問うとはどういうことか~人間的に生きるための思考のレッスン
梶谷真司(著)
/大和書房
作品情報
考える力とは、問う力のことである。
哲学対話の第一人者が、考える際の起点となる「問い方」をわかりやすく解説。
【はじめにより】
日本では教育政策において、2000年代以降、ゆとり教育が本格化するなかで、思考力の育成を重視してきた。
その後、ゆとり教育からは方向転換したが、思考力を育てる方針は変わっていない。
そのさい「今の子どもは考える力がない」ということが大前提になっていることが多く、
大人たちは、まるで自分たちには考える力があるかのように言う。自分のことは棚に上げて、世を憂い嘆く。
しかし考える力が弱いのは大人でも同じことで、人生経験の長短に関わらず、日本の社会全体に見られる症状である。
長年生きているのに身についていないぶん、大人のほうが深刻かもしれない。
思考力育成の必要が唱えられてから40 年たった。
それ以前も、それ以降も、考える力が一向に育てられていないとしたら、
その原因の一つは、間違いなく大人も考える力がないからであり、
どうすればそれを育てられるか分からないからだ。
考えることは問うことに基づいている。考えが漠然としているのは、
問いが漠然としているからだ。具体的に考えるためには、具体的な問いを立てなければならない。
問いの質と量が思考の質と量を決める。要するに、考える力をつけるために重要なのは「問う力」である。
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この作品のレビュー
平均 4.0 (13件のレビュー)
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確かに、物事を深く考えるには問いを立てることが一番の近道だと感じるし、答えを出すよりことも問いを考えることが重要だという話もある。
日常で問いを立てないことはないので、本書を読んで一から学ぶ必要がある…と感じた。
この本では、「問うための方法」などが、具体例により理解出来る。
哲学的で億劫になりがちだが、例に対して共感が多く読み続けやすい。
例えば、「問うことが攻撃的だと感じる」とか、「問うのが歓迎されない」など、問うことを躊躇ってしまうことってあるあるですよね。それが当たり前であるみたいな。
そのような勝手な思い込みで、大事な問いのチャンスを逃してしまっているなら、無くすべき考え方ですね。
何のために問うのか、しっかりと目的を定めて行動に移すことが大切になってきますね。続きを読む投稿日:2024.01.22
何てしんどい本なんだ。
問いを立てるって、
簡単なようで、かなりパワーが要る。
でも、生きていくために必須な力。
書いてあることが難しいわけではない。
ただ、実践しようとすると、難しい。
というか、…面倒くさい。
この本を読むと、自分がいかに頭を使わずに
生きているかが思い知らされる。続きを読む投稿日:2024.05.26
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