資本主義から市民主義へ
岩井克人(著者)
,三浦雅士(著者)
/ちくま学芸文庫
作品情報
貨幣は貨幣だから貨幣なのだ。貨幣を根拠づけるものはただ貨幣だけ。言語・法・貨幣の、社会と人間を貫く自己循環論法こそが、恐慌も生めば、自由をももたらす。それを踏まえて、われわれはどのような市民社会を構想すべきか。資本主義を超えて、来たるべき市民主義とはいかなるものか。貨幣論に始まり、資本主義論、法人論、信任論、市民社会論、人間論、そして倫理論まで、経済学や社会哲学を縦横に論じつつわかりやすく解説。次代の社会像を示す!
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商品情報
- シリーズ
- 資本主義から市民主義へ
- 出版社
- 筑摩書房
- 掲載誌・レーベル
- ちくま学芸文庫
- 書籍発売日
- 2014.04.09
- Reader Store発売日
- 2023.08.04
- ファイルサイズ
- 0.4MB
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この作品のレビュー
平均 4.7 (7件のレビュー)
-
岩井先生の講演会に参加したのはたぶん20年くらい前だと思う。そのころから、言語・法・貨幣の話をされていた。自己循環論法の話もさかんに出てくるので何となく理解できたように思う。ただ、聞き手の三浦氏がかし…こすぎて話が余計に難しくなっているように感じる。講演会は一般向けだったのでずいぶんわかりやすく話されていた記憶がある。ただそのころはまだ、言語や法についてはくわしく研究されていなかったようなので、ずいぶんと進化・深化されたように思う。最終章で、編集者が問題提起として岩井先生のことばを引用されているが、私もその部分に線を引いていた。それは、「グローバル資本主義に対抗し得る唯一の原理はカントの倫理論である」という件である。コミュニタリア二ズムや地域通貨では太刀打ちできないとも言う。カントを読まなければ・・・。それから、信任関係についての件で、医者と患者、弁護士と依頼人、教師と生徒・・・、などについて言及されている。絶対的な非対称性・優位性のため普通の契約関係ではすまない。そこに倫理的な義務を課す必要がある。この辺の話は、内田先生も書かれていたと思うが、切実な問題として受け止めている。カントか…つらいなあ。定言命題って何度も出てくるんだけど、なんかわかりやすい具体例で、誰か上手に説明してほしいなあ。続きを読む
投稿日:2014.09.29
本書では資本主義の本質を探るだけではなく、ポスト資本主義の社会についても考察していく。著者はこれまで「貨幣」とは何か、を再三追求しており、その命題に対して著者は「貨幣は貨幣だから貨幣である」という結…論を出す。これはマルクスの「価値形態論」を批判し追求した結果、貨幣の本質が自己循環論法であることを証明した。また貨幣のみならず、「言語」と「法」の実態についても本書で繰り返し考察される。著者によると、これら三つは、それ自体には物理的な力を持たないが、社会的実在、すなわち社会的動物としての人間が、これらを媒介することで、人間が人間として存在するのだという。言語は意味を、法は権利と義務を、そして貨幣は価値という、目では見えないが一定の力が働く。
後半では、資本主義を超えた先にある市民社会のあり方についても考えていく。市民社会とは、国家(法の力)の側面と資本主義(貨幣の力)の側面の二つを持っていると著者は考える。そして、最終的には法が支配する国家か、貨幣が支配する資本主義を補完するようなシステムになるだろうと著者は考える。そこで鍵となるのが人間の倫理性であり、倫理性が現状の資本主義に対抗する力を有しているという。続きを読む投稿日:2024.03.04
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