「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか
林(高木)朗子(著・編)
,加藤忠史(著・編)
/ブルーバックス
作品情報
【最新研究から見えてきた精神疾患のしくみと治癒への道筋】
・うつ病の脳では炎症が起きている?
・遺伝要因と環境要因、どちらの影響が強いのか
・統合失調症の幻覚は、脳の神経回路の配線障害が原因?
・ロボットが、自閉スペクトラム症の患者を支援する
・ゲノムの中を飛び回る遺伝因子が統合失調症を引き起こす?
・認知症薬でPTSDのトラウマ記憶を消せるかもしれない
・精神疾患の根治薬の開発を実現するには ……など
うつ病、自閉スペクトラム症・ADHDなどの発達障害、PTSD、統合失調症、双極性障害……
多くの現代人を苦しめる「心の病」は、脳のちょっとした変化から生まれます。
誰にでも起こりうるこの病は、何が原因で、
どのようなメカニズムで生じるのでしょうか?
さまざまな角度から精神疾患の解明に挑む研究者たちが、研究の最前線をわかりやすく解説。
そのしくみから、「治る病」にするための道筋まで。
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この作品のレビュー
平均 3.7 (18件のレビュー)
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レビューが追いつかない…
新生活が始まってすぐにゴールデンウィークに入って、そのまままた新しい一週間が始まった。
仕事も、楽になったはずの通勤にもあんまり慣れなくて、なかなか読書の時間がとれない。当…然、レビューを描く時間なんてもっととれない。
先月読み終わった作品のレビューを、今さらながらに描いてみることにする。
これだけ医学が進歩しても、未だに解明されていない、うつ病、統合失調症、発達障害などの精神疾患の謎に迫った作品。
無事精神保健福祉士の資格を取得したわたしとしては、とても興味深い作品として手に取った。
(みなさん本当に応援してくださりありがとうございました!)
細胞学、遺伝学、神経学など、それぞれの専門家がそれぞれの立場で、最先端の研究をもとに、精神疾患の謎に迫る。
どのように発症するのか。
脳の、細胞の、神経の、どの部位が反応しているのか。
日々、実験を重ねる。
途方もないことだなと思う。毎日仮説検証していく日々というのは。
だからこそ、そこから得られる発見はとんでもないことで、山中伸弥さんが発見したiPS細胞は、こうした研究を重ねる人たちにとって、とてつもない成果だったことがわかる。
ただ、分かりやすく描かれているとはいえ、やはりすごく読むのに労力というか脳みそを使う作品で、かなりエネルギーを使った。
「シナプス」なんて言葉も、精神保健福祉士の勉強の中で触れたものの、当時教科書のどこを見ても鼻と鼻クソにしか見えない図しか載っていなくて、全然分からなくて、結局理系の知人に猿でも分かるように解説してもらったのだ。結局、脳の話に触れるには、まずはこの「シナプス」を理解しなきゃならない。わたしはそうやって事前に知人から聞いていたから、この作品の冒頭でシナプスが出てきた時になんとなく読み進めることができたけれど、その後出てくる塩基配列やDNAについて触れられている部分なんかはもう大苦戦!
