お伊勢参り 江戸庶民の旅と信心
鎌田道隆(著)
/中公新書
作品情報
千三百年以上の歴史をもつ「お伊勢さん」には、今なお全国から参詣客がやってくる。一般庶民の参詣が根付いた江戸時代、路銀いらずのおもてなし文化から、およそ六十年周期で発生した数百万規模の「おかげまいり」まで、日本中の庶民がいかにお伊勢参りに熱狂したかを、様々な史料が浮かび上がらせる。著者自身が、二十五年間にわたって実践したお伊勢参りの記録も収載した。街道の文化を再現する一冊。
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商品情報
- シリーズ
- お伊勢参り 江戸庶民の旅と信心
- 著者
- 鎌田道隆
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公新書
- 書籍発売日
- 2013.02.25
- Reader Store発売日
- 2023.07.31
- ファイルサイズ
- 6.2MB
- ページ数
- 208ページ
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この作品のレビュー
平均 3.4 (8件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
2.5~3ケ月かけて、関東地域から伊勢、金毘羅、大和と旅行。一人一日一万円だから、100万円位。
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昔は、宿屋で荷物を送ったり、為替で現金を受け取ったりした。
金品を盗まれても、お布施をもらったり、無料で宿泊、飯をもらったり。
著者は、奈良大学で毎年学生等とともにお伊勢参りを実施している。投稿日:2018.11.21
伊勢神宮の式年遷宮の年にあわせて発刊されたと思しき新書。図書館で気軽に手に取ったが意外と面白かった。
江戸時代のお伊勢参りを「おかげまいり」を中心に解説し、最後の章では、著者が学生たちと徒歩でのお伊…勢参りを再現した様子(大学での毎年の恒例行事になり宝来講と称した)が描かれている。実はもっとも印象に残ったのは、お伊勢参り再現の旅でのエピソード。
けっこう苦心するのが道中での休憩場所(特にトイレ)。2回目の年に、行き当った長屋門のある民家で門の下を食事場所に使わせてもらえるよう頼んだ。そうしたら中に招き入れられて、味噌汁やゆで卵などのたいへんな歓待を受け、翌年以降も必ずその家で昼食をとり、ご接待を受けるようになった。10年以上それが続いた後、もう年をとって思うようなご接待ができないということで場所提供のお断りがあった。著者らは、ご接待は不要なのでトイレと軒下だけでも使わせてほしいと頼んだが、あくまでも固辞された。その後も毎年、通り過ぎる学生たちに声をかけたり、金一封まで渡してくれたりといった交流は続いた。ほんとうの「ご接待」とは何ぞやということに思いをいたすエピソードである(まったく同様の事例が他の集落でもあった)。うまく言葉にできないが、人をもてなすというのは、もてなす側の覚悟というか、そういう真剣勝負みたいなところがある。田舎や関西にその気風がまだ色濃いように思う。
本来の主要コンテンツである、江戸時代の旅に関する記述も面白かった。
・村々で「講」を組織して伊勢の御師と連携しながら、代参(代表者だけお参りする)を送り出したり、総参りに出かけたりしていた。
・お伊勢参りにでたついでに西国や信濃方面など方々を巡っていた。それらをまとめて「お伊勢参り」。2,3月に及ぶ旅になった。名所・旧跡を訪ねたり、名物を賞味したり、芝居見物をしたり、お土産を買い込んで別送したり、なんだか現代の旅よりよほど贅沢ですらある。ただ、駕籠や馬も所々使ったりするが、現代の基準からすると相当健脚でなければならない。
・家出同然に参宮に出てしまう事例が当たり前にあったようだ。もちろん批判もあったが、お伊勢様ゆえかなり大目に見られていたようだ。女子供や下層の人に多かったようだ。
・そうした突発的参宮が同時多発的に生じたのが「抜け参り」のちには「おかげまいり」。中でも大規模なのは江戸時代で5回発生した。突発的に大群衆が伊勢神宮に押しかけたという。続きを読む投稿日:2018.11.05
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