憺たる生活を強いられてきた(p53)
・2021年夏まで世界にインフレのイの字もなかったのは、グローバル競争の進展によって、工業製品や農産物の価格が低く抑ええられてきたから(p58)工場やプランテーションでの生産コストをさらに引き下げていった、この図式は新興国や途上国からの富の収奪に他ならない、これが世界経済のグローバル化の裏で、じわじわと進んでいった(p62)
・国民皆年金制度が整備されているのは先進国のみ、そして先進国では高齢化という問題を抱えている。先進国では10年程前から毎年の年金積立額よりも給付額の方が多くなっている、積み上がる一方だった年金マネーだが、すでに準流出に入っている(p93)
・国際金融協会(IIF)によると、世界の債務残高は2023年6月末時点で、307兆ドルと過去最高を更新した、リーマンショック前から70%増えている(p97)それは、ゼロ金利やマイナス金利の産物と言える。世界経済の363%という途方もない規模にまで膨れ上がっている(p98)
・ゼロ金利時代に買い上げられた株式、債券はもちろん、あらゆる金融取引は現在のフェアバリューから見て高すぎる、長期金利で4%台、短期金利で5.25%をフェアバリューとされる水準まで売られることになる(p101)
・日本では1980年代後半の土地、株式投機のバブルが90年代に入って崩壊した、これにより1160-1200兆円の資産減少(日本経済の2.2-3倍)が発生した、この資産デフレをなんとか埋め合わせしようと、国は1992年の総合経済対策を皮切りに、総額で600兆円に近い経済対策予算を計上してきた。超金利政策、ゼロ金利政策により、個人の預貯金勘定から推定すると、600兆円もの利子収入を、この30年で家計から奪ってきたことになる。日本はようやくデフレ現象を脱出したと言われるが、バブル崩壊による資産デフレの穴埋めを30年間やってきたことになる。日本のデフレ現象の正体は、バブル崩壊による資産デフレである(p115)
・これから始まる金融緩和バブル崩壊では、リーマンショック時と同じ手は打てない、先進国の借金は著増してるし、中央銀行も財務を大きく肥大化させている、世界的なインフレ圧力で金利は上昇してきているので、その中での資金不足(デフレの先には信用収縮があ流ため)となるので、金利は跳ね上がることになる(p119)
・日銀の国債購入の大半は金融機関から買い付けている、その購入代金は現金で支払わず、日銀の当座預金として預かっている、2012年(50兆円)から増えて、2023年(500兆円)となっている、総資産(700兆円)(p133)
2024年2月27日読了
2024年4月5日作成続きを読む投稿日:2024.04.05
このレビューはネタバレを含みます
機関投資家は無責任。上がっているときも下がるときも相場についていくだけ。暴落に加担する。
レビューの続きを読む
年金マネーは一番の買い手。年金が整備されているのは先進国だが、高齢化で売り手になる。いまのところ年金売りは脅威…ではないが時間の問題。
世界の債務の合計は日本円で4.6京円。
マーケットは限界に近い。
売った現金は証券会社にそのまま置いておく=保振機構が信託財産として保管する。
生活者から見て無くなったら困る起業の株を買う。
インデックスファンドの割合は日本は70%、アメリカ50%、ヨーロッパ40%。
NISAは損益通算ができない。
現代資本主義の問題点は代理人資本主義(エージェント)=機関投資家には投資家本来の意識はない。しかも巨額。昔の資本家銀行家は、自分の私財で事業を行っていた。結果責任を負っていた。
株主利益と社会的理想像とのギャップが広がる。相互チェックが働かない。
マーケットに浸かったままではなく、自分の投資リズムを守る。続きを読む投稿日:2024.04.01
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