各専門分野で、精神疾患について分かってきている部分も増えてきている。ただ、現在のように、体調不良を抱えた患者が病院を訪れ、自分の症状を伝える、というやり方では根本的な原因が分からず、対処療法にしかならないのだ。
その体調不良(例えば、抑うつ状態)の原因が、脳にあるかもしれないし、遺伝子にあるかもしれないし、環境にあるかもしれない。もしくはそれら全てが関与している可能性だってある。それらは、患者が自分の状態を伝えるだけでは見えてこない。さらに、それを伝えたところで医者がそれをどう捉えるかもわからない。ここで紹介されている研究が実用化され、誰でも平等に検査が受けられて、ふさわしい治療を受けられることができるようになるには、どうすればいいのだろう。そしてそれには、何年かかるのだろう。
例えば、ここで様々な分野の専門家が発表した最先端の実験結果を、それぞれの分野の専門家が共有して「なるほど!」ってなって、また新たな発見があったりするんだろうか。そうやって分野を超えて横断的に精神疾患を捉えた時、精神疾患はもはや精神疾患ではなく、脳の疾患、遺伝子の疾患、とかになっていったりするんだろうか。
わたしにはそこまでの発展的な理解はできなかった。
「なるほどー」と思ったり思わなかったりして、とにかくついていくのに必死だった。
そして今は、新しい職場で、新しい日々についていくのに必死な毎日を送っている。
Help!続きを読む投稿日:2023.05.14
「心の病」の脳科学 4/12
最近この手の本を読んで思うのは、この感情はただの複雑な電気化学反応かということ。観測・測定技術がないだけで今は理解できないだろうが、ブレイクスルーで一気に明らかになりそ…うな感じがある。
では感情が化学的に理解された時、科学知識がない人には普及せず、知識がある人々の中で醸成、封印されるのではないだろうかと心配になる。
細分化が進む中、すべてを追うのは難しい・・・と今は思うが、上記技術革新後の世界では、そんな馬鹿な話はないと言われている気がする。
できればそんな世界を見てみたいし生きたい。(まぁ過去の人から見たときそれは今なだだが)神を証明できたとき、人はどうなるんだろう?生命を生産するのだろうか?
確率
一生のうち精神疾患(心の病)にかかる率 80%
統合失調症 100人に1人
双極性障害 1000人に4-7人
自閉症 1000人に1-2人
うつ病 1000人に8人
ADHD(12歳まで)100人に3-7人(男児のほうが女児より3-5倍高いとされる20人に1人)
ADHD(大人)100人に2.5人(男女比1:1 40人に一人)
遺伝的要因の強いもの
・双極性障害 ゲノムの中を飛び回る転移遺伝子の影響(体細胞変異につながる)が指摘されている
・統合失調症 同上
・自閉症
環境的要因が強いもの
・うつ病
注意:強い遺伝要因を持っていても、発症するとは限らない。変異の影響より前に、認知機能障害や、人とかかわる社会機能の低下があり、いじめ孤立などの心理的ストレスによって発症の引き金になるかのうせいもある。
脳の疾患
・神経性疾患 細胞死
・精神疾患 脳に顕著な委縮、神経細胞死が見られないもの。神経細胞やシナプスの働き方の変化、神経回路の配線の変化(顕微鏡レベルではかいめいできない)神経伝達物質の異常
転移遺伝子について。
用語やメカニズムは割愛。
転移頻度が上がる要件としてウイルス感染が考えられている。妊婦がウイルスに感染すると、免疫活性があがり、サイトカイン(炎症物質)が生成、胎児に移る。マウスではこの物質を胎児に投与すると、精神疾患(特に統合失調症)と関連する症状を引き起こすことが知られている。
ADHD
有病率は変化している。12歳まで3-7%。大人2.5%。子供のころに診断された人を定期観測すると、18~20歳で6割の人が診断基準を満たさず、外れることになる。が9割以上の人が成人になっても日常生活で困難を抱えた状態になる(詳細は割愛P137-8 参照)。最近の報告ではこれらと違う結果が表れている(詳細は138-140)これは診断基準がほかの疾患の症状に似ているため神経発達症のADHD以外の人も拾っている可能性が指摘されている。
なぜおこるのか、4つの障害仮説。
実行機能、報酬系、小脳機能、デフォルトモードネットワーク
子どもでは、親子相互交流療法(PCIT)
大人では 認知行動療法、投薬
双極性障害
ミトコンドリア機能障害が、カルシウム調節障害を引き起こす。カルシウム調節障害は感情関連神経回路を過剰興奮を引き起こす。物事を論理的に認識する働きよりも感情で処理する働きを強める(前頭前野の活動が低い)傾向になる。治療を続けても症状が改善されない中には双極性障害でない人もいる。(順天堂大学 気分障害センター40名より3割が該当)
ニューロンフィードバックで精神精神疾患の治療ができるか。10年後には明らかになるそう。
自閉症スペクトラム。刺激が強すぎる→情報量を少なくすることで安定する。能面のロボットのほうがコミュニケーションを取りやすい。
参考書(ブクログ本棚参照)
疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた続きを読む投稿日:2024.04.14
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